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民主主義が生きるか死ぬか ― それが選挙にかかっている。(澤藤統一郎の憲法日記)
http://www.asyura2.com/19/senkyo263/msg/278.html
投稿者 肝話窮題 日時 2019 年 7 月 16 日 00:00:13: PfxDcIHABfKGo isyYYouHkeg
 


寒く、じめじめした、陰鬱な日が続くが、季節はまぎれもなく夏である。暑中見舞いをいただいて、すでに小暑であることに気付く。七十二候では「蓮始開」の侯。

全国の自由法曹団や青年法律家協会系の法律事務所から、暑中見舞いを兼ねた事務所ニュースが届く。いずれも力作で、楽しく目を通す。

カラー印刷のレイアウトに凝ったものが多い中で、珍しく単色の無骨さが却って目立つのが、横浜合同法律事務所の事務所ニュース。

表紙に大きく、「暑中お見舞い申しあげます−憲法を護るための選挙の夏です」と書き込まれている。その下に、所員のメーデー参加時の集合写真(モノクロ)が掲載されている。大きな横断幕には「守るべきは、平和で安全な暮らし〜安心して生活するため、憲法9条をいかそう〜」というスローガン。「憲法9条を守ろう」ではなく、「憲法9条を活かそう」というのが、いかにも法律事務所らしい。

最初のページに、「民主主義を機能不全にしないために」という、小口千恵子弁護士の論稿。「民主主義の死」の危険を警告して刺激的である。

    かつて民主主義は革命やクーデターによって死んだ。しかし、現代
   の民主主義の死は選挙から始まる。選挙というプロセスを経た強権的
   なリーダーが、司法を抱き込み、メディアを黙らせ、憲法を変える。
   『合法的独裁化』が世界中で静かに進む。これがハーバード大の2人
   の教授著の「民主主義の死に方」で指摘されている内容である。

    安倍政権は、これまで国政選挙で5連勝してきた。……その結果、
   国会の討論が機能しなくなり、内閣に不利な情報は隠蔽・改ざんされ、
   忖度が横行し、最終的には数を頼んでの強行採決で法案が成立し、一強
   政権がますますのさばる結果となる。

    前述の文献では、民主主義は、「相互的寛容」(競い合う政党がお互
   いを正当なライバルとして受け入れる)と「自制心」(節度をわきまえ
   る)ことで成り立っているとされている。しかし、沖縄の辺野古問題で
   も明らかなとおり、安倍政権の下では民意は顧みられることもなく、国
   会の多数決原理のみ強調されて民主主義の根幹が無視され続けている。

    独裁者を抑制するためには、独裁者に有利となるような制度に作り
   替えさせてはいけないし、また、民主主義の砦として人類の英知を結
   集して作り上げた憲法を独裁者のために献上してはならない。独裁者
   の暴走を許さず民主主義を守るために、来る国政選挙において、その
   ための投票行動が求められている。


「民主主義の死に方 ― 2極化する政治が招く独裁への道―」(原題“How Democracies Die”、スティーブン・レビツキー、ダニエル・ジブラット共著)は、濱野大道訳で、昨年(2018年9月)新潮社から出版されている。新潮社自身が、「司法を抱き込み、メディアを黙らせ、憲法を変える――。日本にも忍び寄る危機。」とキャッチを書いている。

新潮の惹句は、次のように続けている。
https://www.shinchosha.co.jp/book/507061/

   世界中を混乱させるアメリカのトランプ大統領を誕生させ、各国でポ
   ピュリスト政党を台頭させるものとは一体何なのか。欧州と南米の民
   主主義の崩壊を20年以上研究する米ハーバード大の権威が、世界で
   静かに進む「合法的な独裁化」の実態を暴き、我々が直面する危機を
   抉り出す。全米ベストセラー待望の邦訳。


この書については、「論座」に、堀由紀子さん(編集者・KADOKAWA)の的確な書評がある。

https://webronza.asahi.com/culture/articles/2018111900005.html

その一部を引用させていただく。

    言わずもがなだが、民主主義は民衆が主権の国家のことで、対義語は
   独裁主義だ。民主主義は崩壊し、独裁主義となる。その転換が、クーデ
   ターなどの劇的なものであれば、両者の入れ替わりはわかりやすい。

    しかし本書によれば、民主主義は、「多くの場合、見えにくいプロセ
   スによってゆっくりと侵食されていく」。クーデターが起きるわけでも、
   緊急事態宣言が発令されるわけでも、憲法が停止されるわけでもない。
   選挙によって選ばれた政治家が、民主主義を少しずつ崩壊させて、憲法
   を骨抜きにし、「合法的に」独裁者となって君臨するというのだ。

    こういった独裁者の登場を防ぎ、民主主義を護るために憲法は存在す
   るのだが、著者たちは、「憲法は常に不完全だ」と言い切る。どれほど
   しっかりしたと思われる憲法であっても、恣意的な解釈や運用が可能な
   ため、それだけでは民主主義は護れないという。

    ではなにが民主主義を護るのか。それは「相互寛容」と「組織的自制
   心」の2つだという。

    「相互寛容」とは、対立相手を自分の存在を脅かす脅威とみなさず、
   正当な存在とみなすこと。つまり、「政治家みんなが一丸となって意見
   の不一致を認めようとする意欲のこと」だ。

    もうひとつの「組織的自制心」は、厳密には合法であっても、明らか
   にその精神に反するような行為は行わないようにすること。丁寧な言動
   やフェアプレーに重きを置き、汚い手段や強硬な戦術を控えなければい
   けないということだ。

    ちなみに、この本の中では、日本のことは触れられていない(池上彰
   さんの巻頭解説を除いて)。しかし私は、今の日本との相似性を意識せ
   ずに読めなかった。カバーにある言葉、「司法を抱き込み、メディアを
   黙らせ、憲法を変える――。『合法的な独裁化』が世界中で静かに進む。
   全米ベストセラーの邦訳」をどう感じるだろうか。空気のように当たり
   前の民主主義を次世代に渡していくために。本書はその大きな手がかり
   をくれる。


 民主主義の土台であり、民主的政治過程の出発点でもあるのが選挙であったはず。だからこそ、民主主義の実現を望む多くの人びとが、普通選挙制度の獲得に文字どおり身を呈し、権力者がこれを妨害してきた。ところが今、「現代の民主主義の死は選挙から始まる」と言われるに至っているのだ。

「司法を抱き込み、メディアを黙らせ、憲法を変える」。これは、まさしく、安倍政権の悪行を指している警鐘ではないか。安倍政権こそが、すでにそこにある「日本の政治的危機」ではないか。

来たる参院選は、憲法の命運がかかっているだけではない。民主主義の生死さえかかっているのではないか。次の選挙を、「民主主義の死」の第一歩としてはならない。

(2019年7月15日)

http://article9.jp/wordpress/?p=12964  

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コメント
1. 2019年7月16日 08:21:44 : LY52bYZiZQ : aXZHNXJYTVV4YVE=[2061] 報告
徴兵制復活は安倍首相の念願! 昔から
.
新 ch政経
2019/07/15 に公開
https://www.youtube.com/watch?v=87TJXbvCe-c
2. ひでしゃん[2218] gtCCxYK1guGC8Q 2019年7月16日 16:01:50 : hjTsd0XdN2 : cjBvbUFUQmVNSUE=[114] 報告
主権者である国民一人一人が民主主義の担い手としての資質を培って行くしかないのだが
確かに寄らば大樹の陰といいつつ惰性で生きる
泣く子と地頭には勝てぬと権力者に黙り込むだけ

結局現在の日本社会がアメリカ軍の支配下でがんじがらめに締め上げられているから
国民が窒息死衰弱死に向かっていることを自覚出来ずにいる
安倍晋三自公政権が日本国民のための法律を一つでも作ったか?
日米合同委員会で官僚が駐留米軍から命令された政策課題を狡猾な世論操作を背景に国民が認識しないようにしながら成立させる
成立後にもっと丁寧に説明すべきだったと反省した振りをする
が 国益を一切顧みないアメリカからの内政干渉でしかないのだから
元々説明出来ない不可能な内容の代物ばかりである
憲法について基礎的理解が出来ていない安倍晋三が憲法改正を主張すること自体厚顔無恥も極まれり
と愕然とするばかり
我々が生きているうちに
日本国が対米自立出来るか
今度の参議院議員選挙で 屈辱の象徴 日米安保を破棄し独立国として生きる方向へ舵を切るための第一歩にしたい

3. 2019年7月16日 18:35:23 : 1RsW1vRqC2 : VC5KMHNUMDNQeXM=[8] 報告

>>2 のような奴がいるから、余計に自民党が勝つと、まだ分かってないな。

4. 2019年7月16日 19:12:07 : D0QUl32qUN : OWczZmhIbUhDL3c=[1270] 報告
もう既に 土俵を割った 民主主義
5. 2019年7月16日 19:47:46 : m4FcEgCTIo : cTZSOWV1YUdPVE0=[9] 報告

まあ日本は、日本人が民主主義を望んでいないからなあ。

民主主義になった方が、アメリカに負けたってことになりそ。

でも日本人は、民主主義は拒否しているけど、自由主義(旧自由主義)肯定ではあるよね。

1922年の日本共産党設置綱領用語では、「ブルジョワ民主主義」と書かれた当時のままの自由主義。

6. 2019年7月16日 20:11:54 : m4FcEgCTIo : cTZSOWV1YUdPVE0=[10] 報告

liberalと書くけど、自由主義と呼んだり、資本主義と呼んだり、ブルジョワ民主主義と呼んだり、、、

日本において「リベラルの定義」は、難しく難しく紹介されてきた。

そこで日本人は、自由主義を「フリー」と誤解している。

もともと言語上のリベラルの定義は「曖昧」とか「鷹揚」という意味で、「国家行政側から制約を受けない」という語彙だ。

じゃあ誰が?

当然だが、主語は平民ではない。

「国家行政側から制約を受けない」と国家行政に反抗した者たちこそが、左翼の語源である議会制左派。

すなわち議員席を議長席から見て、左側に用意された議員の人々、および、その議員たちを議会に送り込んだ人々を指す。

それは、近代ヨーロッパの歴史において、カールマルクスからbourgeoisと呼ばれたliberalな人たち(資本家)のことだ。

今、日本の主権者は、このbourgeois/liberalな人たち、要するに旧自由主義者です。

旧自由主義者の敵は、2タイプあって、、、


1つ目の天敵は、マルクスによって、それまでキリスト教司祭でなければ、国家形成されなかった定義を大転換させることで結成宣言された共産党。

非宗教の国家とは、民族のうちより頭の良い少数派の下で、頭の良い少数派の独裁に従って、bourgeoisを倒して建国するのだ!と言うわけ。

頭の良い少数派(労働者のうち高級層)をプロレタリアートと呼び、これが国家を独裁することでブルジョワ民主主義者であるリベラルを退治する。


2つ目の天敵は、ブルジョワ民主主義は、国家からは自由になっても良いが、国際ルールを逸脱することは許さないよ!と言う、、、

ブルジョワ資本が、まったくの自由気ままを謳歌することを禁じ、国際間のルールの下で拘束しようという勢力の台頭。

すなわち新自由主義が、西側諸国を中心に国際スタンダードとして力を付けてきた事。


今時、この辺、途上国の一般人でも何も見ないでも語るのに、日本では政治家から官僚に至るまで、語れない国民ばかりで、、、

そりゃ当然、民主化なんて不可能だよな。

民主主義の意味が分かってないのに、民主主義に出来るわけがない。


7. 2019年7月16日 20:23:09 : m4FcEgCTIo : cTZSOWV1YUdPVE0=[11] 報告

これで、現在の日本でのブルジョワジーに相当する者が、斯く言う「経団連のうち電気事業連合会」と「記者クラブ&NHK」であると、理解できた人は、一歩進化できたはず。

1レベルUP!

それでは、カールマルクスがブルジョワジーを倒すため、結成を呼びかけた高級労働者(プロレタリアート)とは、現在の日本で相当する地位を何と呼ぶ?

これが「連合」および「官僚」だと理解できた君!

もう1レベルUP!

8. 2019年7月16日 20:32:53 : m4FcEgCTIo : cTZSOWV1YUdPVE0=[12] 報告

最後に。

カールマルクスは、プロレタリアトとはブルジョワジーと戦って滅ぼすために結社を呼びかけたわけだけど、、、

プロレタリアトが、ブルジョワジーと戦わず、プロレタリアトとブルジョワジーが共同生産を可能にする事で、諸国民(外国)との融和を拒否して存立しようとする形態を何と呼ぶ?

「共同生産を可能に」とは?

Con(共に)

Seaver at(生産を)

Tive(可能に)

conservativeと書く。

プロレタリアトすなわち「官僚と労働組合指導層」が、、、

ブルジョワジーすなわち「電気事業連合会や記者クラブ&NHK」とCon(共に)Seaver at(生産)Tive(可能に)している共産体制を何主義と呼びますか?


分かった人は、もう1レベルUPです。

9. 2019年7月16日 20:53:12 : m4FcEgCTIo : cTZSOWV1YUdPVE0=[13] 報告

答えは、国家社会主義。

共産主義とは、国家社会主義の経済概念です。

ちなみに、日本共産党は、共産体制が国家社会主義として一時完結したのち、、、

その共産国家の独裁者たちは、国家社会主義から国際社会主義に脱皮する事で、国家は滅失し、真の社会主義が成立するとのゴールを引いた。

いったん国家社会主義として完成した国家群が、国家の役割を終え、滅び、諸国民による国際社会主義体制が敷かれた状態を目指すイデオロギー、、、

それを scientific socialism(科学的社会主義)と呼んだんだけど、日本人は、当の共産党員でさえ、それを知らない。

10. 2019年7月16日 22:45:36 : J7jOPxcnyu : azhPV2s0bWtHMnc=[13] 報告
望月衣塑子記者や前川喜平氏ら、安倍政権の圧力について語る。

映画「新聞記者」公開に合わせ

https://www.youtube.com/watch?v=WlxLehRWgbE

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