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もはや政治ではない…すべてを諦めた社会/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201909180000103.html
2019年9月18日8時19分 日刊スポーツ
★閣僚の顔ぶれを見ても、千葉県を中心とした台風災害の対応を見ても、この内閣の水準の低さを感じることが多い。自民党はいつから国民の気持ちを第一に考えなくなったのだろうか。さまざまなスキャンダルを内閣の一員が起こしても説明しない、混乱をわびるだけで本質については謝罪せず、貫き通す姿勢を誰も咎(とが)めなくなった。簡単に辞任させず内閣改造で交代させる手法をとるなど、責任の所在をあいまいにさせる政治を実践してきた結果だろう。 ★それは首相・安倍晋三の口癖でもある「責任は私にある。任命責任を含めて私にある」としながら、その恥ずかしい現実を聞き流すようになったからだ。森友・加計学園疑惑の関与者たちは、ほとぼりを冷ますように入閣するなど復権し、議事録を残さないという方針を固めて事実関係はすべて闇の中だ。骨のある閣僚はいないのかと探せば「所管外」を繰り返し、すべてはあいまいな政治を突き進める。 ★安全保障を声高に叫ぶものの、政権の言う安全保障は軍事的要因のことばかり。子どもの7人に1人が貧困という数字が抱える問題や、食品や作物の安全はなかなか優先されはしない。だが、国民は怒りの矛先を政権には向けない。選挙ではその矛盾に気付いた有権者が与党議員を落選に追い込むが、野党に期待が募るからでもない。いずれの政治家も国民から見れば物足りない、優先順位も違っている。以前の与野党の政治家には威厳と緊張感があったが、正義感と庶民感覚がなくなったと言えまいか。まもなく消費税がアップするが、数カ月の軽減策は複雑すぎて怒る気も起きない。すると財務相らは「増税前の駆け込み需要はない。だから反動減もない」と何も問題はないとの認識だ。さびたアンテナで政治を進める、それを批判する者もいない。これは政治ではない。すべてをあきらめた社会ではないか。(K)※敬称略
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