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米国による生物化学兵器の研究開発が明確になったウクライナへ傭兵を投入
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203110000/
2022.03.11 櫻井ジャーナル
ウクライナ大統領のボロディミル・ゼレンスキーは1万6000人の外国人傭兵がロシア軍と戦うために入国すると語っている。シリアのイドリブから約450名のジハード傭兵(アル・カイダ系武装集団の戦闘員)がウクライナへ向かうという報道もあるが、その一方で、約70人の日本人が「義勇兵」に応募、そのうち約50名は元自衛官だという。
本人たちがどのように思っているかは別にして、アメリカが使う戦闘員は傭兵である。その時の役回りによって「自由の戦士」というタグが付けられたり「テロリスト」というタグが付けられたりするが、侵略の手先としての傭兵である。
2014年2月にアメリカのバラク・オバマ政権は傭兵としてネオ・ナチを使い、暴力的なクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。ヤヌコビッチは2010年の選挙で選ばれた大統領で、地盤は東部や南部。ロシア語を使う住民が多い地方で、ロシアに親近感を持っている。つまりアメリカにとって目障りな人びとだ。
そのヤヌコビッチが当選した理由のひとつは、2004年から05年にかけての「オレンジ革命」で大統領の座をもぎ取ったビクトル・ユシチェンコの新自由主義的政策への反発だ。ボリス・エリツィン時代のロシアと同じように政治と経済を握った腐敗勢力が私利私欲に走り、国民の大多数は貧困化、貧富の差が拡大したからだ。「オレンジ革命」で排除された大統領もヤヌコビッチだった。
2014年の場合、新たな「オレンジ革命」はできなかっただろう。国民はその実態を知っているからだ。そこで第2次世界大戦の終盤から手先として保護、育成してきたナチスの人脈を利用したわけだ。軍や治安機関の内部にもクーデター体制に反発する人が少なくなかった。そこでネオ・ナチを主力とする親衛隊を作ったわけである。
ウラジミル・プーチン露大統領は2月21日にドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認、ウクライナに対し、クリミアとセバストポリがロシア領だと認めてNATO加盟をウクライナは断念するように要求、ウクライナを非武装化(攻撃的な軍事施設や兵器を持たない)して中立を宣言するように求めているが、さらに「非ナチ化」も目標に掲げている。ネオ・ナチを一掃するということだ。
ロシア軍は2月24日に攻撃を開始、巡航ミサイル「カリブル」などで航空基地が破壊したと言われているが、その際にウクライナの生物兵器研究開発施設もターゲットにしたとする説が流れていた。アメリカ側は「偽情報」だとしていたが、そうした施設が存在していたことは記録に残っている。
そして3月7日、ロシア軍の核生物化学防護部隊を率いているイゴール・キリロフ中将は記者会見でウクライナの生物兵器の研究開発施設から回収した文書について語った。ウクライナにはアメリカのDTRA(国防脅威削減局)にコントロールされた研究施設が30カ所あるとしている。
3月8日には上院外交委員会でマルコ・ルビオ上院議員からビクトリア・ヌランド国務次官はウクライナの施設で研究されている生物化学兵器について質問され、そうした研究施設が存在することを否定しなかった。さらに生物化学兵器をロシア軍が押収するかもしれないと懸念している。ウクライナの研究施設で生物化学兵器の研究開発が行われていたこと事実上、認めたわけだ。
ロシア国防省によると、ウクライナの研究施設で鳥、コウモリ、爬虫類の病原体を扱う予定があり、ロシアやウクライナを含む地域を移動する鳥を利用して病原体を広める研究もしていたようだ。
これまでアメリカが使ってきた手口を考えると、生物化学兵器を何処かで使い、その責任をロシア軍に押し付けようとするかもしれない。そうした手法は例えば、シリアで使った。この時は早い段階で嘘が発覚したが、西側の有力メディアはアメリカを厳しく批判するようなことはしていない。
傭兵や偽旗作戦。ウクライナがシリア化する可能性もある。そのシリアで侵略戦争が始まってから1年ほど後、メルキト東方典礼カトリック教会の修道院長、フィリップ・トルニョル・クロは住民虐殺事件を調べるためにシリアへ入って調査、その報告をローマ教皇庁の通信社が伝えている。
住民を虐殺したのは外国から侵入したサラフィスト(ワッハーブ派、タクフィール主義者)の戦闘員で、兵器や武器はカタールやサウジアラビアから得ていることを彼は知った。「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている」と彼が報告したのはそのためだ。
この指摘はウクライナにも当てはまる。つまり西側の有力メディアはウクライナでも同じことを行っているのだ。
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