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サンデー毎日 2019年9月15日号 ※画像クリック拡大
「統一会派」では終わらない? 立憲・枝野代表が企てる「次の新党」仰天シナリオ=ジャーナリスト・鈴木哲夫
https://mainichi.jp/sunday/articles/20190901/org/00m/010/001000d
2019年9月3日 05時00分(最終更新 9月3日 05時00分) サンデー毎日
統一会派結成についての党首会談と記者会見を終えて握手する立憲民主党の枝野幸男代表(中央右)と国民民主党の玉木雄一郎代表(同左)=国会内で2019年8月20日午後1時3分、川田雅浩撮影
▼身内も欺いた?「野党再結集へ始動」
▼国民民主・玉木代表の「我慢」のワケ
野党再結集は掛け声倒れかと思いきや、立憲民主党の枝野幸男代表が動きだした模様である。秋の臨時国会に向け、国民民主党との統一会派を組むといい、「次の新党」も視野にあるという。果たして枝野氏、いかなる戦略で安倍政権を追い込もうというのか。
野党再結集については、常にネガティブな報道がつきまとう。次のように明かすのは、立憲民主党の枝野幸男代表のごく限られた周辺の一人である。
「マスコミは『枝野氏の方針転換』と書き立て、自民党は『追い込まれての判断だ』とちゃかし、身内の立憲民主党や国民民主党の議員の一部では枝野氏の真意を測りかねている者が今もいる。だが皆は知らないだけ。実は、統一会派は枝野氏の野党統一に向けた既定路線なんだ」
8月20日、立憲の枝野代表と国民民主党の玉木雄一郎代表が国会内で会談し、衆参両院での統一会派を組むことで合意した。野田佳彦前首相率いる衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」も加わる。
統一会派を言い出したのはなんとこれまで他の野党とは何かと一線を画していた枝野氏だった。参院選直後に突如、国民民主などの野党各党に衆院での統一会派結成を呼びかけた。合流に元々前向きだった玉木氏は当然、合意した。
だが、今回、決して枝野氏の思いつきの行動ではない。私の取材でも、かなり以前からその確信があった。
今春の大型連休前のことだ。安倍晋三首相が参院選に合わせて衆院を解散し、ダブル選を仕掛けるとの臆測が噴出していた。当時、私は本誌で、解散の可能性が低く、野党を慌てさせて参院選態勢を弱体化させるためのブラフ(脅し)と書いた。枝野氏も本音では解散の可能性が低いと読んでいたが、「(解散は)ある」と盛んに公言していた。なぜか。そこにこそ私が長く枝野氏を取材してきて、「この人はリアリスト。現実的にこれがベストと思えば、前言を翻してでもそう動く」との政治スタイルがある。
「たとえ、ないとしても故意に『ある』と発言していた。枝野氏は、参院選では野党がまとまって自民党と一対一の対決構図を作るしかなく、ダブルでないにせよ、やがて必ず行われる総選挙でも野党協力しかないと分かっていた。それが現実だ、と。希望の党の離合集散以降、立憲の運動員も簡単には合流に納得しないという情勢下で再結集をどう進めるか、タイミングを見ていた。そこで解散を利用した。解散がなくとも『ある』と言い、それを小選挙区での選挙協力に動き出す大義にした」(前出・枝野氏周辺)
この頃からすでに野党統一へコマを進め始めていたのだ。
話を戻す。冒頭の枝野氏周辺は、今回の統一会派結成における“枝野シナリオ”についてこう話す。
「参院選について、枝野氏は表向きは立憲が議席を伸ばしたと語ったが、実態は敗北だと自らは総括していると思う。比例票が300万票減ったダメージは大きい。国民民主も比例では敗北した。代わりにれいわ新選組のように新たな野党も登場した。参院選が終われば、次の政局は総選挙。間髪入れず、反省から一気に野党統一という既定路線の実現に向けて前へ進めるのがベストという判断だ」
統一会派について、枝野氏は立憲の幹部などには一部を除いて一切話をせずにコトを進めたという。枝野氏が現実路線に舵(かじ)を切る時は一気呵成(かせい)である。
2016年の参院選。民進党幹事長だった当時の枝野氏は、1人区の野党候補一本化には慎重姿勢だった。だが、独自候補を立てるフリをして支援者を納得させ、最後はその候補を下げて衆院選に回し、他党からの協力を確約させるバーターで話を収めるなど、最後は全ての1人区での一本化を果たした。味方さえも欺き、現実的な落としどころを作るのが枝野氏の手法なのだ。
統一会派についても、まだ先があると見ていい。枝野氏は「早ければこの秋にも解散はある」と周囲に語り、小選挙区での野党統一候補について「まずは50〜100選挙区で」と公言している。これもまた、なくても「ある」と言って準備を進める狙いがある。
そして、前出・枝野氏周辺は「シナリオとして『できれば総選挙前に一つの政党に』との思いがあるのではないか」とも話す。
「ボトムアップの経済政策提案」
さらに国民民主側への統一の条件としては、有識者や市民グループで作る市民連合の協力受け入れも含まれる。市民連合はこれまで野党結束の接着剤として機能してきた。その先には共産党がある。「つまり枝野氏は市民連合をクッションとして共産党との連携を是とし、国民民主にも受け入れさせた」(同)
枝野氏と共産党の小池晃書記局長の関係は濃密だ。前述した16年参院選での1人区統一候補を最後にまとめ上げた仲。小池氏も枝野氏に劣らぬリアリストで、共産党の現実路線を担う。そればかりか、枝野氏は今後はれいわと協議する準備も進めている。野党が一つになるしかない。ただそうした現実路線は理念や心情的に受け入れない支援者も多い。枝野氏の身内への常に細やかな説明責任は不可欠だ。
一方、統一会派の最大の功労者は「我慢の玉木」ともいえる。これまで統一会派や合流を求めても成果が得られず、党内でも「立憲にはもっと厳しく当たったほうがいい」などの声も上がった。だが、その度に「政権交代のために野党の党首になった」「自分は変わっていない」と私には話してきた。
その玉木氏、早くも次の段階への策を練っている。
「玉木氏の得意分野は経済。総選挙での統一候補、そして『一つの政党』の流れが見えてきたら、必要なのは柱となる政策だ。玉木氏はボトムアップの、家計など下からの経済政策を野党の売りとして統一会派に提案していく意向のようだ。共産党も乗れる政策を考えている」(国民民主幹部)
次の総選挙は野党にとって最後の大勝負。再結集シナリオの舞台裏の、その覚悟が問われる。
(ジャーナリスト・鈴木哲夫)
すずき・てつお
1958年生まれ。ジャーナリスト。テレビ西日本、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリー。豊富な政治家人脈で永田町の舞台裏を描く。テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活躍。近著『戦争を知っている最後の政治家 中曽根康弘の言葉』『石破茂の「頭の中」』
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