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私は引き続き、選挙などには一切期待しない
非民主的≠ネ政治制度の希望に満ちた可能性
外山恒一 ファシスト
論座 2019年07月12日 より無料公開部分を転載。
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2013年参院選では、白いバンに乗って九州から北海道まで、自民党を「ほめ倒す」ツアーを実施した=2013年7月20日
■「おいちょっともうサバルタンは黙ってろ!」
ちょっと前(00年前後あたり?)には左翼方面のインテリの方々は眉間にしわを寄せて、「サバルタンは語ることができるのか?」などと深刻そうに考え込んでいた印象がある。
私は、大抵のことは耳学問かせいぜい新書レベルの入門書で済ませる、絵に描いてギャラリーに展示したような典型的亜インテリ≠ネので、名前からでは性別も国籍も予測しづらい謎の外人さんの、たぶんどこかの難解書房から出ているのに違いない本をわざわざ読む労はもちろん惜しみまくって、しかしそこは耳学問の大家=Aサバルタンというのは要するに、自分が置かれた状況を自分で認識(まして説明)することもできないぐらい(つまりそんなスキルというかガクを身につけること自体が不可能なぐらい)下の下≠ノ置かれた最下層人民のことであるらしいと見当をつけ、語ることができない#゙らになり代わって発言することにどうしてもなりがちな左翼インテリ諸氏が、そのことの是非とか、他に道はないのかとか、そもそも本当に代弁≠オえているのだろうかとか、あれこれ思い悩んでいるのだろう、左翼であり続けるというのも(そういう良心的ポーズを見せつけ合うことによるマウント合戦で)大変だなあと同情していた。
そして想像するに現在、もはや彼らはそうした一種の余裕を失って、少なくとも本音では叫び出したいに違いないのである。「おいちょっともうサバルタンは黙ってろ!」と。
私のサバルタン@揄が正確かどうかはともかく、下層階級が言葉を持たない≠フは普遍的に云いうる、単なるミもフタもない事実である。ここで云う下層とは第一義的にはもちろん文化的下層のことで、はっきり云ってしまえば勉強ができない$lたちとほぼイコールと考えてよい(得意・不得意の話であって学歴≠ヘ必ずしも関係ない。私なんか文化的には超上層だが、学歴は中卒だ)。
https://image.chess443.net/S2010/upload/2019070400008_4.jpeg
『サバルタンは語ることができるか』の著者で米コロンビア大教授のガヤトリ・C・スピヴァク氏
自分が置かれている状況を適切に言語化するには一定の読み書き≠フスキルがまず前提的に必要であることは云うまでもない。社会科学的な素養も必要だろうが、それは言語化の模索の過程で自然に身につきもするし、身につかないような人は要するにそもそも勉強ができない<^イプの人である。そして、読書感想文≠ネどでたかだか原稿用紙4、5枚を埋めるにも地獄のような苦しみを味わってきたであろう彼ら文化的下層階級に、広く世間に向けて自らの見解を発信することなど、ただ当たり前に不可能だったにすぎない。
もちろん、IT革命以前は、だ。
■そもそも人民というものは相当アレである
本来はそうした意見表明の資格(あえて資格と云ってよいはずだ)を持たないし持つべきでもない下層人民が、今やネット上で日々、好き放題に意見≠轤オきものを表明しまくっている。いわば語りえない≠ヘずのサバルタン≠ェ、文明の力に支えられて語り散らしている¥況であると云える。
もちろんこれは民主主義的な解放≠ナある。
左派やリベラル派が度しがたいのは ・・・ログインして読む
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https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019070400008.html
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- [書評] 『改訂版 全共闘以後』 外山恒一 著 (朝日新聞社 WEBRONZA) 肝話窮題 2019/7/13 19:59:19
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