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「新・三本の矢」政策下の出生者数初の88万人割れ
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2019年12月16日 植草一秀の『知られざる真実』
「新・三本の矢」という言葉を覚えているだろうか。 2015年9月に安保法制という名の戦争法制を強行制定した安倍内閣が、目くらましのために提示した施策だ。 1.2020年ごろに名目GDPを600兆円にする 2.希望出生率1.8を2020年代初頭に実現する 3.2020年代中ごろに介護離職をゼロにする これを安倍首相は「新・三本の矢」と名付けた。 いずれも政策「手段」ではなく政策「目標」だ。 したがって「三本の矢」の表現は失当で「三つの的」と表現すべきだ。 安倍内閣の国語力の低さを示している。 GDP600兆円はGDPの推計方法変更をも計算に入れたペテンの一種だった。 安倍内閣はその後、政府経済統計の改ざんにまで手を染めた。 それでも名目GDP600兆円実現は、はるかかなたに遠のいたままだ。 2018年に生まれた子どもの数(出生数)は91万8397人で過去最低を更新した。 1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は1.42と、2017年から0.01ポイント下がった。 3年連続の低下だ。 2019年に生まれた子どもの数は1899年の統計開始以来、初めて90万人を割れることが確実になり、最低記録の更新が続いている。 安倍首相は「介護離職ゼロ」を掲げたが、介護離職を促進する政策を実行している。 要介護1、2の生活援助サービスを保険給付の対象から外し、介護保険の利用者負担を原則2割に引き上げることを検討している。 「介護離職ゼロ」とは「介護のために離職する人をゼロにする」ことを意味するが安倍内閣の政策対応では介護離職がますます増加してしまう。 公的保険医療を利用する際の被保険者本人の窓口負担は1997年3月までは1割だった。 ところが、消費税の税率が3%から5%に引き上げられた1997年4月に窓口負担が1割から2割に引き上げられた。 さらに、消費税の税率が5%から8%に引き上げられた2014年4月に、被保険者本人の窓口負担が2割から3割に引き上げられた。 社会保障制度を拡充するための消費税増税だと説明してきたのではないのか。 そうであるなら、消費税増税に伴い医療費の本人窓口負担を引き下げるのが当然ではないのか。 ところが、現実には消費税増税とともに医療費本人負担引き上げが実行されてきたのだ。 本人負担引き上げも半端なものでない。 1割負担、2割負担などと表現しているところにペテン師内閣の素性が表れている。 本人負担は2倍増、3倍増にされてきたのだ。 「新・三本の矢」という言葉がまったく聞かれなくなったのは、この目標がまったく達成できていないからだ。 記者会見まで開き、大見栄を切って掲げた政策目標であるのに、実現できず、都合が悪くなると、存在しなかったかのように隠蔽してしまう。 安倍首相は在任期間が長くなったということ以外に成果がない。 主権者からの尊敬を集めない程度では歴代随一の首相と言ってよいだろう。 いまの日本でもっとも深刻な問題は出生率の低下だ。 その理由が問題なのだ。 主権者の地位が下流に下流に流されて、結婚、出産という道が閉ざされていることが問題なのだ。 いま何よりも必要な施策は、国家がすべての国民に保障する最低水準を大幅に引き上げること。 格差拡大の推進でなく、すべての主権者に保障する最低水準の引き上げが求められている。 1年を通じて働いているのに、年収が200万円に届かない労働者が1085万人。 1年を通じて働く労働者4945万人の22%が年収200万円に満たない。 生活保護を利用できる条件を満たしながら、生活保護を利用できていない人が8割もいる。 生活保護を受けることに対して、さまざまな嫌がらせが行われているからだ。 弱肉強食奨励の政策運営が日本を冷酷で寒々とした社会に変質させている。 日本の主権者は一刻も早く政権を刷新して、すべての人々が夢と希望を持てる社会に変えることを目指す新しい政権を樹立するべきである。 |
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