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これではテロ予告や脅迫めいた抗議で「表現の自由」を妨げた行為を政府が追認したことにならないか。
文化庁が、企画展示の一つ「表現の不自由展・その後」が中止になった愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に内定していた補助金約7800万円を交付しないと発表した。
不自由展は8月1日に開幕した。従軍慰安婦をモチーフとした少女像などの展示に対し、抗議や批判が殺到。主催者が「安全な運営が危ぶまれる」と判断し、わずか3日で中止に追い込まれた。
文化庁は、円滑な運営を脅かす事態を予想していたにもかかわらず国に申告しなかったとし、手続きの不備を不交付の理由にしている。愛知県が補助金を申請した際に十分な情報が得られず、適切な審査ができなかったという説明だ。
萩生田文部科学相は少女像の展示は判断に影響していないとし、「検閲には当たらない」と強調する。ただ、いったん内定した補助金の不交付は異例であり、萩生田氏の発言は額面通りには受け取れない。
日韓関係の悪化も背景に、少女像などの展示には保守系議員も批判的な声を上げていた。菅官房長官も中止前の段階で、補助金交付を慎重に判断すると表明。芸術家や憲法学者らから表現の自由への介入だと批判された経緯があるためだ。
専門家から「内容次第で補助金交付が取りやめられるのであれば、展示が萎縮しかねない」と、表現に対する政治の「選別」を疑う声が出るのも当然だろう。
不自由展には開幕からの1カ月で県庁などに届いた抗議が1万件を超えたという。もちろん展示への意見や反論も自由ではある。
しかし、京都市の放火殺人事件を連想させる放火予告や、保育園などへの危害を予告するといった内容はもはや抗議の域を超えている。「暴力」で他人の表現の自由を奪うことがあってはならない。
今回の措置は、脅しによって気に入らない展示を中止に追い込んだ「あしき前例」に政府が加担することにもならないだろうか。
芸術家や市民、自治体に与える萎縮作用も深刻になろう。こうした前例ができれば政治的テーマが焦点となった場合、自治体が安全確保や業務への支障を理由に、当然のように施設使用や作品展示を認めないケースが広がることが考えられる。
愛知県の大村秀章知事は検証委員会の中間報告を受け、不自由展の再開を目指すとしている。
検証委が示した条件は、脅迫や攻撃リスクの回避、展示方法や解説の改善などハードルは高い。だが、あしき前例をそのままにしないためにも10月14日の会期末までに万全の対策で再開を実現してほしい。
大村氏は補助金不交付に対し裁判で争う意向も示している。本来、人権や自由を擁護するのは政府や行政の責務のはずだ。政府は今回の判断を丁寧に説明する責任がある。
高知新聞社説 2019年09月29日
http://www.kochinews.co.jp/article/312436/
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