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国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」が閉幕した。
作品に抗議が殺到し、開幕3日で異例の中止に追い込まれた企画展「表現の不自由展・その後」は最終盤で復活した。
「表現の自由」への圧力に屈したまま終わることは避けられた。
ただ、一連の混乱は、表現の自由が置かれた危うい状況を国内外に知らしめることになった。
意に沿わない表現を力ずくで封じる動きを、政治家や行政は明確に否定せず、むしろ追認した。
特に文化庁の補助金不交付は、憲法の禁じる検閲と同等の効果をもちかねず、禍根を残すだろう。
これで終わらせてはならない。課題を掘り下げ、表現の自由を後退させない取り組みを進めたい。
企画展は公の場から排除された表現を集め、議論喚起を狙った。
だが、元従軍慰安婦を象徴する少女像をはじめ、作品の表面的、断片的な情報がSNSで広がり、「問答無用」の批判が集中した。
企画展の中止を求めた河村たかし名古屋市長ら一部の政治家の言動が、これをあおる結果となったことは、見識が問われよう。
文化芸術を守るはずの文化庁も、その任を果たさなかった。
補助金不交付の決定に至る経緯には大いに疑義がある。
「手続き上の不備」を理由に、採択にあたって専門家らを交えずに決め、議事録もないという。
開幕直後、菅義偉官房長官が交付の是非の検討に言及しており、結論ありきとの疑いは残る。
補助金が後付けの理由で取り消され得るならば、その恐れのある企画は自粛されかねない。
東京芸術大前学長で、ことの深刻さを知るはずの宮田亮平長官が決定を追認したのは無責任だ。
「手続き上の不備」は文化庁にこそ問われる。
道内でも多くの文化芸術事業の関係者が不透明な決定を憂えている。愛知県が撤回を求める訴訟で詳細を明らかにしてもらいたい。
救いもある。教訓を生かそうと、作家有志や市民、有識者が「あいち宣言」の草案をまとめた。
芸術家には表現の暴力性への配慮を、鑑賞者には文脈への留意を求めるなど、表現の自由を守り育てるための規範を探ったものだ。
再開にあたり、度を超えた抗議への対応ルールを定め、ガイドツアーによる鑑賞に限定した実行委の試みも、一定の効果があった。
各地の芸術祭を自主規制や検閲からどう守るか、多様な文化を享受するため、幅広い議論が必要だ。
北海道新聞社説 2019年10月20日
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/356341?rct=c_editorial
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