>> 140「現実を操作するための基本的な道具は、言葉を操作することである。もし、言葉の意味を操作することができれば、言葉を使わなければならない人々をコントロールすることができる。」フィリッブ・ディック(米国の作家) 〜2007年、イラクのマリキ政権は「新石油法」を閣議決定するが、原案は米国のコンサルタント会社ベアリング・ポイントによって起草されたものだと指摘されている。2003年のイラク攻撃直後にUSAID(米国国際開発庁)が同社と契約し、法案にはブッシユ政権、石油メジャー、IMFなどが主導的に関与しながら、イラク国民には詳細がほとんど知らされることがなかった。 141「真実を伝えたいならば、笑い話にするほうがいい。そうしないと殺される。」オスカー・ワイルド(イギリスの作家) 〜イラクの「新石油法」の第1条には”イラクの石油・ガスはイラク国民の財産”と記されているが、PSA(Production Sharing Agreement=生産分与同意)という方式により、インフラヘの投資期間中は石油の売買益60〜70%を占領国へ支払い、さらに終了後も20%を支払うという略奪的システムだ。「戦争のアウトソーシング」が実践されるイラクにおいては、米国政府に委託された傭兵グループが拘束、尋問、拷問を代行し、反体制的な市民や活動家を粛清するなどの事例が相次いでいる。 142「繰り返される虚構こそが、受け容れられる真実となる。」 ウラジーミル・レーニン(ロシアの革命家) 〜「新石油法」の制定によりイラク油田の経営を事実上シェブロンやブリティッシユ・ペトロリアムなどが独占したことから、一連の行為が公共資源略奪を目的とした侵略戦争であると国内外から批判が噴出するが、このような事実も厳戒な規制により報道されることはない。テロリストや武装グループとは、侵略に対する抵抗運動の歪曲表現であり、実態本質を隠蔽するレトリック(修辞法)に過ぎない。 143「私は大企業やウオール街、銀行のための一級の殺し屋として過ごした。」 スメドレー・バトラー(米国陸軍少将) 〜イラク国内は未だ厳戒な情報統制下にあり、フセイン政権時代の新聞各紙が廃刊されるなど、一般国民に被害実態が周知されることはない。米軍が破壊した公共施設、道路、港湾、その他インフラなどの復旧はベクテル社を筆頭とする米国系企業が受注し、労働力や資材も近隣国から調達したことから、イラクの雇用環境は壊滅的に悪化した。米国史において資本と軍事は常に共同行動するのであり、紛争によって国家領土と資本利潤を拡大してきたことから、侵略は経済行為であり国家プロジェクトと見なすべきだろう。 144「米国の安全保障に関わることで国連の承認は必要ない。誰の許可も必要ない。」 ジョージ・ブッシュ (米国第43代大統領) 〜イラクの未開発の油田をさらに採掘すれば日量800万バレルを突破すると見込まれ、サウジアラビアを抜いて世界第1位の産油国になる。イギリスのフィナンシャル・タイムズは、欧米系石油企業が原油の採掘事業を独占し売買事業を行なうことなどから、イラク戦争そのものが侵略行為であると報道したが、これに対し米国は「機密保安のため国内企業を優先(して石油採掘およびその売買の事業者として指名)する」と釈明した。 145「帝国主義とは資本主義の最終段階である。」 ウラジーミル・レーニン(ロシアの革命家) 〜2004年から米国はイラク国内法を改正し、公営企業の民営化に着手した。セメントエ場、化学肥料プラント、燐酸や硫黄の鉱山、医薬品工場、航空会社などおおよそ産業主体となる企業群が対象となり、同時に資本規制を撤廃したためイラクの公共資源は一挙に外資に売却されたという。また税制改革により進出企業はイラク国内での納税義務を回避し、本国に利潤を送金することが合法となる。一連の政策により失業者は50%以上に達し、困窮した国民は抵抗運動に参加するが、多国籍軍はこれをテロ行為とみなし大規模な掃討作戦を展開した。 146「戦争の本質的な行為は必ずしも人命の破壊にあるとは限らず、寧ろ労働による生産品を破壊する点にあると言える。」ジョージ・オーウェル(イギリスの作家) 〜米国はイラク侵攻において道路、パイプライン、空港、送電網、公共施設などを対象に緻密な爆撃を行ない、復興計画を巨大なプロジェクトに仕立て上げた。USAID(米国国際開発庁)が行なった1回目の入札にはベクテル、フルーア、ハリバートン、ケロッグ・ブラウン&ルーツ、ルイス・バーガー、パーソンズ、ワシントンなど政権に密接な企業群が参加し10億ドルの業務を受注。なお、ベクテル、フルーア、ハリバートンの各社は強力なロビー活動を推進し、開戦前の2001年から2002年の間に約300万ドルの献金を行なっている。 147「すべての合衆国の企業の純利益より多額の資金が安全保障に支出されている。」 ドワイト・デヴィッド・アイゼンハワー(米国第34代大統領) 〜米国政府はロビイスト集団によって運営されているが、この図式は2001年に発足したジョージ・W・ブッシユ政権においては顕著だった。リチャード・アーミテージ国防副長官(軍需・レイセオン)、マイケル・ウィーン国防総省次官(軍需・マーティン・マリエッタ)、ゴードン・イングランド海軍長官(軍需・ゼネラル・ダイナミック)、ポール・ウォルフォウィッツ国防副長官(石油・BPアモコ)、エドワード・オルドリッジ国防予算・兵姑担当次官(軍需・ユナイテッド・インダストリアル)、コンドリーザ・ライス国家安全保障担当補佐官(石油・シェブロン)、コリン・パウエル国防次官(軍需・ゼネラル・ダイナミクス)、デック・チェイニー副大統領(軍需・TRW)など、対イラク戦を決議した主要閣僚の90%以上を軍需・エネルギー産業の元役員や経営者らが占めている。 148「軍産複合体が、意識的にであれ無意識的にであれ、不当な勢力を獲得しないよう、我々としては警戒していなければならない。」ドワイト・デヴィッド・アイゼンハワー(米国第34代大統領)
〜イラクでは生産活動が停止した状態で安価な外国製品が流人し、主要な公営企業は多国籍企業に与され、イスラム圈で最高水準にあった教育・医療など一切の厚生は米国の南部地域に劣るほど荒廃し、貧困と飢餓が蔓延した。一方、イラク戦を決議したブッシュ政権のロビイスト閣僚らは、復興計画に伴い莫大な株式益を手にするなど、アイゼンハワーの予見どおり軍産複合体と国家中枢は相互浸透し、米国そのものが軍事企業の私的運営物という様相を呈している。 149「第7ビルは制御解体だろう。内側から爆破されているから、間違いなくベテランの仕事だ。」ダニー・ジョウェンコ(オランダの爆破解体企業社長) 〜2001年9月ニューヨークの貿易センタービルヘ2機のボーイングが激突し崩壊、その後には激突されていない第7ビルまでもが崩壊。空軍の演習によりスクランブル発進ができないなど、確率論的には発生し得ない偶然が重なりテロは成功した。テロリスト集団はアラブ人財閥のビン・ラディンが率いるアルカイダとされ、世論は急速にイラク・アフガニスタン攻撃に傾斜し戦争へ突入する。ここでも「敵国の一方的な攻撃に対する、やむを得ない防衛戦争」という、米国の常套的なコンテキスト(文脈)が活用されるなど、9・11は「有用な危機の創出」であり、自作自演であったとする指摘が多い。 _______________________________________________
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