http://www.asyura2.com/19/warb23/msg/377.html
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ロシアが侵攻したウクライナ戦争は、開戦日の2月24日にロシア軍が電撃的にウ
クライナの空軍を破壊して制空権を強奪した後、膠着的な感じになっている。政
治的な水面下の動きが起きていると思われるのだが、何が起きているのかほとん
ど漏れてこない。ウクライナには以前から、ロシア敵視のウクライナ系ナショナ
リスト勢力(極右ネオナチ)から、ロシア系などの親ロシア勢力までの諸勢力が
いる。極右は米英諜報界に支援されてウクライナの諜報機関を握ってきた。ゼレ
ンスキー大統領も極右の側近たちに囲まれている。ウクライナの極右は、イスラ
エルの入植者と似て、ナショナリストと言っているが本質はそうでなく、ロシア
に打撃を与えることを最優先にしている。彼らの本質は極右というより米英のス
パイだ(エリツィン時代のロシアのオリガルヒとか、コソボのKLAも同質)。彼
らは米英諜報界の後ろ盾があるので強い。(イスラエルの入植者も米諜報界の後
ろ盾があり、イスラエルの安定や繁栄よりもアラブ人・パレスチナ人の排除を最
優先にしつつ権力を牛耳り、その結果イスラエルは安定から遠ざかり亡国の際に
いる)
https://tanakanews.com/220226russia.php
敵にガスを送るプーチン
ロシアは、ゼレンスキー大統領が今の混乱の中で極右(ネオナチ)の側近たちを
排除して個人で権力を握り、その上でゼレンスキーが「ウクライナは対露非武装
の親ロシア国家になった」と宣言することを望んでいる。これが、ロシアの求め
る「非武装、非ナチ化」である。これを達成するにはまず、ゼレンスキーが自分
を囲んでいる極右の側近たちを排除せねばならないが、それが失敗している可能
性がある。ロシアは今年初め、カザフスタンで似たような謀略をやって成功して
いる。カザフスタンで起きた暴動は、ロシアから離反して欧米と親しくしてきた
独裁者ナザルバエフ(安保会議長)が、配下のトカエフ大統領に引責辞任させら
れる権力内の下剋上を引き起こしたが、この下剋上はロシアが誘発したものでな
いかと私は勘ぐっている。
https://tanakanews.com/220113kazakhstan.php
カザフスタン暴動の深層
トカエフは、暴動鎮圧時のどさくさ紛れにロシアとくっついてナザルバエフを蹴
落として自分がカザフの親露権力者になった。ロシアは、カザフスタンを反露国
から親露国に転じさせた(目くらましとしてトカエフは今回、露軍のウクライナ
侵攻に協力しないと表明した)。同様にロシアは今回、ウクライナで露軍侵攻の
どさくさ紛れに、極右(米英諜報界)の傀儡だったゼレンスキーが極右を切り落
として親露の権力者に転向して政治的に延命することを狙っているのでないか。
大統領がゼレンスキーのままなら、欧米も「ロシアがウクライナを政権転覆して
傀儡政権を作った」と非難できない。
今回ロシアがウクライナで「カザフスタン方式」を成功させる可能性を高めたの
は、2月11日から米国が「ロシアが攻めてくる」と大騒ぎし、英欧諸国を引き連
れてウクライナ駐在の外交官や諜報部員たちを全員出国させたからだ。これまで
ウクライナの極右を支援強化して権力に就かせていた米英勢が、突然に引き揚げ
ていってしまった。その2週間後、露軍が侵攻してきて制空権を奪い、外国勢がウ
クライナを支援することが不可能になった。ロシアはウクライナの極右幹部(米
英スパイ)たちが権力から排除されて一掃(投獄?)されるまで、ウクライナか
ら出ていかない。ウクライナの極右は政治的・諜報的に「兵糧攻め」にされている。
https://tanakanews.com/220225ukraine.htm
バイデンがプーチンをウクライナ侵攻に導いた
ゼレンスキーが露軍に追い詰められつつ、自分の政権から極右を排除して「浄化」
し、代わりに親露系(ロシアのスパイ)の政治家や政策立案者たちを側近として
登用する「改革」をやり、その上でゼレンスキーがウクライナの非武装中立化を
宣言すれば、ロシアが求める「非武装化と非ナチ化」が成就する。選挙で選ばれ
たゼレンスキー大統領が続投したまま「民主的」に親露側へと換骨奪胎される。
逆に、あと2-3週間たってもウクライナ上層部の人事異動などの動きがほとんど
起こらず、ゼレンスキーが露軍侵攻前と同じ側近たちに囲まれて「ロシアと戦う」
と宣言し続けていたら、極右の延命であり、カザフスタン方式でウクライナを
親露側に転換するロシアの謀略は失敗した可能性が高くなる。
ウクライナの極右は、母国をアフガニスタンやシリアみたいな内戦状態にして、
ロシアを地上軍による占領の泥沼に引きずり込み、プーチンが世界からもっと非
難されるようにして、露軍のウクライナ占領を失敗に追い込みたい。ウクライナ
極右は、政府軍とは別の武装民兵団を持っており、彼らは米英諜報界の軍人たち
から各種の特殊作戦の訓練を受け、装備を供給されてきた。たとえゼレンスキー
が政権中枢から極右を排除し、政府軍が露軍と戦うことをやめさせても、極右民
兵は政府の言うことを聞かず、独自の装備を出してきて露軍を攻撃する。
http://www.rt.com/russia/550628-putin-address-ukraine-military-power/
Putin tells Ukrainian military to ‘take power into their hands’
すでに極右民兵は、首都キエフなどの住宅街の中にトラックに積んだ地対空砲を
持ち込み、住民を「人間の盾」として使いつつ、上空の露軍機を攻撃したりして
いる。露軍機が極右に反撃すると「露軍機がキエフの住宅街を空爆した」という
話になり、欧米日のマスコミがロシア敵視を喧伝する。ウクライナ極右が住民を
人間の盾として使う非道なテロリストの戦法をしていることは無視される。欧米
日のマスコミは、米英諜報界が発する歪曲情報を鵜呑みにして喧伝する。マスコ
ミは諜報界の傀儡であり、その点で同じく米英諜報界の傀儡であるウクライナの
極右勢力と「義兄弟・同志」の関係にある。マスコミは自分たちの本性を語らな
いし、ウクライナの本質も報じず、歪曲を喧伝し続ける。
http://www.stationgossip.com/2022/02/us-officials-make-grim-prediction-for.html
US Officials Make Grim Prediction for the Fall of Kyiv: Report
ウクライナ極右の一部は政府軍の部隊の中に兵士や将校として入り込み、政府軍
の動きを内側から監視・統制することもやっている(イスラエルで入植者が国軍
を乗っ取ってきたやり方と似ている)。ウクライナ人の中にはロシアを敵視した
くない人々や、極右支配を嫌う人々(親露派と、反・反露派)も国民の半分ぐら
いいる。ロシアは、ウクライナ政府軍内のそうした親露系の将校や兵士たちが極
右支配に反逆するクーデターを起こすよう呼びかけている。しかし、今のところ
極右支配への反逆は起きていない。その理由についてロシア国防省は、政府軍の
内部にいる極右勢力が、反乱しそうな親露系の兵士や将校を諜報機関に通報し、
排除(私刑に?)しているからだと言っている。ウクライナは極右に乗っ取られ
ている。大統領も兵士も、極右に反逆することは難しい。極右を強化してきた米
英諜報界がウクライナを去った今、この困難性がいつまで続くか、という話でも
ある。
http://sputniknews.com/20220225/russian-mod-kiev-uses-same-methods-as-terrorists-uses-civilians-as-human-shields-1093367914.html
Russian MoD: Kiev Applies Same Methods as Terrorists, Uses Civilians as Human Shields
ウクライナは、極右に乗っ取られたままだと「アフガン化」しかねない。欧米の
NATO諸国は、ウクライナに大量の武器弾薬を送り込むと言っている。ドイツはス
ティンガー(携帯式地対空誘導ミサイル)を500発と、携帯式の対戦車砲を1000発
をウクライナに供与する。オランダもスティンガー200発、対戦車砲50発を送る。
ベルギーやチェコ、スロバキアも似たような兵器を送る。これらはウクライナの
誰が使うのか。これらの携帯用の兵器は、政府軍などの正規軍が使うというより、
ゲリラや民兵団など非正規軍が使うものだ。スティンガーなどが活躍するのは
非正規戦争の戦場だ。今後のウクライナでロシア軍と戦う主な勢力は、政府軍で
なく、非正規軍である極右の民兵団だ。彼らは市街地に立てこもり、住民を
「人間の盾」として使いつつ、アパートのバルコニーや屋上の影や、公園の木立
の間から、ロシア軍の飛行機や戦車を狙って撃ってくる。その時に、ドイツやベ
ルギーなどが供給したスティンガーなどの携帯用兵器が使われる。
http://www.zerohedge.com/geopolitical/ukraine-says-it-derailed-russian-attack-plan-kiev-offensive-resumes
Russia's Military Announces Bigger "Advance In All Sectors" As Zelensky Vows Ukrainians Will Fight
この住宅地に立てこもる極右民兵団にロシア軍が反撃すると、アパートが破壊さ
れ、住民が死傷する。美しいキエフやその他のウクライナの街が、カブールやベ
イルートやアレッポみたいな廃墟になっていく。何万人かのウクライナ市民が死
に、その何10倍かの市民が家を壊されて難民になる。ウクライナは非正規戦争に
なり、アフガン化する。この戦争を起こしたのはロシアだ、プーチンだ。米欧日
のマスコミや権威筋(諜報界傀儡)が勝ち誇って非難する。ドイツやオランダや
ベルギーといった人権重視の美しい国々がこれからウクライナに供給するスティ
ンガーなどは、このように「活用」されていく。欧州市民はさぞ嬉しいだろう。
http://www.zerohedge.com/geopolitical/devastating-move-us-weighs-sanctions-russias-central-bank-germany-backs-targeted
In "Devastating" Move, US Weighs Sanctions On Russia's Central Bank As Germany Backs "Targeted" Removal Of Russia From SWIFT
スティンガーは1970年代に米軍産が開発し、ソ連軍が侵攻して支配していたアフ
ガニスタンで、米諜報界が支援してソ連軍とゲリラ戦をさせていたイスラム民兵
団(ムジャヘディン、聖戦団)に使わせた。山間の聖戦団を空爆しにくるソ連軍
のヘリコプターや飛行機を聖戦団がスティンガーで撃墜し続け、ソ連にとって戦
況が不利になり、1989年のソ連軍の撤退と、その直後のソ連崩壊へとつながった
(その後、めぐりめぐって聖戦団はタリバンになり、米国自身がアフガン占領の
泥沼にはまることになったが)。スティンガーはソ連を潰した。プーチンは、ソ
連崩壊から10年後にロシアの権力者になり、20年かけてロシアを立て直した。し
かし、またもやロシアはスティンガーの悪夢の前に立たされている。勝ち誇る敵
は今回も米諜報界である。
http://nationalinterest.org/print/feature/war-reshape-european-security-has-begun-200830
The War to Reshape European Security Has Begun
ウクライナの制空権はロシアが握っている。ドイツなどNATO諸国は、スティンガ
ーを空路でウクライナに送り込めない。ポーランドから陸路で入れる話が出てい
る。しかし、NATOからの輸送トラックがウクライナに入ったら、その時点でロシ
ア空軍に空爆される。これら正規のルートは使えないが、非正規のルートなら使
える。ポーランドもロシア敵視の国だ。ウクライナの極右が一般市民のふりをし
てポーランドに行き、スティンガーを一本ずつ持ち、検問所を迂回してウクライ
ナに戻り、そのまま一般の荷物に紛れ込ませてキエフなどまで運べれば、うまく
戦場に持ち込める。パキスタンから聖戦士が山を越えてアフガニスタンにスティ
ンガーを運び込んだ昔話に似ている。ウクライナを占領するロシア軍がポーラン
ドとの国境線を厳重に管理できれば、この非正規ルートも阻止できる。
ロシアは、ドイツなどがウクライナにスティンガーを送り込むことを阻止できる
もう一つの方法も持っている。それは、ロシアからドイツなどへの天然ガスの供
給を止めることだ。ドイツなど欧州諸国は、暖房や発電などエネルギー源のかな
りの部分をロシアからの天然ガスに頼っている。ロシアが天然ガスの送付を止め
たら、その日から欧州は大混乱になる。ロシアはウクライナで市民を殺さないよ
うに戦争している。だが、ドイツなどがウクライナにスティンガーを送り込むと、
極右がそれを使ってウクライナの戦争を、市民が大量に死ぬものに変えてしまう。
ロシアが欧州に送るガスを止めて「ウクライナに軍事支援しないと約束するまで
欧州にガスを送らない」と宣言することは、ウクライナ市民の生命と資産を守る
ための、ロシアによる人道策である。まだスティンガーはウクライナに送られて
いない。記者発表されただけだ。
http://www.rt.com/news/550660-nato-ukraine-weapons-russia/
NATO sending more weapons to Ukraine Stoltenberg
今や軍産を押しのけて多極派が牛耳っているとおぼしき米諜報界は、プーチンを
奮起させて欧州へのガスを止めさせて欧露関係を大転換させるために、スティン
ガーという「ソ連殺し」の名前を意図的に出してきたのでないか。今日決まった
SWIFTからロシアを追放する話も、3月1日から米連銀がQEをやめた後に起きそう
な米金融崩壊・ドル崩壊を「プーチンがSWIFT追放の報復としてドルを潰した」
「プーチンが米国の覇権を引き倒した」「ぜんぶプーチンが悪いんだ」という話
にするために米諜報界がやらせた観がある。ロシアはずっと前からSWIFT追放の
準備をしてきたのであまり困らない。
http://sputniknews.com/20220226/all-russian-banks-under-sanctions-will-be-excluded-from-swift-german-govt-says-1093405657.html
All Russian Banks Under Sanctions Will Be Excluded From SWIFT, German Gov't Says
http://www.investmentwatchblog.com/inflation-alert-the-russia-ukraine-conflict-is-being-set-up-as-a-scapegoat-for-continued-accelerating-inflation/
Inflation Alert! The Russia/Ukraine Conflict Is Being Set Up As A Scapegoat For Continued Accelerating Inflation
ロシア敵視の総本山だったはずの英国は「NATOはウクライナに積極介入すべきで
ない」と言いだしている。今起きていることはマスコミ権威筋が喧伝する「プー
チンの大誤算」でなく逆に「プーチンの勝利、NATOの自滅」になりそうだ、と英
国は懸念している。イラク戦争などと同様、隠れ多極主義的なにおいがする。
http://www.usnews.com/news/world/articles/2022-02-25/uk-says-nato-forces-must-not-play-active-role-in-ukraine
UK Says NATO Forces Must Not Play Active Role in Ukraine
ウクライナで起きている水面下の政治的な動きとして推測できるものは、ロシア
系勢力が勃興するかどうかとか、南東部を分離独立させるノボロシアの謀略とか、
ほかにもいくつかあるのだが、今日の記事はここまでにする。
http://www.memri.org/reports/anti-liberal-russian-philosopher-dugin-glory-novorossiya-second-great-slavic-reconquista-has
'Glory To Novorossiya! The Second Great Slavic Reconquista Has Begun'
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/220227russia.htm
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