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アベの妄想は潰え、残されるものは負債化した「遺産」と先の大戦の敗者としての真実の姿  併せて、ポツダム体制が続いている事の証明
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/770.html
投稿者 影の闇 日時 2019 年 9 月 24 日 21:24:13: HiXvZf/FmwPNU iWWCzIjF
 

どうしてこうなるのか?


全ては、戦後支配体制と「冷戦体制」を同一視し、”レジーム・チェンジ”即ち「体制転換」の時代に入ったと誤認したことに在る。

―のだが、その事を理解する為には、広義のヤルタ体制と狭義のヤルタ体制と、二つに分けて考える必要がある。

広義のヤルタ体制とは、第二次世界大戦の戦勝五か国が其の侭安保理常任理事国になっている事で解る様に、戦後世界の支配体制として結実した連合国体制=国連体制を指し、狭義のヤルタ体制とは、ドイツ封じ込めを共通利害にした、米ソによるヨーロッパ管理(支配)を指す。 そうして、狭義のヤルタ体制の戦後更新版こそが「冷戦体制」なのである。

ここからみれば、「冷戦体制の崩壊」とは米ソによるヨーロッパ管理(支配)が崩れたという事であり(に過ぎず)、それはEU登場と表裏を為す。

他方、狭義のヤルタ体制と並んで、戦後世界の支配体制のもう一つの柱、ポツダム体制は健在なのである。

その理由は幾つか在る。 ドイツが、周辺諸国の信頼と協力で、封じ込めを内部から突き崩して行ったのとは対照的に、党人派主導の善隣友好路線が、清和会勢力によって悉く潰され、破壊されていき、自らその支配体制を突き崩す道を放棄したことも大きいだろう。

しかしながら、世界(史)的視点で言えば、”冷戦の崩壊”から30年経って益々ハッキリしつつあるが、ヨーロッパが世界現象から地域現象に成って行くのに反比例して、中国の比重が著しく高まったことの方が、やはり、重要なポイントであろう。


今後数十年で、経済のみならず、軍事、更には科学技術方面に於いても、アメリカを凌ぐか匹敵する力を持つに至ると推測される現下の中国だが、それに応じて、かってのソ連を遥かに上回る地位及び位置を占めていくことが予想され、当然の事だが、その影響力も、大きくなることはあっても、低下することはまず考えられないだろう。

だとしたら、中国が関与する戦後アジアの支配秩序(ポツダム体制)も、当面、揺らぐ気配はない、と考えるべきだろう。

更にここで考えておかねばならないのは、ドイツを唯一の<負け組>とするヤルタ体制は、実亡状態に在るとはいえ、今なお続いていると見做されることである。  その理由も又簡単である。
唯一<負け組>ということはドイツ以外の当該国にとっては<勝ち組>側であり、他の欧州諸国には支配秩序を壊す積極的な動機は無いのである。 
他方ドイツにしても、事実上EUの盟主となり、実質的にはドイツ帝国と言われる現状においては、敢えて戦後の秩序を壊す動機は弱いであろう。 折角、半世紀以上掛け、欧州諸国の信頼と合意を得て今日の地位まで築き上げて来たもの―しかもそれはナチスが力付くでやろうとして失敗したもなのだ―を水泡に帰すが如き真似はしないであろう―少なくとも国連の「敵国条項」が無くならない限り。


全く同じことは、日本を唯一の<負け組>とするポツダム体制についても言えることは解るはず。

日本を除いて、この”戦後レジーム”を壊したいと思うアジアの国はいないし、そう考えるべきだろう。

ところがここに、そのようなアジア諸国の眼差しなど気に留めることなど無く、”戦後レジーム”を専ら日本の対外行動を縛るもの=平和憲法とガラパゴス的に限定し、自ら課した戒めを解いて、対米貢献を励めばかっての”栄光”を取り戻せる、と勘違いした者が出て来たのである。

彼等には、従って”戦後レジーム”とは、アジアにおいてはポツダム体制を意味することすら認識されていないであろうし、それが占領体制(日米安保体制)及び憲法(平和憲法)とセットで結び付いているなんて、考えも及ばないことだろう。

中国や韓国の批判はポツダム体制に基いたものなのだが、ワシントン体制と同じく、自らを不当に縛り付ける桎梏程度にしか認識されてないはずである。

となると、先の戦争に至る過程において、ズルズルと、その気も無いのに深入りして仕舞った日中戦争(日華事変)の二の舞いになる可能性は常に引きずっているとみた方がいいのである。 何せ「米英(アングロ)と戦うな」が先の戦争の最大の(唯一の)教訓!?となると、裏を返せばそれ以外の要素は些末なものになるのだから。


特に岸ー佐藤ーアベと続く清和会勢力にはその傾向が強く、しかもそこに、戦後支配の中で、ベトナム敗戦で一旦失った立場を回復し、少しでも有利な地歩を固めたいというアメリカの思惑が絡んでくるとなると、半世紀前の”罠”がいっそう現実味を帯びてくるのである。

例のGSOMIAにしても、THAADも含めて、益々ナショナリズム傾向を強める韓国に対する軍事的タガの締め直し以上に、そこに日本を絡ませることで、この”罠”の仕掛けを目論んだものだろう。 まぁトランプと文政権登場でその勢いが殺がれた感は否めないが、しかしながら極東米軍の最大の権益が掛かっているだけに、文政権やトランプ政権の動向次第で、再び三度、朝鮮半島或いは極東がキナ臭くなる可能性はある、と考えておいた方がいい。

現に文政権誕生直前、韓国軍部がクーデター一歩手前まで行った事が報じられているし、その一年前には韓国情報機関によって「金正男暗殺」が引き起こされているのである。

日本と同じく、韓国の軍部や情報機関は米軍やCIAの事実上の下部機関だが、特に韓国の場合は、歴史的経緯からも、謀略的体質を色濃く引き継いでいる事は何度でも強調しておかねばならない。 この際だから言っておくが、「日本人拉致」を計画・立案したのは韓国の情報機関(KCIA)であり、日本の公安当局と組んで北朝鮮を嵌め、返す刀で、北朝鮮の工作機関と組んで日本を嵌めたのである。 「拉致事件」が、当初より日本の当局が知っていたにも拘らず伏せられ、又「事件」が明らかになって15年以上経つのに、事件の全貌どころか欠片も明らかになっていない※のは、斯かる極東安保の裏地図が深く関わっているからなのだ。

※現在世間に流布している「事件」に関わるものは、その殆どが韓国情報機関による偽情報である。 日本は二重に欺かれているのだ。

他方、現在文政権を攻撃している日本のマスメディアの「韓国情報」は野党(保守)経由、或いはその目線で作られており、その偏向ぶりは異常である。 
保守派とは親米派であり、従って親米派発の、或いは親米派経由の情報又は報道により、我々の「韓国観」は形成されているのである。


見られる通り、「拉致」にせよ韓国報道にせよ、構図は変わらない。
そうして、愚弄されているのは我々であることも!


ところで、ここまで読まれた方は、「ポツダム体制」と言っても、”米中新冷戦”とか”米中軍事衝突”と言われる現在においては、既に失効しているのではないか?過去のものではないか?と思われてる方も居るかも知れない。 だが、そういう人達は、そもそも「冷戦体制」自体が「ヤルタ体制」の戦後バージョンであり、米ソによる、ドイツ封じ込めを通したヨーロッパの管理支配だったという、「冷戦体制」の真実を知らないか、思いも至らない、オメデたい人達である。

更に、そういう人達には下記の事実を挙げておこう。 「ポツダム体制」が続いていることの、これ以上ない証明であろう。


米中両軍が南京で合同演習 (2018年11月)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13767452.html


勿論、双方200人づつということで、あくまで儀礼的であり、その意味でシンボリックなものに過ぎないだろうが、しかしながら、「南京」という、日中戦争の極め付きのシンボリックな地※を選んだということで、それが強い政治性を帯びたものであることが分かるだろう。 

  ※例えば「アウシュビッツで米露両軍が合同演習」という事を考えてみればいい。 ―誰に向けての、如何なる政治的なメッセージなのか明白であろう。


この合同演習は1998年から20年続けられているが、一方で同じ時期、朝鮮半島有事を想定した「新ガイドライン」(97年)が出来ているのである。
GSOMIAも含め、こうした動きが半世紀前の”罠”の現実化に向けたものであることは明らかなのだが、一見相反するこれらの何処にポイントを置くかによって、丸で違った光景が見えて来るのは分かるはず。 

つまりは、中国や北朝鮮の脅威の為にとする肯定派も、日本の軍事的野心の顕われとする否定派も、上の「合同演習」という事実に突き合せたら、どちらも等質な誤謬であることが解るであろうし、米軍の仕掛ける”罠”という見解に納得されると思う。

最後に確認するとともに、銘記しておきたい。


日本は先の大戦の<敗者>であり、ポツダム体制の<負け組>なのである、また斯かる意味で、連合国体制=国連体制の<外様>である。

 

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