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独裁者には独裁者か 習近平主席が狙う「漁夫の利」ウクライナ停戦交渉の主導で“世界の盟主”へ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/302027
2022/03/03 日刊ゲンダイ
独裁者を止められるのは独裁者だけ(ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席)/(C)共同通信社
独裁者の暴走を止められるのは、もう1人の独裁者なのか。ウクライナのクレバ外相が1日、中国の王毅外相と電話会談、停戦の仲介を求めた。習近平国家主席はウクライナ侵攻直後のプーチン大統領に「交渉を通じた解決を支援する」と伝えたが、本気で仲介交渉に動き、停戦を実現すれば経済制裁一筋の西側諸国は面目丸潰れ。習近平主席の「漁夫の利」に、対立する米バイデン政権は真っ青となる。
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王毅外相は会談で、民間人の被害を「極めて憂慮している」と語り、中国がウクライナ侵攻の深刻化を望んでいないことを示唆した。また、今回の件はロシア側が表現する「特別軍事作戦」ではなく、「戦争」だとの認識も示したという。
侵攻開始以降、中国は直接ロシアを非難することはないものの、肩入れは慎重に避けてきた。対米共闘で連携を強めるロシアと同様、ウクライナも重要なパートナーだからだ。中国はロシアのクリミア併合も承認していない。明確に反対もせず、曖昧な立場を貫いてきたのも、ウクライナとの関係維持のためだ。
2014年のクリミア併合以降、中国はウクライナへの経済進出を強め、19年には最大貿易相手国の座をロシアから奪った。昨年の対ウクライナ輸出額は前年比36.8%増の約94億ドル、輸入額は25.2%増の約98億ドルと、コロナ禍でも過去最高。昨年までの5年間に輸出は1.9倍、輸入は4.2倍の大幅増だ。
「ウクライナは習主席肝いりの巨大経済圏構想『一帯一路』の要諦です。欧州まで結ぶ『輸送ハブ』として期待されています。国際貨物列車『中欧班列』は20年7月、湖北省武漢からウクライナの首都キエフ向けの定期直通便が、昨年9月にはキエフから陝西省西安向け直通便が、それぞれ運行を開始したばかり。その直後のキエフ包囲は、中国も本音では望んでいないはずです」(外交関係者)
軍事関係はさらに緊密だ。中国初の空母「遼寧」は旧ソ連製で1998年にウクライナから購入。遼寧の艦載機もウクライナに残置された旧ソ連の試作機を中国がコピー。世界最大のズーブル級揚陸艇も、クリミア半島の造船所からウクライナが供与――とウクライナ発の中国の兵器や軍事技術を挙げればキリがない。
戦わずして「世界の盟主」となる絶好機
中国にとってウクライナは、巨大経済圏構想「一路一帯」での「欧州までつなぐ重要なハブ国」/(C)ベルナマ通信提供・共同
加えて、両国が2013年末に締結した友好協力条約には〈ウクライナが核兵器による侵略やその類の侵略の脅威に直面した場合、中国が相応の安全保障を提供する〉との一節がある。プーチン大統領が核の脅しをかける今、中国はこの条約に従う必要があるのではないか。
「ロ・ウ両国と良好関係にあり、仲介役として積極的に関与できるのは世界でも中国のみ。この立場を利用して習主席がプーチン大統領の説得に動けば『世界の盟主』をアピールする好機です。対立するバイデン米政権の無力さも際立ちます。逆にウクライナとの友好協力条約を反故にすれば、類似の条約を交わした国々の信頼を失い、世界から孤立します。プーチン大統領も国内の厭戦ムードから内部崩壊の恐れがあり、泥沼の長期戦は避けたいところ。習主席の停戦仲介を拒む理由はないはずです。今こそ中国には大国としての自覚が問われています」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)
米バイデン政権は真っ青! |
ひょっとすると、プーチン大統領の常軌を逸した核脅迫も、ウクライナとの条約を見越して中国の仲介を誘う“呼び水”かも知れないのだ。米国に代わって世界のリーダーになるという野望を抱く習近平主席にとって、まさに「漁夫の利」を得るチャンスだ。
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