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ミンスク合意に回帰すること重要性
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2022年3月14日 植草一秀の『知られざる真実』
ウクライナ問題で最重要であるのは停戦の実現。 戦争は人類の悲劇。 戦争のない世界を実現しなければならない。 この意味でロシアの行動は正当化されない。 紛争の解決に武力を用いないこと。 これが平和を維持する根幹だ。 しかし、ロシアは武力の行使に踏み切った。 このときにどう対応するのかが問われる。 ロシアに正義がないとしてロシアとの戦闘を拡大することが正しいのか。 この点を熟慮する必要がある。 戦乱の拡大は犠牲者を増やす。 戦闘員だけでなく一般市民が巻き添えにされる。 この点を熟慮する必要がある。 ロシアがなぜ武力行使に踏み切ったのか。 ロシアが単に領土拡大を求めて侵略戦争に着手したのならロシアに弁解の余地はない。 しかし、ロシアの側に一定の理屈が存在するのなら、その理屈を考察することは必要だろう。 したがって、ウクライナとロシアの紛争の経緯を正確に知ることが重要になる。 この問題について、正確な情報を提供してくれているのがオリバー・ストーン監督のドキュメンタリー映画『ウクライナ・オン・ファイヤー』 「ウクライナ・オン・ファイヤー」でウェブ検索していただければ、日本語字幕付き動画を視聴できる。 検索エンジンは「ウクライナ・オン・ファイヤー」を表示せず、真逆のプロパガンダ映画である「ウインター・オン・ファイヤー」を表示する特殊なアルゴリズムを設定していると見られる。 メディアコントロールを実行する側の強い警戒ぶりが浮かび上がる。 ソ連崩壊後、米国はウクライナを重視してきた。 詳細の事実関係は「ウクライナ・オン・ファイヤー」が示してくれているので、こちらを参照いただきたい。 ウクライナは第一次大戦、第二次大戦を通じて、強国の戦乱に巻き込まれてきた。 その間に、ウクライナ西部はナチスドイツの支配下に置かれたことがある。 このとき、ウクライナの民族主義者がナチスドイツに加担した。 ウクライナ民族主義者組織(OUN)出身者がナチスドイツに加担した。 その極右勢力が第二次大戦後も断罪されずに温存された。 ウクライナ民族主義者を温存してきたのは米国のCIAである。 米国は対ロシア戦略を念頭に置き、ウクライナ極右勢力を保護してきたのである。 開示されたCIA機密文書がその事実を明らかにしている。 冷戦終結時に米国はソ連首脳に対してNATO非拡大の方針を約束している。 しかし、この約束は破られた。 米国はNATO東方拡大策を全面的に推進してきた。 その背後に米国のネオコンの存在がある。 ネオコンは米国の価値観を世界に埋め込むことを「正義」であると主張している。 米国の価値観を世界に埋め込むためには軍事力の行使もいとわないとの姿勢を示す。 世界平和を維持するには「紛争の解決に武力を用いない」ことが根幹に置かれなければならないが、これに反する考え方をネオコンは保持している。 ソ連崩壊後、米国は旧東欧諸国における政権転覆を主導してきた。 米国のネオコンは「民主主義の勝利」と表現するが、外部からの工作であり、内政干渉、暴力革命などの性格を強く有するものだった。 ウクライナでは2004年と2014年に政権転覆が図られている。 「ウクライナ・オン・ファイヤー」は、その経緯を明らかにするもの。 2014年の政権転覆は米国がウクライナ極右勢力と結託して暴力革命を引き起こしたものと理解できる。 この政権転覆に反発したウクライナのロシア系住民がクリミアでロシアへの編入を決めた。 東部ドネツク、ルガンスク州では共和国の独立が宣言された。 これに対してウクライナ政府が武力で対抗し、内戦状態が勃発。 これを収束するために2014年から2015年にかけて「ミンスク合意」が調印された。 2019年に大統領に就任したゼレンスキーはミンスク合意履行を公約に掲げながら、その履行に力を注がなかった。 それどころか、ミンスク合意を破棄してロシアと軍事的に戦う姿勢を強めてきた。 この経緯を踏まえなければ、ウクライナ問題の解決を図ることは難しい。 ウクライナとロシアが交渉により、一刻も早く停戦を実現することが強く求められる。 10月5日発売の鳩山友紀夫元首相、孫崎享氏、前川喜平氏との共著『出る杭の世直し白書(ビジネス社) https://amzn.to/3hSer8a のご高覧も賜りたい。 |
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