http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/240.html
Tweet |
東京五輪招致・汚職疑惑、電通のパートナー企業に家宅捜索要請…電通の関与全容解明へ
https://biz-journal.jp/2019/09/post_117077.html
2019.09.03 文=編集部 Business Journal
電通本社(西村尚己/アフロ)
「仏検察が電通のパートナー企業に焦点、スポーツビジネス汚職」
8月28日、ロイター通信はそう報じた。東京五輪招致の汚職疑惑などにも絡んでいる国際陸上競技連盟(国際陸連)前会長のラミン・ディアク氏(セネガル)と息子のパパマッサタ氏(同)の汚職に関する起訴状などから、仏当局が電通のパートナー企業であるスイスのアスレチック・マネジメント・アンド・サービス(AMS)を家宅捜索するようスイス当局に要請していたことがわかったという。同事件に関して、仏当局は今年6月までに捜査を終了し、ディアク親子を横領容疑で起訴。今後は公判で全容解明を目指す見通しだ。
ディアク親子は東京五輪招致をめぐって、日本オリンピック委員会(JOC)が契約したシンガポールのコンサルタント会社が「金を渡した」疑いがある人物。そして、このコンサルを竹田恒和前JOC会長に推薦したのが電通だ。2つのプレーヤーに再び焦点が集まり始めている。要請を受けたスイス当局は現在までAMSの家宅捜索を行っていないが、開幕まで1年を切った東京五輪に暗い影を落としている。
AMSは国際陸連とマーケティング契約を結んでいる電通のパートナー企業。仏当局はスイス当局に対して、AMS、電通、パパマッサタ氏の間で取り交わされた契約書などを押収するよう要請している。AMSは2007年ごろから、パパマッサタ氏の所有企業に国際陸連の一部のマーケティング権利を移譲していた。仏当局は、国際陸連関連イベントでのスポンサー契約でパパマッサタ氏が手数料として多額の利益を着服したとみている。
■AMSと電通の関係
AMSと電通の間に資本関係はない。だが、AMSは電通から国際陸連の放映権やマーケティング権の一部を取得している。そこから透けて見えるのは、スポーツビジネスをめぐる利権構造の複雑怪奇さだ。
そもそも、国際陸連は組織としてマーケティングを行う能力がなく、スポンサー獲得や放映権の管理などはすべて広告代理店に業務委託をしていた。ところが、委託先だったスイスの代理店インターナショナル・スポーツ・アンド・レジャー(ISL)が01年に経営破綻。それを機に電通が国際陸連のマーケティング権や放映権の大半を取得した。さらに電通は、ISLの元社員が起業したAMSを国際陸連関連業務を行う上でのパートナーに選んだ。
この関係を踏まえた上で、事件の全体像を整理してみる。
まず電通が数百万ドルを国際陸連に払いマーケティング権を獲得。その権利の一部をAMSが取得し、AMSはこの権利をさらに疑惑のパパマッサタ氏の会社に移譲していた。
パパマッサタ氏は自身の企業などを通じロシアの政府系銀行などを国際陸連の公式スポンサーにする。その後、同銀行などから07〜11年の間、約2940万ドルが支払われたことになっている。
ところが、パパマッサタ氏からAMSへの支払いは約1970万ドルに過ぎず、差額の約1000万ドルがどこかに消えてしまった。これが仮に手数料だと考えても高すぎる。ちなみに、そもそもの業務発注元の国際陸連ではパパマッサタ氏の父ディアク氏が会長だったわけで、全体を見る限り大規模なマネーロンダリングに見える。
■東京五輪誘致・汚職疑惑にも見える電通の影
件のパパマッサタ氏は東京五輪誘致に関わる汚職疑惑の中心人物でもある。東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会が13年、シンガポールのコンサルタント会社と契約し、送金した金の一部が渡った先とされているのが彼だからだ。問題のコンサル会社は、パパマッサタ氏を通じて国際陸連会長(当時)だった父ディアク氏に金を払い、アフリカ各国の国際オリンピック委員へ東京誘致の働きかけを促した疑いがある。
この件に関してJOCは関係者にヒアリングを実施した上で、16年に調査報告書を発表。報告書で、竹田前JOC会長が問題のコンサルと契約を結んだ理由の一つとして「電通の推薦があったから」と述べていたことが明らかになっている。
竹田前会長は今年3月に「不正なことはしていない」と潔白を表明しつつ、6月末に任期満了で退任した。
そんな中での今回のロイターの報道に、電通関係者は次のように動揺を見せる。
「社内では『万が一クロでも、日本では特例を除き民間対民間の金銭授受は違法とされていないので、竹田会長がフランスに行くことがない限り、身柄を拘束されることはない』という見方が強かった。そのため今回の報道を受けて『また新しい火種か』と社内には動揺が走りましたね。スポーツ関連のマーケティング、特に五輪は規模があまりにも大きく、関与している人間の数が膨大で何がどうなっているのかわかりません。仏当局が今後、どこから突っ込んでくるのか不安です。五輪開催までに新たなスキャンダルが公にならなければいいのですが」
■悲願の五輪開催には実弾が必要
電通は今回の東京五輪で各種マーケティング代理店を通じ、日本国内のスポンサーから約3300億円の協賛金を集めている。そんなビックビジネスだからこそ、電通にとって五輪招致は悲願だった。
「1988年の名古屋五輪構想と2008年の大阪五輪構想の敗因を電通は綿密に分析したようです。その結果、誘致の投票で票を得るのにはスポーツ界で影響がある人物と確実にコネクションをつくり、場合によっては実弾(金)が必要であることを学んだのではないでしょうか」
こう指摘するのは、東京五輪と電通利権に関して「電通巨大利権〜東京五輪で搾取される国民」(サイゾー)を上梓している作家の本間龍氏だ。
本間氏はロイターの報道を踏まえ、次のように語る。
「フランス当局の捜査が五輪から国際陸連まで及んだことで、事件の全容解明が二次元から立体的なものになってきています。その中で、電通の関与が具体性を帯びて浮かび上がってきている。電通が得意とするのは影響力のある人と人、人と金をつなぐコネクションづくりです。国際陸連の例を見てわかるように、『そういうコネクションを長年かけて構築し、適切なタイミングでセッティングしたのは誰なのか』というのが今回の事件を解明する重要なポイントです」
「そして五輪の件で言えば、薦められるまま契約を承認してしまった竹田前会長自身の責任もさることながら、そもそも彼にパパマッサタ氏とつながるシンガポールのコンサル会社をおぜん立てしたのが誰なのかという話です」
フランスと日本では法律が異なるため、日本では関係者の逮捕や強制捜査が行われることはないようだ。だが、今後もフランス当局から報道機関へのリークが頻繁に行われることは想像に難しくない。「電通そして日本が汚い手段で五輪開催を進めた」という悪いイメージは当面、ぬぐえそうにない。
ロイターの報道の事実確認と社としての意見を電通に文書で問い合わせたところ、電通広報部からは次のように回答があった。
「お問い合わせの件ですが、意見等は差し控えさせていただきます」
晴れの舞台のオリンピックに立ち込める暗雲が晴れる日は訪れるのだろうか。
(文=編集部)
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK265掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK265掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。