http://www.asyura2.com/19/senkyo264/msg/874.html
Tweet |
“TPP水準”という茶番劇 欺瞞とマヤカシの日米貿易協定
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260890
2019/08/27 日刊ゲンダイ 文字起こし
日本がベタ折れしたのが現実(安倍首相とトランプ米大統領)/(C)ロイター
日米貿易協定交渉は成功裏に進められているかのようだが、額面通りに受け取っていいものか。答えは否だ。
26日までフランス南西部ビアリッツで開催されていたG7サミットで、安倍首相とトランプ大統領は13回目の日米首脳会談を実施。その直前に行われた茂木経済再生相とライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表との閣僚級協議を受けて貿易交渉で大枠合意し、9月下旬の国連総会に合わせた日米首脳会談で協定署名を目指すと発表した。
安倍は「ウィンウィンな形で進んでいることをうれしく思う。両国経済に間違いなく大きなプラスになる」と手柄をアピールし、同行取材した大手メディアも「日米双方が歩み寄り」「農産品関税TPP並み」などと成果を上げたかのように報じているが、とんでもない。日本がベタ折れしたのが現実だ。
これまで明らかになっているのは、日本側が米国産農産物の市場拡大を受け入れ、米国側は自動車部品を含む工業製品で一定の関税を削減するということ。米国ではトランプが仕掛けた米中貿易戦争のあおりを受けた農家の不満が噴出している。その怒りをなだめるため、米国がせかしてきたのが農産物の輸出拡大だ。日本は牛肉や豚肉の関税をトランプが一方的に離脱したTPP水準まで門戸を広げる一方、米国は日本が求める乗用車の関税撤廃を見送った。
再会談で「トウモロコシ買うと言え」
支持者に向けた手土産を焦るトランプは、3時間後に異例の“再会談”を要請。日本の報道陣に知らせぬまま米国メディア相手に共同会見を開き、「我々は基本的に何十億ドルもの合意に達した」「安倍首相は米国産の余っているトウモロコシを買うことにも合意した」と得意満面でディールを並べたて、「〈トウモロコシを買う〉と首相の口から聞けたら、米国農家はもっとうれしいと思う」と安倍ににじり寄り。
虚を突かれた表情の安倍に「緊急な形で購入しなければならないと民間も判断しているので、協力できると思う」と言わせ、「よく分からないが、日本の民間企業は政府の言い分をよく聞くんだろう」とダメ押しする周到さだった。
新聞記者時代に首相外遊同行の経験のある政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「こうした国際会議の場で関係国のメディアにすら周知せず、首脳が共同会見を開くなんてあり得ません。日本の場合、官房副長官が同行記者に逐一レクをするのが慣例です。安倍首相サイドがトランプ大統領のペースに完全にのみ込まれていたのを象徴するような出来事。会談内容もひどいもので、貿易交渉のお粗末さは推して知るべしでしょう」
案の定の展開ではあるが、安倍は対中、対欧交渉で暗礁のトランプにやられたのか。骨の髄まで染み込んだ対米隷従でスリ寄ったのか。亡国交渉の結末を専門家はこう評価する。東大教授の鈴木宣弘氏(農政)は言う。
「日本側が差し出すばかりで、失うだけの貿易協定であることは間違いない。米国産牛肉や豚肉などの関税削減スケジュールをTPP参加国に合わせて早めるのは、“TPP超え”にほかなりません。協定の枠外としてトウモロコシの追加購入に応じたのも“TPP超え”です。そもそも、日本がTPPに参加する経緯や合意内容そのものが大問題だったのですから、TPP水準を守ったとすること自体がおかしいのです。しかも、米国は離脱前のTPPで合意した普通車25年、大型車30年後という気の遠くなるような関税撤廃でさえ反故にしようとしている。日米貿易協定で日本側が得るものはありません」
日米貿易交渉は国民愚弄の欺瞞とマヤカシに満ち満ちているのだ。
不透明な茂木ーライトハイザー協議(奥は安倍首相)/(C)共同通信社
TPP反対から一転、ゴールポストずらし常態化 |
TPP参加を言いだしたのは菅首相時代の民主党政権だ。当時野党だったアベ自民党は「TPP反対」を掲げ、選挙ポスターにも「TPPへの交渉参加に反対!」「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」と大書して気炎を吐いていた。そのくせ、政権復帰するとたちまち前言撤回。オバマ政権にTPP参加条件として日米並行協議をのまされ、米国のありとあらゆる要求に応じる仕組みを献上した。
ところが、2017年1月に大統領に就いたトランプは公約通りにTPP離脱を表明。すると安倍は「米国をTPPに引き戻す」とブチ上げ、米国抜きのTPP11妥結に前のめり。18年12月のTPP11発効が迫ると、貿易赤字解消に血道を上げるトランプはTPP復帰どころか2国間交渉でグイグイ押し始め、「日米2国間交渉には応じない」と言っていた安倍に日米貿易協定交渉を押し込んだ。
それが18年9月で、安倍政権はTAG(物品貿易協定)なる造語をこしらえ、輸入品にかかる関税の引き下げや撤廃のみを協議すると言い訳し、あらゆる物品やサービスを対象とするFTA(自由貿易協定)ではないと強弁。そうして今年4月から茂木―ライトハイザー協議が始まると、トントン拍子でコトは運び、交渉開始からわずか半年後に署名するというのである。
アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表の内田聖子氏はこう言う。
「再選で頭がいっぱいのトランプ大統領は日米貿易協定の早期妥結にこだわってきましたが、7月の参院選への悪影響を懸念する安倍政権の要請を受け入れる形で先送りに応じました。5月の国賓来日で〈8月に両国にとって素晴らしいことが発表されると思う〉と言っていた通り、参院選後に交渉は猛スピードで進み、大統領選に向けたアピール材料となる〈G7サミットで大枠合意〉〈国連総会に合わせた協定署名〉という米国主導のシナリオは見事に実現。日本が言いなりになっているからです。
共同会見でトランプ大統領がトウモロコシ追加輸出などの具体的な成果を口にする一方、安倍首相からは具体的な言及はありませんでした。つまり、日本が勝ち取ったものは何もなかったのです」
消えた捏造語「TAG」
ライトハイザーの説明によると、合意項目は▼農産品▼工業製品関税▼デジタル取引――の3分野。TAGの枠組みは吹き飛び、紛れもないFTA交渉だということも浮き彫りになった。
「TAGという呼称はすっかり消え、FTA交渉入りをごまかすために方便を使っていたのが明白になりました。国民に平気でウソをつき、それをごまかし、その場しのぎでさらにウソを重ねる安倍政権は姑息なやり方を延々と続けようとしているとしか思えません」(鈴木宣弘氏=前出)
やらないといっていた2国間協議、自動車で成果なしのTPP“水準”で「安堵」のお笑いなのである。大手メディアは相変わらず、安倍政権の言い分を垂れ流しだが、中でも露骨だったのがNHKだ。
日米首脳会談が行われた25日の午後10時50分のニュースで、〈日米貿易交渉 来月協定への署名目指す 安倍首相・トランプ大統領が会談で一致〉と速報テロップを配信。事実上の与野党対決だった埼玉県知事選を制した野党候補がバンザイする瞬間だった。菅官房長官や自民党の二階幹事長が応援に入った党本部丸抱えの選挙を落としたマイナスを和らげるための忖度なのか。三文芝居の演出に大メディアが全面協力のバカバカしさ。またまたペテン政権の茶番劇である。
もっとも、貿易交渉がこの水準でまとまるかは見通せない。トランプが狙う本丸は年間7兆円に上る対日貿易赤字の8割を占める自動車分野だ。自動車輸出への数量規制や追加関税に踏み切るリスクはくすぶる。
「再選第一のトランプ大統領は合意が得やすい分野のみの協定署名を先行させ、積み残しについては継続交渉を要求する公算が大。安倍政権はトランプ大統領に対し、脅かせば大きな取引ができるという成功体験を与えてしまった。票集めのために今後、米国がどんな仕掛けをしてくるか分かりません。早急な臨時国会の召集、国民への説明を求めなければダメです」(内田聖子氏=前出)
野党は何をやっているのか。
日刊ゲンダイ
— 但馬問屋 (@wanpakuten) 2019年8月27日
【欺瞞とマヤカシ、日米貿易交渉の国民愚弄】
『またまたペテン政権の茶番劇』
「やらないと言っていた2国間協議、自動車で成果なしのTPP“水準”で『安堵』のお笑い」
「三文芝居の演出に大メディアが全面協力のバカバカしさ」
#買って応援 pic.twitter.com/29UcUI871y
“TPP水準”という茶番劇 欺瞞とマヤカシの日米貿易協定 https://t.co/LWi9DG75a0 #日刊ゲンダイDIGITAL
— こじひかり (@kojihkari2) 2019年8月27日
【またまたペテン政権の茶番劇】欺瞞とマヤカシ日米貿易交渉の国民愚弄 やらないと言っていた2国間協議、自動車で成果なしのTPP水準≠ナ「安堵」のお笑い 三文芝居の演出に大メディアが全面協力のバカバカしさ 対中、対欧交渉で暗礁のトランプにやられたのか、すり寄ったのか...(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/6Pu1JiBzml
— KK (@Trapelus) 2019年8月27日
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK264掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK264掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。