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アメリカの求心力低下が予想以上に進んでいることが明らかになってきた
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202203030001/
2022.03.03 櫻井ジャーナル
ロシアのウラジミル・プーチン政権は事前の警告に従い、2月21日にドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認し、ドンバスにおける「特殊軍事作戦」を実施すると発表した。その後、興味深い事実が明らかになってきた。アメリカの求心力が予想以上に弱まっているのだ。
アメリカへの従属を明確にしているのはアングロ・サクソン系のイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのほかEU、スイス、シンガポール、日本。ライバル関係にあるインドとパキスタンは中立で足並みを揃え、NATO加盟国のトルコ、アメリカのドル体制を支えてきたサウジアラビア、そしてイスラエルもロシアを非難していない。
ロシアが作戦を開始すると発表した後、ウクライナ政府はイスラエル政府に対して仲介を要請、プーチン大統領はイスラエルのナフタリ・ベネット首相に対し、ロシア政府はウクライナ政府と話し合う用意があると伝えている。
これまでの経緯を見ていれば、アメリカ/NATOがロシアを執拗に挑発、恫喝してきたことは明白。ロシアのウラジミル・プーチン政権はアメリカ/NATOの支配グループに対し、敵対的な行為は止めなければ反撃すると再三警告してきた。それが無視されてきたのである。
1991年12月にソ連が消滅してロシアはボリス・エリツィンの下、欧米資本の属国になった。その記憶をアメリカ/NATOの支配グループは忘れられず、無視できると考えたのかもしれない。例えば、外交問題評議会(CFR)が発行している定期刊行物「フォーリン・アフェアーズ」の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文では、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いとされていた。
その認識が間違っていることは2008年8月のジョージア軍による南オセチアに対する奇襲攻撃の失敗で明確になった。ジョージア軍の背後にはイスラエル軍とアメリカの政府や傭兵会社が付いていたのだ。2015年9月にロシア軍はシリア政府の要請で軍事介入、アメリカ/NATOの手先であるジハード傭兵を敗走させ、ロシア製兵器の優秀さもアピールした。
そして2018年3月、プーチンはロシア連邦議会での演説で、ロシアはアメリカがABM条約から離脱したことを受けて新兵器の開発に着手したことを明らかにし、その一部を紹介している。例えば新型のMIRVミサイル「Sarmat」、低高度で飛行する核エネルギーの推進装置を搭載したステルス・ミサイル、深海を移動するステルス核魚雷、超音速ミサイル、大陸間をマッハ20で滑空するミサイル、レーザー兵器などだ。アメリカは核戦争で生き残れないと宣言したのである。
その後、プーチンはロシアの安全を保障するように要求するが、アメリカ/NATOは拒否、ジハード傭兵やネオ・ナチを使ったゲリラ戦でロシアや中国を攻撃する動きを見せることになる。
挙句の果てに、イギリスのリズ・トラス外相は2月27日、ロシア軍をウクライナで止められなければ、NATO軍と戦わせることになると発言した。ロシアと核戦争を行うと宣言したに等しい。ロシアのウラジミル・プーチン大統領が国防大臣と参謀総長に対し、核兵器部隊を特別戦闘任務につかせるように命令したのはそのためだ。
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