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農業は言うに及ばず、車など工業製品でもことごとく譲歩した。国益を守ったとは到底言えまい。
安倍晋三首相はトランプ米大統領と会談し、日米貿易協定の締結で最終合意した。
米国産牛肉の関税を環太平洋連携協定(TPP)と同水準に下げるなど7800億円相当の農産物市場を開放する一方、米国が離脱前のTPPで約束した車と自動車部品の関税撤廃は継続協議とした。
農業市場の開放と引き換えに工業分野などの貿易が拡大し、日本全体ではプラスになる―。政府のその説明にすら達していない。
しかも交渉内容を伏せ続け、国民不在で合意に至り、全容もなお開示していない。極めて問題だ。
TPP、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)に続き日本の農業が犠牲を強いられる。北海道など産地への打撃が心配だ。
政府は合意と交渉の詳細な内容を直ちに明らかにすべきである。影響の試算を早急に公表し、十分な対策を打ち出さねばならない。
首相は会談後、「日米双方にウィンウィンの結論」と強調した。
しかし日本車への追加関税を突きつけられて2国間交渉に応じ、大統領選再選に向けトランプ氏に成果をお膳立てしたようにしか見えない。脅しに屈し妥協を重ねるのでは通商交渉とは呼べない。
米国が譲ったのは、日本側の譲歩一辺倒が参院選の争点とならないよう妥結を遅らせた程度だ。首相が守ったのは国益より米大統領との関係と政権の安定だろう。
首相は米国が追加関税を課さないことをトランプ氏に確認したという。だが再選へ好景気を維持したい米政権にとり自国経済に打撃が大きい追加関税は、そもそも「切れないカード」ではなかったか。
今回で味を占め、継続協議でもカードをちらつかせかねない。
日本政府はコメ輸入の無関税枠見送りや日本産牛肉の低関税輸出枠拡大を成果に挙げる。ただ牛肉は複数国対象の別枠と合体して日本も使える形となり、米国にすれば低関税枠の総量は増えない。
この合意が関税撤廃率で世界貿易機関(WTO)のルールに反するとの指摘もある。自動車を継続協議にすることでWTOの追及をかわす狙いも透けるが、ルールを軽んじた合意は正当性が問われる。
政府は来月召集の臨時国会に承認案を提出する。農業への影響を精査し対策を打つことはむろん、政府の交渉戦略が妥当だったのかも議論が必要だ。生産者の不安を顧みぬ拙速な承認は許されない。
北海道新聞社説 2019年9月27日
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/348814?rct=c_editorial
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