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タリバン アフガニスタン「9つの州都制圧」宣言 治安悪化懸念/nhk
2021年8月11日 19時47分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210811/k10013195401000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_011
アフガニスタンでは反政府武装勢力タリバンと政府軍との間で激しい戦闘が続いていて、これまでにタリバンは、北部の要衝を含め合わせて9つの州都を制圧したと宣言しました。8月末のアメリカ軍の完全撤退を前に治安のさらなる悪化が懸念されています。
アフガニスタンでは8月末に控えたアメリカ軍の完全撤退を前に反政府武装勢力タリバンが各地で攻勢を強めていて、11日、中国と国境を接する北部バダフシャン州の州都を制圧したと宣言しました。
タリバンは10日、首都カブールと北部最大の要衝、マザリシャリフを結ぶ幹線道路が通るバグラン州の州都も支配下に置いたと宣言しこれまでにタリバンが制圧した州都は9つにのぼります。
タリバンの攻勢が続く中、中東のカタールの首都ドーハでは10日にアフガニスタンの和平に向けた国際会議が開かれ、アメリカや中国、パキスタンなどの関係国や周辺国の代表らがタリバン側と和平プロセスなどについて話し合ったということです。
会議は断続的に続けられ中国などの周辺国は、治安の悪化が自国に飛び火し、テロ活動が活発化することを警戒していることから、政府軍とタリバンの戦闘を速やかに停止させた上で、政治的な解決に向けた方策について話し合われるものとみられます。
タリバン 地方の地区制圧し都市部への攻勢強める
攻勢を強めるタリバンは、アフガニスタンの半数を超える地区を支配しているとみられています。
アメリカのシンクタンクの調べによりますと8月10日の時点でアフガニスタンにあるすべての地区のうち、57パーセント余りにあたる233の地区がタリバンが支配下に置き、政府が統治している地区は16パーセントにとどまっています。
タリバンは、地方の地区を制圧しながら、都市部に向け攻勢を強めていて、北部の要衝、マザリシャリフをめぐっては政府軍との戦闘が激しさを増しています。
国連人権高等弁務官事務所は、10日の会見で7月9日からこれまでの間に少なくとも187人の市民が戦闘に巻き込まれるなどして犠牲となり、けが人は1100人余りにのぼっているとして戦闘の即時停止を求めています。
専門家「支援なければ国家再建の道、民主的政権や体制崩壊」
治安のさらなる悪化が懸念される中、8月末の完全撤退に向けて撤収作業を続けるアメリカ軍について、アフガニスタン情勢に詳しい慶應義塾大学の田中浩一郎教授は「アフガニスタンは、中国の隣国であり、アメリカが影響力を持って現地に軍を展開することは対中国戦略の観点から見ても十分に納得がいく。しかし長期的に関与したにもかかわらず望んだような成果をあげることができず、駐留のコストが見合わないという判断をしたようだ」と話しています。
また攻勢を強めるタリバンについて「アメリカ軍の撤退決定は、いまのタリバンに非常に強い勢いを与えている。ここ最近の戦い方は、首都カブールなどの中央部だけを残して包囲網を作り出そうとしていて、戦闘の激化を通じて自分たちにより有利な状況を作り出そうとしている」と分析しました。
そのうえで、今後の見通しについて「いまのアフガニスタン政府が残っているのであれば財政的、人道的な支援は続けなければならない。そうしなければ、アフガニスタンがこの20年でなんとかたどろうとしてきた国家再建の道、それに民主的な政権や体制が崩壊してしまうことは火を見るよりも明らかだ」と述べ日本を含む国際社会からの支援を訴えました。
米軍の軍事作戦 きっかけは「同時多発テロ」
「アメリカ史上、最も長い戦争」とも言われるアフガニスタンでの軍事作戦は20年前のアメリカ同時多発テロ事件をきっかけに始まりました。
2001年9月11日に起きた事件を受けて当時のブッシュ政権は国際テロ組織「アルカイダ」を率いるオサマ・ビンラディン容疑者を事件の首謀者と断定。アメリカ側はアフガニスタンの当時のタリバン政権に対してビンラディン容疑者の身柄の引き渡しを要求しましたが、タリバン側が拒否したため軍事作戦に踏み切り、タリバン政権を崩壊させました。
しかし、政権崩壊後、タリバンは隣国パキスタンとの国境地帯に潜伏するなどして戦闘能力を増強して勢力を盛り返し、テロや襲撃を繰り返すようになります。
これに対応するためアメリカ軍は現地に展開する部隊の規模を増強し、ピーク時には10万人規模の部隊が駐留していました。
その後、アメリカ側は2011年にビンラディン容疑者を殺害したことや戦費の削減を求めるアメリカ議会などの声を受け、段階的に現地の部隊の規模縮小を進めます。
さらに2017年に就任したトランプ前大統領はアフガニスタンからの撤退を目指してタリバン側と和平交渉を続け、去年2月に初めての和平合意に署名しました。
アメリカ政府とタリバンの和平合意ではアフガニスタンに駐留するアメリカ軍などが合意から14か月以内に完全撤退することが盛り込まれ、ことし5月1日までという撤退の期限が示されました。
ただ現地では和平合意以降も戦闘やテロが相次ぎ、ことし1月に発足したバイデン政権は期限を4か月あまり延期して同時多発テロから20年となることし9月11日までに完全撤退させると決めました。
さらに先月、バイデン政権は現地のアフガニスタン政府軍には十分な力が備わっているなどとして完全撤退の時期を今月末とする方針を発表しました。
バイデン政権の高官はアフガニスタンから部隊を完全撤退させる背景について軍事的な活動を活発化させる中国に対抗するため人員や資源を再配置する戦略の一環でもあるとの認識を示しています。
また戦闘の長期化によって戦費や派遣された兵士の数も積み上がりアメリカ国内の世論が「戦争疲れ」に傾いていったこともバイデン大統領の決定を後押ししたものとみられます。
ただアメリカ軍の撤退に伴って現地の治安情勢は急速に悪化しており、撤退を急ぐバイデン政権の対応に懸念の声も上がっています。
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