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ともかく、この男が満を持して再登場してからの、この6年余りを振り返ってみればよい。
お隣韓国の、「左派・リベラル」から政権を奪い返した「保守」李明博政権が、自らの名から採った”MBノミックス”というキャッチフレーズを掲げ、”経済大統領”を前面に押し出して、国民の支持を獲得したのを観て右に倣ったのだろうが(笑)、民主党から政権を奪い返してやったのは、同じく自らの名を冠して、”アベノミクス”というキャッチフレーズを大々的に掲げ、大風呂敷の”経済成長”を前面に、全面的に押し出す。 その際、演出効果を最大限高めるの仕掛けがあらゆるメディアを通じて為され、書店にはアベノミクス礼賛本が溢れる。
「安保右派」本命の再登場を期すに当たり、前回の轍を踏まぬ様、此の勢力の総力を挙げて、周到に準備された感があるが、どう見ても、これはお笑い芸人のいう”つかみ”というやつであろう。
一時的にせよ、国民の耳目を集め、興味や関心を引き付ければいいのである。 そうして、一旦興味・関心を掴めば、後は、次々に、手を変え品を変え、目先を変えて、あたかも新しいステージに移って、兎に角、何か新しい事に取り組んでるというポーズを取り続けるーそれも絶え間なく。 ジックリと、国民が考える時間を与えない、判断する材料も与えない。 だから、大半の国民が、判断がつかぬまま、ポカンと、狐につままれたような気分で、次々替わる景色を眺めーさせられている、といったところか。 只々、何となく、「何かやってる」と感じさせればいいのである。
今井がその人かは知らぬけが、よほど周りに知恵者が居るのだろうー斯かる、詐欺と言うべき、極めてトリッキーな政治スタイルを、吉田徹は、その本質は「時間かせぎの政治」として、そこにみられる「期待値の操作」という政治手法を厳しく指弾している。 即ち、実際の成功を目指していない。むしろ、成功しないことの方が意味を持つ。なぜならば、永遠の不成功こそが、成功への期待を持続させることができるからだ、と。 「自ら実現を掲げるものが失敗する限りにおいて、自らは必要とされる」という訳だが、その為にも、常に「何かやってる」感を醸し出す事が肝要、ということだろう。
アベノミクス同様、それがてき面に、最も効果的に現れたのが「拉致問題」である。
この男が事実上主導権を握って16年、首相になってからさえ6年余り経つのに、この問題は1ミリも動いていないのである。
しかも、こうした事実さえ知らない人が殆どだろうが、少なくともそれまで、周辺諸国の中で、北朝鮮との対話のチャンネルやパイプが最も大きかったのは日本だったのだ!
ーにもかかわらず、この男が登場して以降、制裁に継ぐ制裁、圧力一辺倒で、それらを全て立ち切って仕舞う。
ーつまり、1ミリも動いていないどころか、明らかに後退したのだ!!
普通であれば、まともな理性の持ち主であれば、この男はハナから解決する気など無いと結論付けるであろうし、アベ路線の完全破綻を意味する「米朝接近」という新事態を迎えて、慌てて失態を取り繕うと、米国を筆頭に、周辺諸国にまでこの問題の打開を依頼しまくるなんて、怒りを通り越して、あまりにもみっともないと、呆れ果てるしかないはずだろう。 せめて、平沼騏一郎に倣って、「極東情勢は不可解」と、政権を投げ出してくれた方がどれ程良かったことか!
ところが、国民の方には、「米朝会談」に対しての執拗に繰り返された(電話も含む)日米会談でー常に「何かやってる」感を醸し出すことによってー真逆の効果を生むのである。 まぁ、アベの口車にマンマと乗せられた自分達の不明に思い至るのではなくそれを糊塗してくれるということもあるのだろうが、これなんか詐欺に遭った者が騙されてることに気付かないー気付きたくない!−という心理にソックリだと思える。 −どうせ私を騙すなら、死ぬまで騙して欲しかった、というところか。
ま、女というより、大衆にはそうした側面はあるとして、問題は、この「時間かせぎの政治」で、この男が何をやったのか?又やろうとしたのか?ということである。
「拉致問題」については既に明白なのだが、その意味を正確に理会する為には、70年代後半から80年代前半に掛けて起きた「拉致事件」と、小泉訪朝(02年)以降の「拉致問題」は全く別物と、分けて見る視点が必要である。
前者は「日朝国交樹立」に向けた動きを封じる為の謀略であり、後者は、戦後の民権型の日本から、敗戦以前の、国権型の日本への転換を狙って、新たにフレームアップされたものなのだ。
即ち前者の場合、「日中の次は日朝」とする田中派主導の動きを、「日中の二の舞はしない」とばかり、清和会に繋がる謀略勢力、「金大中拉致事件」(73)や「朴大統領暗殺未遂事件(文世光事件)」(74)の際に暗躍した、日米韓にまたがる安保マフィアの裏勢力(公安当局の一部も含む)により、その阻止の為に為されたものであることに対して、後者は、「憲法改正」「自衛隊国軍化」等、国権を回復する(アベの言う、日本を取り戻す、ねw)千載一遇のチャンスとばかり、その表部隊というべき勢力によって仕立てられたでっち上げであり、本当は一大フレームアップと見做されるべき性質のシロモノである。
そしてその意味で、結果的には、その一年前の、米国の”9.11”に比すべきものとなった、ということなのだ。
即ち「拉致」という行為自体が、極限にまで達した北朝鮮への敵愾心と憎悪、恐怖の入り混じった隣人への警戒感等、アメリカ国民にとっての”9.11”と同様の政治的効果を生み出したのである。 つまり、”9.11”が殆ど”ショックドクトリン”=惨事便乗or活用戦略として作動し、アメリカをいとも簡単に”対テロ戦争”に向かわせた様に、「拉致」も又、一連のイワユル「安全保障」関連の施策を推進する為の、またとない、極めて強力な追い風になったのである。
1昨年の”Jアラート”騒ぎを見られるがよい。 ミサイルが飛んで来る可能性なんて100%無いにも拘らず、80年前もかくやと思わせるが如く、コクミンは、唯々諾々と、黙って従ってくれるのである。 こんな便利で使い勝手の良いものを手放す訳があるまい! 何せ「拉致」「ミサイル」、北への恐怖をその都度喚起するだけで、打ち出の小槌の如く、「安保」右派の望む方に事態が動くのだから。
アベに「拉致問題」を解決する気なんざサラサラ無いし、上記の事由が、この16年、この問題が1ミリも動いていない理由である。 また、アベを2度に亘って登場させた理由でもあるのだ。
今年の「防衛白書」なる作文に見られる如く、「北朝鮮の脅威」はまだまだ使いでがある、いや、当面、それしかないのだろう。 核やミサイルについて、戦力的には比較にならない中国やロシアに対するよりも、”北の脅威”の方が遥かに(実感的で!)効果的だと判断してのことだろうからーそれ程までに、国民へのマインドコントロールは効いているということだ。
結論である。
これからも日朝関係が好転することはないであろう。 あるとすれば、日中関係が後戻りできない程悪化した時か、または権力の中心から清和会勢力が一掃された時ぐらいか? 無論、「拉致問題の解決」など金輪際在り得ないのである。 「家族会」こそいい面の皮だと感じる人も居るだろうが、こ奴らこそアベの親衛隊、宣伝要員として、「問題」の本質を見えなくする役目を担ったのであり、その果たした犯罪的役割は徹底的に糾弾されて然るべきであろう。 実質的に、アベ詐欺の片棒を担いだのだから。
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