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安倍・麻生vs菅・二階…改造人事で繰り広げられた暗闘
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/261669
2019/09/11 日刊ゲンダイ
幹事長続投でシナリオは狂った(左からー 安倍首相と麻生副総理。菅官房長官と二階幹事長は急接近に…)/(C)日刊ゲンダイ
11日の内閣改造・自民党役員人事。安倍首相は早々に「安定と挑戦の布陣」とキャッチフレーズを付け、麻生副総理兼財務相、菅官房長官、二階幹事長の骨格3人の留任が「安定」の象徴だと解説されているが、実態は違う。裏では安倍首相・麻生氏vs菅氏・二階氏の暗闘が繰り広げられていた。
■幹事長続投でシナリオ狂う
今度の人事の肝は「幹事長」で、安倍首相は二階氏を外すつもりだった。しかし、改憲を睨んだ公明党とのパイプ維持などで、結局、二階氏を続投させざるを得なくなったという。
「つまり人事は最初からシナリオが狂ったということです。さらに、菅氏の子飼いの若手が二階派に入会するなど、菅氏と二階氏が急接近している。安倍首相は強い警戒感を抱いています」(安倍首相周辺)
菅氏と二階氏の接近は「ポスト安倍」を見据えたものだ。二階派は所属議員が46人いるものの後継者が不在。菅氏は無派閥ながら“実質菅派”という議員が50人ほどいる。「令和おじさん」で人気上昇の菅氏と「ポスト安倍」で組めば、100人の一大勢力になる。
安倍首相と麻生氏は、こうした動きに敏感に反応した。8日の日曜に麻生氏が安倍首相の私邸を訪問。1時間半にわたって会談しているのだ。
「安倍首相は人事について真っ先に麻生氏と打ち合わせするので、既に話は終わっていたはず。日曜に改めて会ったのは、二階氏の幹事長留任と菅・二階連合の攻勢という予定外の事態となり、巻き返しを図る必要が出てきたからでしょう」(前出の安倍首相周辺)
実際、きょうの人事でその巻き返しが具体的に表れた。閣僚人事では「党務や閥務の経験を積ませるべき」とされていた麻生派の河野太郎外相が横滑りで防衛相に残った。党役員人事でも、麻生派の鈴木俊一五輪相が総務会長に起用されることになった。鈴木氏は麻生氏の義弟でもある。
麻生派の甘利明選対委員長が、絶大な利権を握る税調会長となり、後任の選対委員長には、安倍首相の出身派閥である細田派の下村博文憲法改正推進本部長が就く。幹事長代行は細田派の稲田朋美元防衛相だ。安倍首相と麻生氏の側近たちが幹事長の“お目付け役”となるわけだ。
そのうえ、初入閣組には過去の安倍政権で官房副長官だった萩生田光一氏と西村康稔氏、首相補佐官だった衛藤晟一氏と江藤拓氏と河井克行氏という5人の安倍首相“お友達”がズラリである。
「長く続くと権力は腐敗するという典型。『安定』を求め、麻生氏、菅氏、二階氏の3人を長期にわたって要職に置いた末に、菅氏、二階氏の“裏切り”という代償を招いたということ。『安倍・麻生』『菅・二階』という二重構造の権力闘争の結果、ますます国民不在の人事になってしまった感があります」(政治評論家・野上忠興氏)
1強政権の末路である。
安倍・麻生vs菅・二階…改造人事で繰り広げられた暗闘 https://t.co/74J4QeSReB #日刊ゲンダイDIGITAL
— 新保吉章 (@pat052) 2019年9月11日
【内閣改造「安定」とは名ばかり】安倍・麻生 VS 管・二階 水面下で繰り広げられた国民不在の暗闘 幹事長続投でシナリオ狂う 今度の人事の肝は「幹事長」で、安倍は二階を外すつもりだった。しかし、改憲を睨んだ公明党とのパイプ維持などで、結局、二階を続投させざるを得なく...(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/IXOKCQLcj3
— KK (@Trapelus) 2019年9月11日
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