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イランの防空システムの機密情報をロシアがイスラエルへ伝えていた疑惑
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202001160000/
2020.01.17 櫻井ジャーナル
テヘランのイマム・ホメイニ空港を飛び立ったウクライナ国際航空の752便が1月8日朝、イスラム革命防衛隊の防空システムで撃墜された。この件で新たな疑惑が浮上している。
撃墜は離陸して数分後の出来事。近くをアメリカ軍機が飛行(イランのレーダーに誤表示された可能性もある)していたとする話もあるが、撃墜に使われたとみられるTor-M1のシステムが侵入されていたのではないかというのだ。
防空担当者はIFF(敵味方識別装置)を使っていたが、752便の前に飛び立ったカタール航空8408便は問題がなかった。ところが、その約1時間後に離陸したウクライナ機を防空担当者は敵機だと考え、ミサイルを発射している。
そこで注目されているのが2012年にウィキリークスが公表した情報会社ストラトフォーの電子メール。会社の内部でやりとりされた2009年2月26日付けメールの中に、イスラエルが特定のUAV(無人機)の「データ・リンク」コードをロシアへ提供、その見返りにロシア派イスラエルへイランのTor-1のコードを教えたと書かれているのだ。
ストラトフォーの電子メールに書かれていることが事実だとするなら、そうした情況の中でロシアはイスラエルへイランの防空に関わる重要な機密情報を提供したことになる。
ちなみに、2008年5月から12年5月までのロシア大統領はドミトリー・メドベージェフ。その間、2011年3月に国連の安全保障理事会でリビア上空に飛行禁止空域を設定することを認める決議が採択されたが、その際、ロシアは棄権している。
この決議はアメリカ、イギリス、フランスなどリビア侵略を狙う国が制空権を握ることが目的だった。それにもかかわらず棄権したことにプーチンは激怒したと言われている。リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が倒されることは必至だったからだ。
カダフィ体制が倒された際、カダフィ自身は惨殺された。破壊と殺戮の果て、現在のリビアは「石器時代」と化した。暴力に支配される破綻国家だ。これを西側では「民主化」と呼ぶ。
752便の撃墜はアメリカ軍によるガーセム・ソレイマーニー暗殺から人びとの関心をそらす役割を果たしているように見えるが、そのソレイマーニーはイスラム革命防衛隊の特殊部隊を指揮していた人物。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)などジハード傭兵を壊滅させる上で重要な役割を果たしてきた。
ソレイマーニーの暗殺を最も望んでいたのはイスラエルだろう。例えば昨年10月にはイスラエルの情報機関モサドのヨシ・コーエン長官は公然とソレイマーニー暗殺を口にしている。
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