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嫌韓ヘイトを生み出したのは誰か! 安倍政権と極右勢力に乗っかり韓国叩きに明け暮れたワイドショー、コメンテーターの罪
https://lite-ra.com/2020/01/post-5190.html
2020.01.06 新年特別企画●嫌韓ヘイト・歴史修正事件簿(前編)
左・『ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜』に出演する武田邦彦氏/右・『ひるおび!』に出演する八代弁護士 嫌韓ヘイト事件簿(前編)ワイドショー、コメンテーターの罪 リテラ
IR汚職にイラン自衛隊の中東派遣と、2020年は安倍政権のヤバイ正体が完全にはっきりする年になりそうだが、新たな問題の前にいま一度総括しておかねばならないのは、「戦後最悪」と呼ばれた日韓関係の背景と、韓国や在日コリアンに対するヘイト=差別の問題だろう。そもそも日韓対立のもとになった、慰安婦や徴用工、輸出規制、GSOMIAをめぐる問題などはすべて、安倍政権の歴史修正主義、そして不祥事ごまかしや選挙のための意図的なキャンペーンがもとになっている。そこに、御用メディアや極右言論人が乗っかるかたちで、差別感情丸出しの嫌韓・ヘイトの空気を作り出してしまったのだ。2020年もおそらくこの嫌韓ヘイト、歴史修正主義は続くだろうし、別の問題にも同じやり口が使われる可能性もある。
それを止めるためにも、この1年に起きた嫌韓ヘイト事件を振り返り、政権主導の歴史修正主義と“嫌韓キャンペーン”に乗っかったメディアや言論人の罪を総括しておきたい。「嫌韓ヘイト・歴史修正事件簿」、まずは前編からお届けしよう。
●事件簿その1
安倍政権の不正をスルーして韓国バッシングしたワイドショー、「週刊ポスト」は誌面でヘイト垂れ流し
やはり最初にあげなくてはならないのは、「戦後最悪の日韓関係」を作り上げたマスコミの問題だろう。「「嫌韓」ではなく「断韓」だ 厄介な隣人にサヨウナラ 韓国なんて要らない」なる特集を組んだ「週刊ポスト」の版元・小学館こそ、作家たちから絶縁宣言されるなど大きな批判を浴びたが、これは氷山の一角にすぎない。とりわけテレビのワイドショーでは、韓国への強硬姿勢を見せる安倍政権の詭弁を無批判に垂れ流しながら、毎日のように「韓国けしからん!」の大合唱を繰り広げることで、視聴者の“嫌韓感情”を煽りに煽っていた。
たとえば、韓国への半導体材料等の輸出規制は、明らかに徴用工問題に対する安倍政権の報復だった。戦中の日本が朝鮮人たちを強制労働させたのは公的史料も残る歴史的な事実だ。そして、その劣悪な環境や賃金未払いをめぐる戦後保障は人権問題であり、日本政府もこれまで「個人の請求権は消滅していない」という見解をとっていた。ところが、安倍政権は日韓対立を政治利用し、多くのマスコミがそれにまる乗っかりしたのである。
参院選を控えた7月に政府が対韓輸出規制を発表すると、FNNなどを中心に、マスコミは「韓国は軍事転用できる輸出品を北朝鮮に横流ししていた可能性がある。だから日本は輸出規制に踏みきった」という趣旨の報道を一斉に展開。だが、これは明らかに印象操作としか言いようがない“フェイク”だった。
FNNは〈韓国から兵器に転用できる戦略物資が不正輸出された案件が、4年間で156件にのぼることが明らかになった〉として、〈北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏暗殺の際に使用された神経剤「VX」の原料がマレーシアなどに不正輸出されたほか、今回の日本の輸出優遇撤廃措置に含まれるフッ化水素も、UAE(アラブ首長国連邦)などに不正輸出されていた〉などと報じた。
しかし、この「4年間で156件」というのは、実際には、2015年から2019年3月までに韓国政府が「摘発」した件数。つまり、未然に防いだり、不正を正したりした数字という解釈もできる数字なのだ。これがなぜ、不正輸出の証拠になるのか。しかも、FNNが報道したのはあくまで摘発した不正輸出の相手国のなかに、北朝鮮と関係している国があったというだけ。その先はまったくわからない。それを、「北朝鮮への横流し」の証拠のように報じるのは、印象操作以外の何物でもないだろう。実際、こうした報道から約半年が経とうとしているが、「韓国が北朝鮮へ不正に横流しをしていた」という証拠は何一つ出てきていない。
しかし、その後もマスコミは懲りずに、無茶苦茶なフェイクをやめなかった。8月、安倍政権が韓国の「ホワイト国除外」を閣議決定し、文在寅大統領が日本政府を批判すると、マスコミは一斉に「文大統領が日本を『盗人猛々しい』と批判」と報道。だが実際には、文大統領が使った「賊反荷杖」という四字熟語は日本語では直訳できない表現で、ニュアンスとしては「悪いのはあなたでしょ」程度の語感だという。事実、韓国報道の日本語訳では「『加害者の日本が居直り、大口をたたく状況を座視しない』と強い口調で語った」(聯合ニュース)などと訳されている。つまり、「最悪日韓関係」を煽りたい国内メディアは、恣意的に角度をつけて“意訳”していたのだ。
さらに、“有権者買収疑惑”で辞任した菅原一秀・前経産相など、相次いだ政権の閣僚スキャンダルはほとんどスルーする一方、韓国の゙国(チョ・グク)前法相の話題は数カ月にわたってフェイクまがいの小ネタまで延々と報じ続けたのだ。そして、そんな“嫌韓キャンペーン”のなか、テレビでは安倍応援団のコメンテーターたちが、韓国や北朝鮮、在日コリアンの人々の排斥を煽るようなヘイトをどんどん垂れ流していったのである。
●事件簿その2
武田邦彦、東国原英夫、黒鉄ヒロシ、小松靖、八代英輝、元韓国大使の武藤正敏…ヘイト、嫌韓を垂れ流したコメンテーター
象徴的だったのが8月、『ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜』(CBCテレビ)でヘイトクライムを扇動したコメンテーターの武田邦彦・中部大学特任教授だ。武田氏は番組のなかで、ソウルを旅行中の日本人女性が韓国人男性から罵声と暴行を受けた事件をダシにして、「明らかに反日の教科書をつくり、反日の教育をし、路上で日本人の女性観光客を、その国のね、訪れた国の男が襲うなんつうのはね、これはもう世界で韓国しかありませんよ」と話した。
観光客を襲う犯罪は日本を含むさまざまな国で発覚しているのに、決めつけと偏見で「韓国の男」をひとくくりにし、「女性観光客を襲う」とレッテルを貼って差別を煽る典型的なヘイトスピーチだが、さらに番組が“大阪で韓国人観光客が激減”という話題を扱うと、武田氏は「そりゃあ日本男子も韓国女性が入ってきたら暴行しにゃいかない」と発言。「韓国人女性」という属性で「暴行」を肯定するというヘイトクラムを、地上波のテレビで垂れ流したのである。
しかも『ゴゴスマ』は、この武田氏によるヘイトクライム扇動発言の翌々日にも、東国原英夫が、ゲストである韓国人女性の金慶珠・東海大学教授に対して「黙って、お前は! 黙っとけ!この野郎。喋りすぎだよ、お前!」と面罵している。さらに東国原は、金教授を「韓国では、親日家の右派なんですよ。でも日本に来ると、左派・反日系を装うじゃないですか。これ『ビジネス反日』と僕は言ってるんですけど」などと攻撃。「反日」などという言葉でもって“攻撃すべき相手”なのだと開き直る態度は、ヘイト煽動にほかならない。
こうしたヘイトクライムや侮辱が地上波の生放送で飛び出すのは、「最悪の日韓関係」をテコにすれば「韓国(人)相手ならどんなことを言ってもいい」という空気がメディアを支配しているからだ。
事実、武田氏ほど直接的ではないにせよ、他のワイドショーでも右派・安倍応援団たちが毎日のように歴史修正主義を振りかざしながら“嫌韓コメント”を繰り出していた。
『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)では、コメンテーターの漫画家・黒鉄ヒロシ氏がフリップに「断韓」 と書き、「脱亜ではもう収まらない」「1回切っちゃう」などと、ヘイト丸出し発言。また「従軍慰安婦の像ってあるでしょ。あれ、アメリカ兵がジープで女の子を轢いちゃったそのときにできた像なんですよね」などとネトウヨ界隈で定番のデマをばら撒いた(本サイトの解説参照https://lite-ra.com/2017/12/post-3635.html
)。MCの小松靖アナウンサーも徴用工・慰安婦問題は「解決済み」などと強弁し、「(文大統領には支持率以外に)北と繋がる別の理由があるのではないか」なるネトウヨそっくりの陰謀論をまくし立てた。
また『ひるおび』(TBS)では、安倍応援団筆頭の八代英輝弁護士が「慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものである」と堂々とフェイクをぶったり、ハンギョレ新聞と中央日報と朝日新聞。反日三羽烏みたいなもん」などと言いたい放題。
『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)でも、『韓国人に生まれなくてよかった』(悟空出版)なるヘイトスピーチ同然のタイトルの本を出している元韓国大使の武藤正敏氏が「文大統領の支持層はみんな過激派」「韓国は裁判官でも相当左がかった人が多い」などとまくしたて、“文大統領が検察改革の世論を喚起するためにプロパガンダ映画をつくらせた”という趣旨のフェイクまで語っていた(本サイトの解説参照https://lite-ra.com/2019/09/post-4980.html)。だがこの武藤氏、韓国司法の徴用工判決を厳しく指弾して「文在寅大統領がやらせた判決である」と攻撃を行っているが、実は、自身は2013年1月から2017年末まで徴用工訴訟の被告である三菱重工業の「顧問」に就いていたというバリバリの“利害関係者”である。
あたかも客観的な報道人や専門家のような顔をしているテレビのコメンテーターたちだが、その“嫌韓コメント”の数々は、確実にヘイトスピーチやヘイトクライムの扇動につながっている。そして、彼らがヘイトを吐き出す裏には、確実に安倍政権を援護射撃したり文大統領を批判する政治的目論見があるのだ。
●事件簿その3
韓国で出版された『反日種族主義』は日本の安倍応援団・極右勢力が協力! 韓国人著者は韓国ニューライトの中心人物
2019年年秋に出版された『反日種族主義』(李栄薫・編著/文藝春秋)も、まさに“政治的目論見”が見え隠れしている。韓国人研究者たちが「韓国の“反日”はウソと捏造だらけ」と糾弾する書籍で、右派メディアと極右文化人、そしてネトウヨたちが絶賛の声を上げているが、それもそのはず。本サイトでも詳しくお伝えしたように、その中身は〈韓国の嘘つき文化は国際的に広く知れ渡っています〉などとヘイトまがいの言葉が並び、慰安婦問題や徴用工問題などの歴史認識でも日本の歴史修正主義や政府の言い分を“トレース”するような内容になっているからだ。
実は、同書はある意味、“日韓右派の合作”と言えるシロモノだ。ハンギョレ新聞によると、『反日種族主義』は〈韓国での出版前から日本語版の出版が計画されていた〉というが、そもそも、『反日種族主義』には、明らかに学術的研究を超えた特定の政治的意図が込められている。編著者の李栄薫(イ・ヨンフン)氏は韓国経済史を専門とする元ソウル大学教授で、いわゆる韓国の「ニューライト」の中心的人物。「ニューライト」というのは、革新系政治に反対し、「日本による植民地時代が韓国近代化の礎を築いた」なる「植民地近代化論」の論陣を張ることが多い韓国の保守系グループだ。その政治思想的傾向から日本の右派と極めて相性がよい。事実、以前から韓国のニューライト運動については、産経新聞らが繰り返し好意的に取り上げてきた。
そして、『反日種族主義』日本語版の巻末には「編集協力」として、産経の久保田るり子編集委員とともに、慰安婦否定派の急先鋒で“安倍首相のブレーン”のひとりと言われる西岡力・麗澤大学客員教授の名前がクレジットされている。西岡氏によれば、同書の著者のひとりで李栄薫氏の弟子ある李宇衍(イ・ウヨン)氏は「自分の友人」らしい。
なお、李宇衍氏は2019年7月、国連欧州本部で開かれたシンポジウムに出席し、徴用工問題に関して「強制性はなく、賃金差別もなく、奴隷労働というのは嘘である」という趣旨の発表をおこなったが、実は、李宇衍氏を国連に連れて行ったのは、あのテキサス親父日本事務局長・藤木俊一氏。ハンギョレ新聞によると、藤木氏は李宇衍氏のジュネーブへの往復航空運賃と5泊6日の滞在費用も負担したという。
つまるところ、安倍首相周辺の日本の極右界隈にとって、「ニューライト」は “最適のパートナー”なのだろう。前述した元駐韓大使の武藤正敏氏も、明らかに自民党政権に近い韓国保守派の主張を日本のマスコミで垂れ流している節がある。こうした政治的策略に満ちたグロテスクな手法を見極めなければならない。
●事件簿その4
韓国でも商売するDHCの“嫌韓ヘイト”が韓国内で発覚、批判が殺到! DHC韓国は謝罪したが、DHCテレビは開き直り
安倍首相をはじめとする政権幹部、そしてマスコミが嫌韓を煽ることで、SNSでは極右文化人やネトウヨたちは水を得た魚だ。その合わせ鏡として、韓国メディアや欧米メディアも百田尚樹や竹田恒泰など日本の極右嫌韓文化人たちを取り上げて、その発言を報じるようになっている。2019年は、まさに“日本の恥部”がどんどん国際社会に広がった年でもあった。
その“恥部”のひとつが、『真相深入り!虎ノ門ニュース』や『ニュース女子』などネトウヨ番組をてがけるDHCだろう。8月、韓国の放送局・JTBCのニュース番組が「韓国で稼ぎ、自国では嫌韓放送…DHC“2つの顔”」と題し、DHC子会社のDHCテレビジョンが嫌韓放送をおこなっていると伝えた。
周知のように、DHCの吉田嘉明会長はゴリゴリの歴史修正主義者で、2016年には「DHC会長メッセージ」のなかで在日コリアンにかんするデマを書き立てた上で〈似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう〉などとヘイトスピーチを堂々と掲載したこともある。その一方でDHCは、2002年にDHCコリアを設立。韓国の現地法人として化粧品やサプリメントの販売をおこなってきた。その売上は年間100億ウォン(約9億円)を超えるとされる。つまり、DHCは吉田会長の思想そのままに、日本国内では自社メディアを使って歴史修正主義に基づいたフェイクニュースを連発、韓国に対するヘイトを煽動しながら、その韓国では何食わぬ顔でビジネスを展開してきたのだ。
そして、前述のJTBCがこの問題を追及すると、韓国のネットユーザーも黙っておらず、「#さよならDHC」というハッシュタグによる不買運動が拡大。DHCコリアが謝罪文を発表し、DHCテレビの番組出演者の発言には同意せず、異なる反対の立場で問題に対処することを表明する事態に発展した。
ところが、DHCテレビは、現地法人の声明とは真反対の見解を公表。あらゆる圧力に屈することなく、自由な言論の空間をつくり守って参りたく存じます〉などと開き直ったのである。呆れざるをえない。
言っておくが、いま韓国メディアが、こうした日本の極右・ネトウヨ界隈の実態が伝えているのは、日本のマスコミが騒ぎ立てる「反日」ではなく、安倍政権の極右思想の背景に注目が集まっているからだろう。多くの韓国人が、日本という国や日本人全体に敵愾心を燃やすのではなく「日本政府の問題」として捉え、さらにはどうして歴史修正主義と極右思想に染まっているのか、その背景を探ろうとしているのだ。
一方で、日本ではヘイトデマや歴史修正主義が野放しにされ、DHCのように一切反省せず逆ギレするような態度ばかりだ。いったい「感情的」なのはどっちだという話だが、いずれにしても、このグロテスクな“嫌韓キャンペーン”を放置してしまえば、かならず“国辱”として跳ね返ってくることは間違いない。
●事件簿その5
日韓友好を訴えただけのぱるる・大島麻衣や、若者の韓国ブームを伝えた「あさイチ」、ワイドナ女子高生が炎上攻撃にさらされる異常
あらためて強調しておきたいのは、2019年を象徴する「戦後最悪の日韓関係」という言葉は、あくまで安倍政権と御用メディアがつくりあげた“政治主導”の話だということだ。マスコミは口々に「韓国の反日はここまできた!」と煽り立て、あたかも「韓国人全員が日本人を憎んでいる」かのようにミスリードするが、実際は「日本人全員が嫌い」と公言したり、あるいは「日本人へのヘイトスピーチ」を行う韓国の人はほとんどいない。
たとえば日経新聞が「反日集会」と報じた7月27日のソウル「ろうそく集会」の参加者が掲げたプラカードにあったのは、ハングルで「NO安倍」の文字。つまり、デモは“日本を攻撃する”=「反日」ではなく、人権問題を経済で封殺しようとする安倍首相を糾弾するものだったのだ。日本のマスコミは日本の安倍政権の政策に対する韓国市民の運動やデモ、抗議の動きを、なにからなにまで「反日」という言葉で表現するが、それは大きな間違いなのである。
事実、安倍政権の官製ヘイトに踊らされてしまっている日本の人々とは違い、韓国の人々のほうが何倍も「民主主義」が根付いている。8月には、ソウル市中区が日本製品の不買運動を呼びかける旗を繁華街に掲げたところ、市民から猛批判を受けて撤去するということがあった。区のホームページや区長のFacebookなどに、「韓国が好きで来ている日本人に不快感を与える」「嫌韓感情を植え付けかねない」「不買運動は市民の自発的行為として行うべきで、行政が強要してはならない」「日本人観光客は敵ではない」といった韓国市民のコメントが噴出、“不買運動旗”の掲揚に反対するネット署名が何万も集まったからだ。
一方の日本でも、Twitterでは日本のユーザーが「#好きです韓国」のタグをつけて韓国旅行中に親切にしてもらったエピソードなどを投稿するという動きがムーブメントになった。そして、これに呼応するように、韓国のユーザーからも「#好きです日本」のタグが生まれ、分断を煽る安倍政治やマスコミを批判し、市民レベルでの友好と平和を希求する声がSNSで広がりをみせた。
芸能人の中にも、そう言った声を上げる人がいた。たとえば、元AKB48の大島麻衣は韓国旅行の感想をこのようにTwitterで報告していた。
〈とりあえずお伝えしたいことがあります。
韓国の皆さんは普通に親切で、タクシーの運転手さんも降りるとき、「楽しんでねー!」と声をかけてくださいます
日本の方も外国人には優しくしませんか? 韓国だって一緒ですよ!
いろんなことあったけど、ニュースだけ見て、韓国人怖いというのは違うかなと。韓国に来て私は感じてます。〉
ほかにも、元AKB48の「ぱるる」こと島崎遥香はこのようなツイートをした。
〈お爺ちゃんが子供に席を譲ってあげてるのに優先席に座ってる会社員の人たちは何で平気で座ってられるんだろう〉
〈韓国は素敵だったな〜 健康な若者はみんな立ってた 優先席はガラガラでした 色んな国へ旅して素敵なところを沢山吸収したいな〉
ところが、ぱるると大島のSNSには日本のネトウヨからの攻撃が殺到し、炎上状態になってしまった。
この2人のケースに限らず、いまの日本では、芸能人やメディアが韓国のカルチャーをちょっとでも紹介したり、日韓友好を呼びかけるだけで、ネトウヨがすぐさま飛んできて炎上攻撃をしかける。実際、『あさイチ』(NHK)が“中高生の韓国ブーム”を特集しただけで炎上したり、『ワイドナショー』(フジテレビ)に出演した女子高生が「女子高生はいま韓国で生きていると言っても過言じゃないぐらい」と発言しただけでネトウヨからの攻撃が殺到してしまうぐらい、異常な社会だ。
しかし、そうした劣化したネトウヨ連中に屈してはならない。実際、前述の元AKB・大島麻衣の場合、ネトウヨの炎上攻撃にも臆することなく、日本の嫌韓を煽り、日韓対立をエスカレートさせているメディアの問題にもきちんと踏み込んで、しっかりと反論していた。
「戦後最悪の日韓関係」を解消するために必要なのは、空想上の「反日の韓国人」をバッシングすることでは決してない。むしろ、わたしたちが立ち向かうべきは自国にはびこる人種差別と歴史修正主義のほうだろう。
(後編に続く)
(編集部)
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