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改憲だけは阻止した参院選 与党過半数でも波乱の予兆<上>
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/258800
2019/07/22 日刊ゲンダイ ご満悦の安倍首相(右)と二階幹事長/(C)日刊ゲンダイ
こんなに盛り上がらなかった国政選挙も珍しいのではないか。令和初の参院選は、24年ぶりに50%を割り込む歴史的な低投票率に助けられ、政権与党が過半数を維持する結果に終わった。 さっそく安倍首相はドヤ顔で「安定した政治を支持してもらった」と勝利宣言だが、有権者から逃げ回るような選挙戦を展開しておいて、よくそんなエラソーなことが言えたものだ。 選挙期間中、安倍は遊説日程を徹底秘匿。全国各地での街頭演説は、広く有権者に主張を訴える絶好の機会のはずなのに、「ステルス遊説」でコソコソ全国を回る情けなさだ。 選挙戦最終日の恒例になっている東京・秋葉原での演説も、異様な雰囲気だった。各地から動員した1万人以上の自民党支援者で周りを固め、300人近い警察官が警備にあたる厳戒態勢。現場では「安倍やめろ」コールのうねりも起きたが、「こんな人たち」の声は遠ざけられてしまった。 全国各地で、安倍の演説にヤジを飛ばした有権者が警察官に排除される前代未聞の事態もあった。 ◇ ◇ ◇ 身内の前でしか演説できず、警察官に守られてヤジを封じ込める総理総裁。政権与党のトップが一般有権者の前に堂々と出てこられない。こんな異常な選挙戦でも、歪んだ政権が楽々過半数だからやりきれない。 「やることなすこと裏目に出て、経済も外交も失政続きの安倍政権は、本来ならとっくに退陣していておかしくない。それなのに、今回も過半数を確保できたのは、ひとえに有権者の半分が棄権した低投票率のせいです。全有権者のうち、自民党に投票した人は2割程度に過ぎない。5人に1人しか支持していない政権が『勝った』とデカイ顔をして、全権委任されたような気になっている。この選挙結果をカサに着て、安倍政権の民意を軽んじる姿勢にますます拍車がかかることは確実です」(政治評論家・野上忠興氏) つくづく絶望的な気分になってくるが、せめてもの救いは、有権者が改憲勢力による参院の3分の2議席占拠を阻止したことか。この国の民主主義は、かろうじて首の皮一枚でつながった。 負けてもニンマリ(立憲民主党の枝野代表)/(C)日刊ゲンダイ
この参院選で際立ったのが、野党の不甲斐なさだ。掛け声だけの中途半端な野党共闘で、やりようによっては勝てる選挙区をいくつも落とした。 32ある1人区で立憲、国民、共産など野党5党が候補を一本化したものの、野党は10勝に終わった。3年前は勝利した福島や山梨で与党に競り負け、前回参院選の11勝を下回る戦績だ。立憲の枝野代表は「野党共闘は大きく前進した」と強がっていたが、どう見ても後退だ。 「共闘は候補を一本化さえすれば済む話ではなく、そこがスタートです。野党第1党になることが目標の立憲が選挙直前まで野党共闘に消極姿勢だったため、1人区で野党は出遅れてしまった。新人はただでさえ名前が浸透するまで時間がかかる。もっと早くから候補を一本化して野党が大同団結して戦う環境をつくらなければならなかった。複数区にしても、野党内での調整もすみ分けもなく、自分たちの都合で候補を擁立したのは戦術ミスとしか言いようがありません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏) 議席を大幅に伸ばした立憲は内心ほくそ笑んでいるのかもしれないが、敵は自民党なのだ。野党同士で足の引っ張り合いをしているようでは話にならない。 複数区でも共倒れが目立った。象徴的なのが大阪選挙区だ。4議席を維新2議席、自民、公明と与党系で独占。共産現職と立憲新人は票を食い合い、4人区なのに野党系候補は1議席も獲得できなかった。3人区の兵庫でも野党票が分散し、改憲勢力の自公維で議席を埋める結果を招いた。 “民主王国”の北海道(改選数3)でも、自民2議席を許す体たらくだ。 「年金問題や消費増税、ホルムズ海峡の有志連合への参加など、争点はいくらでもあるのに、与党は問題を先送りし、野党は対立軸を明確にできなかった。国民からすれば、何を基準に投票すればいいのか、非常に分かりづらい選挙だったと思います。それが歴史的な低投票率に表れている。有権者の興味・関心を喚起できなかったことは、野党の責任です。形だけの共闘でお茶を濁し、本気で戦う姿勢を見せないから負けたのです」(角谷浩一氏=前出) 既存野党がこの体たらくでは、エッジの利いたれいわ新選組に関心が集まるのも当然だ。 芸能ニュースが席巻(ジャに―喜多川氏〈享年87〉の訃報を報道するテレビ)/(C)日刊ゲンダイ
それにしても、全く盛り上がらない選挙戦だった。期日前投票は参院選では過去最多の1706万2771人に上ったが、投票率は戦後2回目の50%割れ。政治不信が直撃した1995年の44.52%に次ぐ48.80%に低迷した。この国を私物化し、劣化させる安倍政権に審判を下す選挙で、空前の低投票率というマンガである。 組織票を握る自公与党に有利な状況をお膳立てをしたのは、テレビを中心とする大メディアだ。公示以降、選挙そっちのけでテレビがこぞって垂れ流していたのが、ジャニー喜多川氏(享年87)の訃報や吉本興業の闇営業騒動だった。法大名誉教授の須藤春夫氏(メディア論)は言う。 「都合の悪い情報に神経をとがらせる安倍官邸の脅しに屈した印象です。総務省に許認可権を握られているテレビ局は、14年の衆院選で自民党から『選挙期間中における放送の公平中立』を求められ、16年には総務大臣が停波を示唆するなど、露骨な圧力を受けてきました」 テレビ番組を調査・分析するエム・データ社によると、地上波のNHKと在京民放5社の参院選報道は激減。公示日の4日から15日までの選挙に関する放送時間は計23時間54分で、3年前に比べ6時間43分も減少した。特に「ニュース/報道」番組の減少が目立ち、全体で約3割減、民放に限っては約4割も減らしているという。 テレビが報じなければ、選挙が盛り上がるはずがない。 「投票行動の判断材料となる情報発信を怠ったテレビ局は言語道断ですが、そもそも、この参院選の捉え方がハナからズレていました。安倍首相が選挙戦でかつてないほど憲法改正を前面に打ち出す一方、イラン問題の深刻化によって日本も米国主導の有志連合への参加を求められている。安倍政権がゴリ押しした安保法制によって、集団的自衛権を行使する可能性が浮上し、戦後日本の転換点に直面しているのです。にもかかわらず、この問題にも向き合おうとしなかった。表現の自由を放棄するメディアは、民主主義をないがしろにする安倍官邸に手を貸したも同然です」(須藤春夫氏=前出) それが投開票日は横並びで選挙特番を編成。選挙中はアベ政治を真正面から批判する「れいわ新選組」の山本太郎を完全スルーしていたのに、引っ張りダコで大騒ぎする茶番である。
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