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プーチン大統領えげつないロシア軍補強…「開戦宣言」パスでも年末までに45万人増員か
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/305007
2022/05/11 日刊ゲンダイ
対独戦勝記念日の軍事パレードで行進するロシア軍兵士(C)ロイター
節目とされた5.9対独戦勝記念日に新たな局面入りすることもなく、「プーチンの戦争」は続いている。消耗戦を想定したロシアが最大45万人をウクライナに投入するとの見方が浮上しているが、プーチン大統領はそんな威信を保っているのか。ネオナチ掃討を掲げるだけで喧伝に値する戦果を挙げられず、出口はなお見えないままだ。
ウクライナのメディアは軍の予備役大佐オレフ・ジダーノフ氏の見方として、ロシアが年末までに最大45万人を戦争に動員する可能性があると報道。このうち、最大15万人が戦勝記念日以降に投入されるとの見通しを伝えた。ロシアの情報機関FSB(連邦保安局)の内部告発によれば、ウクライナを支配下に置くには最低50万人を投入する必要があると分析していたから、現実的な数字なのだろう。ロシア軍は現役兵90万人、予備役200万人体制。これまでにウクライナ戦線に約19万人を投入している。軍事ジャーナリストの世良光弘氏はこう言う。
「戦勝記念日のプーチン演説で『開戦』あるいは『戦争状態』に言及することを合図に、予備役3万人が派兵されるとみられていました。ヒトラーユーゲントを彷彿とさせる国防省傘下の青少年団体『ユナルミヤ』には8歳から18歳までの85万人が所属し、17歳から18歳が30万人を占めている。愛国教育を受ける彼らを動員する可能性もあった。ところが、『特別軍事作戦』にも触れずじまい。戦時下の総動員体制に至らないままでは、ウクライナ側が懸念するような増強は困難でしょう」
シリアが傭兵4万人超確保か
一方で、シリア内戦をめぐり、軍事支援したプーチン大統領に借りのあるシリアのアサド大統領が元軍人を傭兵として4万人超を確保したとされる。プーチン大統領の手先といわれる民間軍事会社ワグネルも人材獲得に躍起。テレグラムなどのSNSを駆使し、25歳から50歳までの男女を対象に幅広く網をかけている。
「ロシア軍がウクライナに侵攻した2カ月ほど前から、ワグネルは数十回にわたって求人をかけていますが、現地入りしたのは1000人程度。足元では東部のドンバス地域に送り込む人員をかき集めるため、大幅に応募条件を緩和しています。兵役経験なしOK、借金持ちOK、前科ありOK、歯が悪くてもOKといった具合で、のべつ幕なし。月給24万ルーブル(約45万円)と破格です」(軍事関係者)
健康不安説が消えないプーチン大統領に不測の事態が起きても、後継候補のパトルシェフ安全保障会議書記は戦争継続にヤル気満々。仕事にあぶれた現役世代にとっては、悪くはない条件なのかもしれないが、思惑通りの展開は見通せそうにない。
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