<税を追う>総研大 ハワイ視察は「観光気分」 人件費カットし学長らは報酬増(東京新聞)
http://www.asyura2.com/19/senkyo266/msg/762.html
投稿者 肝話窮題 日時 2019 年 10 月 26 日 22:46:28: PfxDcIHABfKGo isyYYouHkeg
<税を追う>ハワイ視察 実は名所巡り 総研大学長「綺麗なところ見たい」
先端分野の若手研究者を養成する国立大学法人「総合研究大学院大学」(本部・神奈川県葉山町)で
、長谷川真理子学長らが二〇一八年三月、国立天文台(本部・東京都三鷹市)との連携強化を目的にハワ
イを視察した際、訪問先の七割が観光名所や土産店だったことが分かった。視察先の選定に当たり、長谷
川学長が「綺麗(きれい)なところを見たい」と火山見学を要望していた記録も残っていた。大学関係者は「
視察に名を借りた観光旅行だ」と問題視している。 (中沢誠)
本紙が天文台への情報公開請求で入手した開示文書から判明した。
視察は一八年三月二〜六日に実施。長谷川学長のほか永田敬副学長、中村幸男理事の執行部全員
と事務職員の計七人が、天文台の研究拠点のハワイ観測所などを訪ねた。七人の視察費は総額二百八万
円で、文部科学省から支給される運営費交付金を充てていた。
天文台は、総研大生を受け入れてもらっている共同の研究機関の一つ。観測所にも総研大生一人が
在籍していることから視察した。
開示資料によると、初日に観測所を訪問。二日目は天文台のすばる望遠鏡を見学し、三日目にハワ
イ大学を視察する行程になっていた。視察費の申請書には、視察目的として「天文台との連係強化や業務
の効率化につなげる」とある。
総研大によると、観測所や望遠鏡では総研大生や現地職員らと懇談したり、施設を見学したりして、と
もに二時間ほど滞在。ハワイ大学の視察は日曜で要人との面会は行わず、学内の施設見学や庭園散策で
一時間ほど過ごしたという。
ところが、視察では観光名所や土産店に多くの時間が割かれていた。
総研大の藤原匡利総務課長は「学長と参加者の意向を踏まえ、天文台と調整して視察先を決めた」と
話す。総研大から天文台に送られたメールには、「火山見学について。できれば綺麗なところを見たいとの
希望がございます」「ホノルルについて。ハワイの自然があるところを見学できたらと申しております」などと
、長谷川学長の要望が伝えられていた。
実際、長谷川学長の要望に沿うように、世界遺産に指定されているハワイ火山国立公園のキラウエア
火山や、「この木なんの木」のCMで知られるモアナルア・ガーデンなどガイドブックに紹介されるような観光
名所を訪ねていた。総研大の中村理事は「用務の途中に時間調整や休憩で立ち寄ったもので、用務の一
つと考えている」とする。
これに対し、総研大元教員は「ハワイ観光するため、すばる望遠鏡を視察したとしか思えない」と憤る
。
◆「将来構想を策定する重要な活動」学長コメント
ハワイ視察について、長谷川学長=写真=は本紙の取材に大学を通じて「総研大の将来構想を策定
する上で、各基盤機関の訪問調査は最も重要な執行部活動。ハワイ視察は、この活動の一環としてとらえ
ている」とコメント。「この海外拠点の視察は、総研大の国際共同研究の実態把握や学生の教育現場を肌で
感じることができ、新たな教育プログラムの構築につながった」と視察の意義を強調した。
長谷川氏は二〇一七年四月から総研大学長を務めており、ハワイ視察は就任一年目。専門は自然人
類学で、野生のチンパンジーなどの研究を行ってきた。〇七〜一七年、国家公安委員会委員。新聞などに
も寄稿している。
<総合研究大学院大学> 国内初の大学院だけの大学として、1988年に設立した国立大学法人。ノ
ーベル賞をとれるような優れた研究者を養成しようという発想から生まれた。国立天文台ハワイ観測所のほ
か、総研大生は国立民族学博物館や分子科学研究所など国内外にある22の共同研究拠点で研究を行い
、そこの教授らから指導を受ける。2018年度に国から受け取った運営費交付金は17億円余りで、収入全
体の8割を占める。19年5月現在、学生数は506人。
<税を追う>メールににじむ「観光気分」 総研大のハワイ視察 訪問先を綿密に相談
2018年3月3日、国立天文台のすばる望遠鏡を視察に訪れた総研大の長谷川学長ら=国立天文台提
供
|
|
ノーベル賞がとれるような研究者養成を目指す総合研究大学院大学の学長らが二〇一八年三月、半
ば観光のようなハワイ視察を行っていた。視察を巡る国立天文台とのメールには、「観光」について綿密に
打ち合わせする一方で、本来の視察を二の次とするようなやりとりが繰り返されていた。(中沢誠)
「やっぱりメインは観光だったのか」。総研大の元教員が目を見張る。在職中、「学長たちがハワイに
遊びに行った」とのうわさが学内で流れていたという。
そのうわさを裏づけるようなメールが国立天文台に残されていた。視察先のハワイ観測所やすばる望
遠鏡は天文台の研究拠点で、天文台が視察の調整を担っていた。総研大秘書室と天文台総務課、ハワイ
観測所は、視察の二カ月前から頻繁にやりとりしていた。
用務先以外の訪問について、総研大からは「綺麗なところが見たい」「ハワイの自然を見たい」など、
長谷川真理子学長の要望が度々伝えられていた。
注目すべきは、視察直前の二〇一八年二月末、天文台総務課が観測所に送った依頼メールだ。
すばる望遠鏡の視察前、人気土産店や観光名所を回るコースを「市内観光」と書いていた。メールを
送った職員は「よく覚えていない」と言葉を濁す。
メールを受けた観測所側の回答からも、観光気分がうかがえる。「市内観光」にアロハシャツの名店も
加えるよう提案、道中で土産のチョコレートが溶けないかの心配までしていた。
一方で、肝心の用務はどこかおざなりだ。
視察三日目は日曜にもかかわらず、視察先に選んだのはハワイ大学だった。
総研大は視察の二カ月も前に「先方の学長との面会は無しで大丈夫」と天文台に通知。天文台内部で
交わされたメールには「UH(ハワイ大学)はざっと見る程度でお願いしたいと伺っています」とあった。
ハワイ大学では施設見学と庭園散策で一時間ほど滞在しただけ。その前後にはホノルルの観光名所
を訪れていた。
観光地がめじろ押しでありながら、総勢七人という視察人数は異例だったようだ。直前にあった松山政
司・内閣府特命担当相(当時)のすばる望遠鏡視察を引き合いに出し、天文台の担当者はメールでこうつづ
っている。「内閣府松山大臣に引き続き、総研大も全七名ご一行様です…。なんと係員が三名も!」
総研大関係者は大臣並みの規模に「お供を引き連れた大名行列」と揶揄する。
帰国後、長谷川学長が大学に提出した視察報告書は、たった二行。「国立天文台ハワイ観測所・ヒロ
オフィスを訪問し、現地の視察や事務職員・学生との懇談を行った」。観光地訪問の記載は一切なかった。
<税を追う>人件費削減などで4400万円捻出 総研大、学長らは報酬増
若手研究者を育成する国立大学法人「総合研究大学院大学」(神奈川県葉山町)の学長らによるハワイ視察の訪問先の七割が観光地や土産店だった問題で、約二百万円の視察費は、財政悪化から職員人件費削減などで予算を見直す中で、新規に計上されていたことが分かった。 (中沢誠)
人件費削減が進む一方、長谷川真理子学長と副学長、理事の執行部三人の報酬や賞与は増額されていたことも分かった。総研大関係者によると、ハワイ視察直後の学内の会議では、職員人件費を削って視察に行った執行部の対応に異論が出たという。
長谷川氏は二〇一七年度に学長に就任。同年度の総研大の当初予算は前執行部が編成し、ハワイ視察費は計上されていなかった。総研大によると、一七年十一月に国立天文台との間でハワイ観測所への視察話が持ち上がったという。
本紙が入手した総研大の内部資料によると、新執行部は年度途中に当初予算の見直しに着手。一八年一月の組み直しでは、人件費削減などで捻出した四千四百万円分の一部を、ハワイ視察費に再分配した。
この際の組み直し予算の半分近い二千万円は、教職員の人件費削減で捻出された。多くは非常勤職員の勤務を、フルタイムから一日六時間の短時間に切り替えたことによるものだった。
非常勤職員の人件費は一七年度末までに、前年度比17・5%減に当たる千二百七十万円をカット。一八年度はさらに七百四十万円が削られた。労働条件の悪化で退職者も相次ぎ、総研大によると、非常勤職員は一七年度だけで二十六人中十八人が退職した。人件費削減について、総研大の前田輝伸財務課長は「このままでいくと人件費の増加で、事業経費の逼迫(ひっぱく)が予想される」と説明。近年、国から国立大学の運営費交付金は減っており、収入の大半を交付金に依存する総研大も一六年度までの十年間で三億円の減収となっていた。
学長ら執行部三人の報酬・賞与は一七年度から一八年度にかけ、長谷川学長が四十四万円増の千七百五十九万円、永田敬副学長と中村幸男理事も七十万円前後の上積みとなった。総研大は、就任一年で昇給する大学の報酬規定や人事院勧告を増額の理由としている。
◆戦略的な予算措置
<総研大の長谷川真理子学長のコメント> 学内予算編成については過去の予算編成を精査するとともに、各部局の役割分担、人員体制、業務の効率化などを検討し、年度途中での予算編成の見直しを断行することとした。その中で人件費削減の方針を打ち出し、戦略的、重点的な予算措置を行った。これらの大学業務を少ない執行部体制三人で実施することは、非常に大変なことであった。この状況に鑑み、現理事の報酬の昇給を決断した。
<総研大のハワイ視察> 国立天文台のハワイ観測所訪問を目的に2018年3月2〜6日、総研大から長谷川学長ら7人が参加。世界遺産のキラウエア火山や「この木なんの木」のCMで知られる公園などを訪れた。視察行程の調整では、長谷川学長が「綺麗(きれい)なところが見たい」などと天文台に注文を付けていた。
|
<税を追う>総研大「予算がない」と人件費カット 「頑張ったのに搾取された…悔しい」元職員
半ば観光のようなハワイ視察を行っていた総合研究大学院大学学長らは、「予算がない」と教職員に痛みを強いる裏で、自分たちの報酬や賞与を引き上げていた。「増額に相当するだけの仕事をした」と開き直る執行部。労働条件を下げられ退職せざるを得なかった元非常勤職員の女性は、悔しさをにじませる。 (中沢誠)
視察の半年前の二〇一七年八月、神奈川県葉山町の総研大本部の講堂に教職員が集められた。右肩下がりを続ける国からの運営費交付金と、増加する人件費のグラフを示したペーパーが全員に配られた。
今後の大学運営について一通り説明した長谷川真理子学長が、こう語り掛けた。「現在の本学の財政状況は本当に大変なことなので、ご理解いただいた上で、皆さん一緒に頑張ってほしい」。続いて登壇した財務担当の中村幸男理事は、早急な人件費削減の必要性を訴えた。
説明会から間もなく、女性職員は短時間勤務への移行を聞かされた。「辞めろって言われているようなもの。これでは生きていけませんよ」。短時間勤務になると年収は三百万円から百八十万円に減る。再就職先を探すほかなかった。
教職員に痛みを強いる一方で、ハワイ視察に出掛け、自分たちの報酬・賞与を引き上げていた学長、副学長、常勤理事の執行部三人に対し、退職した複数の元教職員からも「お手盛り」との声が上がる。
中村理事は本紙の取材に「執行部は三人体制で、ほとんど休日も出るかたちで働いてきた。それ(増額)に相当するだけの仕事をしてきた自負がある」と主張。教職員の人件費削減については「他の研究機関では非常勤職員の短時間勤務は当たり前。総研大だけフルタイムなのは事務の効率化という意味でおかしい」と気色ばんだ。
女性職員は総研大を辞めた後、学長らのハワイ視察の話を人づてに聞いた。「あんなにお金がない、お金がないって言ってたのに」。本紙が入手した視察の日程表を見ると絶句し、「観光地ばっかり、何のための視察なんですか。やりたい放題ですね」とため息をついた。
「私だって、ずっと総研大で働き続けたかったですよ。でも、頑張っても搾取されるだけ」。最後は消え入るような声でつぶやいた。「…悔しい」
<税を追う>
ハワイ視察 実は名所巡り 総研大学長「綺麗なところ見たい」 2019年10月11日 朝刊
メールににじむ「観光気分」 総研大のハワイ視察 訪問先を綿密に相談 2019年10月24日 朝刊
人件費削減などで4400万円捻出 総研大、学長らは報酬増 2019年10月24日 朝刊
総研大「予算がない」と人件費カット 「頑張ったのに搾取された…悔しい」元職員 2019年10月24日 朝刊
▲上へ
★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK266掲示板 次へ 前へ
フォローアップ:
投稿コメント全ログ
コメント即時配信
スレ建て依頼
削除コメント確認方法
▲上へ
★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK266掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの
引用、転載、リンクを許可します。
確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。