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「i−新聞記者ドキュメント−」が突き付けるもの
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2019年11月 7日 植草一秀の『知られざる真実』
森達也監督のドキュメンタリー映画 「i−新聞記者ドキュメント−」 https://i-shimbunkisha.jp/ について、ブログにおいても記述しておきたい。 11月15日(金)ロードショーの最新作映画である。 https://bit.ly/2WWkM6Z このドキュメンタリー映画は、東京新聞社会部記者の望月衣塑子氏に密着し、追いかけたもの。 113分の時間があっという間に過ぎ去る息もつかせぬ濃密な展開だ。 菅義偉官房長官による記者会見で執拗に食い下がる望月記者がリアルに描かれる。 監督の森達也氏は記者会見場での撮影を求めるが、国家権力がアクセスを認めない。 国民の知る権利が保障されているのではなく、国家権力が情報を上から限定的に投げ与えているに過ぎない。 あたりまえのことをあたりまえに実践する望月氏が「特異」な存在として浮上することが、この国の歪んだ実相を鮮明に浮かび上がらせる。 「i−新聞記者ドキュメント」はいくつかの重要な素材を取り扱う。 官邸記者会見は全篇を通じて取り上げられる。 望月氏の質問が標的にされる。 質問は制限され、質問が妨害される。 「特異」な存在である東京新聞ですら、望月氏を守り切れない。 この状況下でも望月氏はひるまない 日本の風土のなかで望月氏の行動は極めて「特異」である。 しかし、その「特異さ」を貫かない限り、この国の構造は永遠に変わらないだろう。 憲法改悪に反対する。 辺野古基地建設強行に反対する。 原発稼働に反対する。 安倍内閣を批判し、安倍内閣の打倒を目指す主権者が多数存在する。 望月氏も森監督も政治的立ち位置は「リベラル」に近い。 しかし、森達也監督が描こうとしたのは、政治的思潮の是非ではない。 ラストにリベラルの立場が主導権を奪還したときに発生した歴史的事象が取り上げられる。 リベラルが善であり、保守が悪ということではないのだ。 情報空間が一色に染め抜かれるところに最も重大な問題がある。 メディアの役割は言論の自由を実質的に保障することにある。 いかなる言論であれ、公共の福祉に反しない限りは尊重されなければならない。 官邸における官房長官記者会見は、本来、メディアが主宰し、メディアが求めるなかで実行するべきものだ。 主権者には「知る権利」があり、政府には「答える義務」がある。 その「情報開示」を保障するためのツールが官邸記者会見である。 映画には海外の記者が登場する。 海外での政府要人の記者会見では、記者の質問に対して政府要人が自分の言葉で対応する。 事前に質問内容を通告させることもない。 ところが、日本の政府要人記者会見では、質問内容を事前に通告することが義務付けられている。 記者会見は政府が主宰し、政府の職員が進行を担当する。 事前に通告された質問に対する答弁は官僚が執筆する。 政府要人は官僚が執筆した答弁を読むだけなのだ。 だから、LeaderではなくReaderに過ぎない。 沖縄の辺野古では、環境を害する恐れの高い「赤土」が大量に投下されている。 宮古島の自衛隊基地建設が強行されるが、危険物を貯蔵する弾薬庫の存在が隠されていた。 どのようなプロセスを経て重大事実が紙面で紹介されるのか。 森友学園の籠池泰典夫妻が逮捕、勾留され、起訴された。 検察は懲役7年の実刑を求刑したが、事件の本丸の国有地不正払い下げを実行し、14の公文書の300箇所を改ざんした重大犯罪は無罪放免にされている。 元TBS職員の山口敬之氏に対して発付された伊藤詩織さんへの準強姦容疑での逮捕状は執行寸前に警視庁刑事部長の中村格氏の命令によって執行が中止された。 この国に広がる国家の不正のかずかず。 このなかでメディアが本来果たすべき役割がある。 しかし、その機能を不全にするおおがかりな仕組みと空気が作られている。 |
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