☆「即位礼」と沖縄
「即位礼正殿の儀」(22日)に王貞治や澤穂希、松本白鴎らが招待され、嬉々として参列したことは別に珍しくもないが、沖縄の相良倫子さん(15)が参列したことには心が痛んだ。
相良さんは昨年の「沖縄慰霊の日」(6月23日)で「平和の詩」を読み上げた(当時中学3年)ことが“評価”されて招待された。儀式後、相良さんが「平和を祈り、願う気持ちは陛下も私も同じ」(23日付琉球新報)とコメントしたようすはテレビでも流された。;
沖縄の青年が「陛下」(天皇への忠臣の表明)という言葉を使ってこうしたコメントをし、それを沖縄の県紙が好意的に大きく報じる。なんともやるせない。そう仕向けた「本土」の国家権力に怒りが湧いてくる。
相良さんだけではない。NHKはこの日、朝の放送開始から深夜まで「即位礼」一色だったが、その中で何度か沖縄の国立戦没者慰霊碑と中継し、遺族代表に天皇賛美のコメントをさせた。
明仁天皇の「在位30年記念式典」(2月24日)もそうだった。沖縄出身の三浦大知を起用し、天皇賛美の歌を歌わせた。天皇・皇室の重要な儀式があるたびに「沖縄」を引き込む。
「沖縄」に負い目があるからだ。沖縄を捨て石にして地上戦の地獄をつくり、戦後は「天皇メッセージ」で沖縄をアメリカに売り渡したのは、天皇裕仁だ。その責任に一貫してほうかむりする一方、逆に「沖縄」を取り込もうとする。これは今日版皇民化政策にほかならない。
琉球新報、沖縄タイムスを含め沖縄の人々がそれに疑問を持たず、むしろ歓迎しているようにみえるのはきわめて不幸なことだ。いや、そういう状況をつくりだしている「本土」の「日本人」こそ、罪が深い。
☆最新「皇室世論調査」が示すもの
「即位の礼」の前日、NHKは皇室に関する世論調査結果を流した。それによれば、「皇室への親しみ」…「感じている」71%、「感じていない」27%。「皇室と国民の距離」…「近くなった」69%、「変わらない」24%、「遠くなった」3%。
これをNHKは「7割が皇室に親しみ」との見出しで皇室が国民から親しみを持たれていると報じた。そうだろうか。
2つの質問項目に対する回答傾向はぴったり一致している。27%の「国民」は皇室に「親しみ」を感じていない、距離も近くなったとは思っていない、ということだ。
この数字はきわめて大きい。なにしろ、NHKはじめすべてのメディアが天皇・皇后、秋篠宮家をはじめとする皇室の動きを逐一賛美する報道を流し続けている中で、しかも「即位礼」を目前にして行われたNHKの世論調査だ。ほとんどが「親しみを感じている」と答えてもおかしくない。
にもかかわらず約3割が「ノー」と答えた。国家・メディアがどんなに笛を吹いても、踊らない「国民」がこれだけいるということだ。
憲法第1条は、天皇の「象徴の地位」は「主権の存する日本国民の総意に基づく」としている。「象徴天皇制」の土台だ。しかし、約3割の「国民」はそうは思っていないということだ。「親しみ」を感じられない「象徴」などありえない。少なくとも「象徴の地位」が「国民の総意」でないことは否定できない事実だ。「3割」はけっして無視できる数字ではない。「象徴天皇制」は根本から問い直されなければならない。
https://blog.goo.ne.jp/satoru-kihara/e/70f5fff6518ffb757f016ef70308ec15
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK266掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK266掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。