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1月 10, 2020 日々雑感(My impressions daily)
<安倍晋三首相は9日、イラン情勢に関するトランプ米大統領の声明を受け、首相官邸で記者団に「日本は全ての当事者に対して自制的な対応を強く求めてきた。自制的な対応を評価する」と述べた。
菅義偉官房長官は記者会見で「大統領が軍事力を行使したくないと述べていることは地域の緊張緩和に資するものだ」と歓迎した。
首相は「今後も地域情勢安定化のために外交努力を尽くしていく」とも強調した。11〜15日に予定している首相の中東3カ国歴訪について、政府内には延期論もあるが、首相は判断を留保している。菅氏は会見で「現地の情勢を見極めた上で判断したい」と語った。政府は9日中にも歴訪の可否を決める>(以上「時事通信」より引用)
トランプ氏がイランによるイラクの米軍基地施設への十数発のミサイル攻撃に対し、「人的被害がなかったことから軍事的報復ではなく、一段と厳しい経済制裁を課すだけにする」との声明を発表した。それを受けての上記記事だが、安倍晋三首相は9日官邸で記者団に「日本は全ての当事者に対して自制的な対応を強く求めてきた。自制的な対応を評価する」と述べたという。
だが、ちょっと待って頂きたい。トランプ氏がイランの軍事司令官をイラクでドローン攻撃により殺害した「テロ行為」に対して安倍氏は批判しなかった。そして今回の「全面戦争を回避」した措置だけを取り上げて「自省的な対応を評価する」とはいかにも米国ポチの対応ではないだろうか。
イラクに滞在しているイランの要人を米軍のドローンが爆撃して殺害したのは決して許されない国際法違反だ。他国の主権を侵害することはたとえ米国であっても許されない。そして法廷での裁きを受けないで殺害目的で爆撃することは言語道断だ。
彼が実行犯としてテロの実行直前にあった、というのなら別だが、そうでない限り、米国に彼を殺害するいかなる正当性も存在しない。トランプ氏の判断そのものを国際世論は批判すべきではないだろうか。
米国は貿易センタービル惨事以来、どうかしている。米国当局だけでなく、テロ掃討を支持する米国世論も、だ。常軌を逸したまま、世界各地で他国の主権を無視し、他国民を西部劇に登場する正義の保安官さながらに、二丁拳銃をブッ発って次々と殺害している。
その殺害基準は「米国当局の気に入らない奴」というだけだ。ウサマビー・ラディン氏に関してもパキスタンの主権を侵害した米軍特殊部隊が実行した「テロ」だ。なぜ捕縛して米国へ連れ帰り、裁判に掛ける、という手続きを踏まなかったのだろうか。
民主主義とは「手続き」だともいわれている。面倒な「手続き」を行って民意を反映させてこその民主主義だ。それを省いては民主主義は成立しない。米国は戦争屋の「軍事独裁」政権という現実を、国民に選ばれた米国大統領が統治するという舞台装置の隠れ蓑を着ているだけではないか。と思わざるを得ない。
米国の民主主義を今一度検証すべきではないだろうか。昨日はトランプ氏が国内最大の宗教団体「福音派」の支持を取り付けるための対イラン強硬策だと論じたが、その強硬策を可能にしているのも戦争屋が影武者のように大統領に寄り添っているからだ。
他国の主権を遵守しない国は自国の主権も侵害されるものだ。テロの報復合戦は戦争屋が仕掛ける「飯のタネ」だ。そして選挙に狂った大統領の判断は国民を戦争の淵へと追いやる。
安倍氏のダブルスタンダードは今に始まったことではないが、惨めなほどのトランプ氏へのポチぶりには、日本国民の一員として恥ずかしい。
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