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安倍私物化政治排除する主権者の大きなうねり必要
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2019年11月25日 植草一秀の『知られざる真実』
11月24日、高知県知事選が投開票日を迎えた。 結果は自公推薦候補の勝利に終わった。 投票率99%段階での候補者の得票は以下の通り。 当選 浜田省司 56 自公推薦 173,715 松元顕治 35 立国共社推薦 111,355 投票率は47.85%だった。 桜疑惑で安倍自公に逆風が吹いていたが、自公推薦候補が大差での勝利を収めた。 国政選挙にも通じることだが、主権者の半分以上が参政権を放棄している。 したがって、主権者全体の25%から30%の意思で知事が選出され、政治が決定されてしまう。 自公候補の浜田氏は総務省の公務員を務めていた人物。 安倍政治は官僚政治でもあり、官僚出身知事は安倍内閣の流儀に従う。 高知県の主権者の3割は官僚機構が統治する旧来型の地方統治を望んでいるということになる。 安倍内閣の政治私物化の現実は目を覆うばかりである。 これを批判する主権者は多数である。 しかし、それが投票行動に結びついていない。 半分以上の主権者が投票所に足を運ぶ行動を取っていない。 投票所に足を運ばぬのだから、どのような政治が行われても、文句も言えないということになる。 日本政治の根幹の問題は、日本の主権者にあると言わざるを得ない。 第二次大戦後に民主主義が導入されたが、それは市民が、自分たちの力で勝ち取ったものではない。 敗戦後に米国が日本に導入したものである。 敗戦直後には日本の主権者の意思で革新政権が樹立されたけれども、この革新政権が米国の政策転換と衝突した。 1947年、米国のトルーマン大統領は「ソ連封じ込め」を米国外交政策の基軸に据えた。 敗戦後の日本の占領統治を司ったGHQではCS(=民政局)が主導権を握り、徹底的な民主化路線が採用された。 その結果として1947年の総選挙を通じて社会党党首の片山哲氏を首相とする革新政権が樹立された しかし、このタイミングで米国の外交路線が転換し、GHQの民主化路線は一気に後退した。 GHQの主導権はCSからG2(=参謀2部)に取って代わられ、日本民主化政策は急激に抑圧されたのだ。 GHQは片山哲内閣、芦田均内閣の破壊を主導し、米国傀儡の吉田茂内閣を創設した。 思想弾圧が急激に広がった。 レッドパージの嵐が吹き抜けた。 吉田茂首相は米国に服従する日本の創設に尽力し、左派勢力を弾圧した。 その後、吉田茂首相辞任を受けて石橋湛山内閣が誕生したが、米国は石橋内閣の長期化を恐れた。 石橋首相は米国に服従せず、米国に対しても言うべきことを言う姿勢を示したからだ。 米国の意向通りに石橋内閣は短命に終わった。 米国が石橋首相の健康に何らかの危害を加えた疑いが濃厚だ。 石橋首相辞任後に首相に就任したのが岸信介氏である。 岸信介氏は戦犯容疑者として収監されたが、GHQによって釈放された。 GHQが釈放した戦犯容疑者は岸信介氏の他に、正力松太郎氏、児玉誉士夫氏、笹川良一氏などがいる。 これらの戦犯釈放者は、釈放後、米国のエージェントとして日本政治を表と裏から取り仕切ったのだと推察されている。 米国の外交政策は「ソ連封じ込め」に完全にシフトし、米国の対日占領政策は「民主化」から「非民主化」に転換した。 石橋湛山首相が辞任し、岸信介氏が首相に就任すると同時に完全な対米従属政治が創設され、戦後日本の政治潮流が確固たるものにされた。 吉田茂氏と岸信介氏こそ、対米隷属日本政治の父祖である。 その孫二人が現在の日本政治のトップに君臨していることは単なる偶然ではない。 日本の民衆は、敗戦直後と60年安保闘争の時期に民衆の力を発揮して行動力を示したが、刑事司法を支配する政治権力が思想弾圧を強めるにつれて、ものを言わぬ国民に変質してきた。 いまこそ、主権者が立ち上がり、行動するべきときであるが、そのエネルギーが全体として不足してしまっている。 この現状の打破がどうしても必要である。 |
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