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大臣辞任は幕引きでなく内閣崩壊劇の開幕
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2019年10月26日 植草一秀の『知られざる真実』
安倍首相は9月11日に内閣改造を強行した。 9月9日に台風15号が首都圏を直撃した直後だった。 台風15号は千葉市付近に上陸し、千葉県を中心に深刻な被害が広がった。 内閣改造など延期して、災害対策に全力を挙げるべき局面だった。 ところが、安倍首相は台風被害などお構いなしに内閣改造のお祭り騒ぎに邁進した。 その内閣改造から40日あまりで一人の閣僚が辞任に追い込まれた。 菅原一秀前経産相は「明日国会で説明します」と明言しながら、一切説明することなく経産相を辞任した。 最後まで無責任である。 しかし、辞任で幕を引いてはならない。 議員秘書が議員名で有権者に現金を供与したことは公職選挙法に抵触する犯罪である。 すでに刑事告発が行われているが、捜査当局は告発状を受理して刑事捜査に着手しなければならない。 この国では刑事司法が腐敗してしまっているが、主権者は刑事司法の腐敗を放置してはならない。 犯罪が存在するのに犯罪者を無罪放免にすること。 犯罪が存在しないのに犯罪をねつ造して無実の人間を犯罪者に仕立て上げること。 これが日本の刑事司法の最大の問題である。 拙著『25%の人が政治を私物化する国』(詩想社新書) https://amzn.to/2WUhbEK https://www.youtube.com/watch?v=cXhS7jp1e-Y に、この国の政治の問題を要約して記述し、また話をさせていただいた。 ぜひ、ご高覧賜りたく思う。 2012年12月に発足した第2次安倍内閣はこの12月で丸7年の歳月を経過する。 傍若無人の安倍暴政が7年間も吹き続けたことになる。 この暴風被害は日本でもっとも深刻な暴風被害であると言える。 一刻も早く、この内閣を終焉させなければならない。 この内閣が存続している理由を三つ挙げることができる。 第一は、この内閣が日本の情報空間を歪め、主権者が真実の情報を入手できにくくなっていること。 第二は、この内閣が刑事司法を私物化して、刑事司法を機能不全に陥らせていること。 第三は、主権者である国民の対応がゆるいこと。 この三つの要因によって、安倍暴政が持続してしまっている。 しかし、その安倍暴政の綻びが隠せなくなっている。 菅原経産相辞任を端緒に政権崩壊が加速してゆくことになるだろう。 そのために、野党が毅然とした対応を示すことが重要であるとともに、主権者が監視と行動を強める必要がある。 刑事司法の歪みでは、森友、加計疑惑のすべてが無罪放免にされたことが重大であるが、これ以外にも刑事司法の歪みを示す事例は枚挙に暇がない。 池袋で発生した乗用車暴走による殺人事件はいまなお、加害者が逮捕すらされていない。 高級官僚を経験すると殺人を犯しても逮捕すらされないということなのか。 石川達紘元東京地検特捜部長は20代女性とゴルフに行くために停車させた乗用車を暴走させて歩道を歩いていた男性をひき殺した。 石川氏は在宅起訴されたが逮捕もされていない。 本年8月18日には警視庁新宿警察署のパトカーが青信号で横断歩道を歩行していた4歳男児を跳ね飛ばして殺害した。 パトカーは道路交通法違反を犯している。 跳ね飛ばされた男児が病院に搬送されるまでに長時間かかったとも伝えられている。 メディアが詳しく報道しないため、真実が十分に伝えられていないが、警察は加害者の逮捕も行っていない模様である。 菅原一秀議員の行動は公職選挙法違反の疑いが濃厚であり、捜査当局は直ちに刑事捜査に着手するべきである。 野党は捜査当局の適正な対応を強く求めるべきだ。 暴政を続けてきた安倍内閣の失速が始まる。 いまこそ主権者がしっかりと声を上げるべきだ。 |
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