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「平成」がサボった宿題のツケ/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201912090000135.html
2019年12月9日10時6分 日刊スポーツ
★元農水相・斎藤健が支援者や知己の関係者に「三十年〜大和民族の遺伝子〜」という小冊子を配布している。斎藤は東大を卒業後通産省に入省。ハーバード大学ケネディスクール行政大学院に留学後、通商政策局米州課で日米間の自動車交渉を担当。大臣官房秘書課人事企画官を経て、1999年に通産相・深谷隆司の秘書官に就任。04年には埼玉県知事・上田清司に副知事として迎えられた。初当選は09年。03年には筑摩書房から「転落の歴史に何をみるか−奉天会戦からノモンハン事件へ」を上梓(じょうし)している。 ★「三十年」は平成の30年間ととらえることができるが、一方、歴史の中の30年などほんの一時期でもある。平成は明治、大正、昭和に比べ比較的平穏な時代、それは宿題をやらなかった夏休みではなかったかと斎藤は指摘する。「日露戦争を率いた日本の司令官、総司令官クラスは武士の末裔の最後の戦争。武士とは単なる戦う人ではなく経済政策も、財政も外交も農政も産業政策も担当するジェネラリストの統治者」。 ★そして同時期「明治維新以来手塩にかけて育ててきた近代軍事官僚がスペシャリストの参謀の位置まで育ってきた」。ところが組織になると「柔軟性が薄れ、抜擢もなくなり、和を重んじ争いを避ける日本人のDNAが大胆な政策を妨げかねない」と斎藤は指摘する。「何が物事の本質か、それを常に追求する個人、そしてそれを許容する組織風土、それを維持することに尽きる。あとは応用問題だ」という「失敗の本質」の著者・一橋大名誉教授・野中郁次郎の教訓を引き合いに日本社会の三十年の変質の分析が急務であり、乗り越える改革が必要と訴える。まだ間に合う、まだ何とかなると宿題をサボったツケを日本人はどう払っていくのか。令和元年が終わろうとしている今、これからを担う政治家の覚悟と力量が問われる。(K)※敬称略 |
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