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今週7月1日の拙稿「日本の政治が腐ってしまった本当の理由 - 2章 『すっかり破壊されてしまった三権分立の原則』」に意見を述べさせて頂いたがまさかその日に投稿で指摘していた実情を目撃するとは...正に悪夢である。原理主義の司令塔が行政府と共にそのイデオロギーに基づいて国政を動かしている事がはっきりしてしまった。この日、政権の広告塔である日本経済新聞電子版が以下いち早く報じていた。「韓国への輸出規制を強化、政府発表 韓国は対抗措置も」と言う記事[1]である。その中で「政府は1日、韓国への半導体材料の輸出規制を厳しくすると発表した。」日本の社会で政権与党は嫌韓を人々に煽動しそれを風潮として作り出し政治的に利用しているのは皆さん御存知だと思うが、この煽動が経済界にも波及して来た事は小生のとって非常にショックなのである。それは、原理主義の司令塔が叩く憲法改正を奮い立たせるドラムのビートがかなり速くなって来ているのを肌で感じるからである。ドラムのビートに合わせ強欲な原理主義者達がメディアに露出する頻度が高くなって来ておりその発言内容が一段と濃くなって来ている事実。既に2章で参照した菅野完氏の「日本会議の研究」80ページに「●ついに始まった、日本会議による改憲への『カウントダウン』」とあるが全ての事が原理主義の司令塔の筋書き通りに進んでいると言う事。
個人的には二大政党下で憲法改正に向けた議論を行う事に対してはやぶさかではない。悪い所があれば修正して行く事は勿論の事である。
処で小生が大学の政治学科で教えていたとしたら研究室の学生を2つのグループに別け一週間と期間を区切って、一方は憲法改正の実現法を下調べの上シミュレートさせ、他方には憲法を死守する方策をシミュレートさせる。そして双方のグループで綱引きさせて議論を戦わせる。これは非常に知的に面白い内容になるだろう。でも日本の大学でこの様な事をやる柔軟性あるのかな?しかしこれは深刻な現実問題なのである。既に原理主義のアーキテクトは憲法改正実現の方策を何十年前に設計し、今までその設計図通りに実行して来た訳。立法府に議員を送り込んでいる政党で憲法を守る事を党是とする党が一同に集まって憲法を守る方策を、今に至るまで練った事が無い事は今の国政の惨憺たる状態を見れば誰でも判るだろう。野党間で考え方の違う政党と敵対し憎しみ合う。これも以下述べる原理主義のアーキテクトの策にハマった政治屋さん達。人々が苦しむ時代に光をさし込ませる様に時代を切り開こうとしない、大胆さもない心の狭い政治屋の面々。
前置きが長くなった。これからどの様な方策があるか双方の立場より列挙してみる。(尚マキュアベリの君主論や孫氏の兵法は参考にしておりません):
■まず敵と味方を峻別する
■人材を育てる
■方策を順序化しタイムテーブルを作り優先順位を付ける
■身内の人材を選別し公共的中立的な組織に送り込み勢力下に置く
■味方には利権利潤特権を与える。特に財界
■敵味方どっちに転ぶか判らない勢力をこちらに引き寄せる
■敵を徹底的に壊滅させる、懐柔策を行使し無力化させる、お互いいがみ合わせる、囲い込む。日本では二大政党制さえも無くなった
■敵にスパイを送り込む、弱みを握る
[福次的方策]
■(改憲派のみ)経済の活力をそぐ。バブルの時代の頃には皆が潤っていたので憲法改正なんて誰一人考えていなかった。窮すれば鈍する
■(改憲派のみ)国内における教育及び知的水準のレベルを下げて人々から考える力を奪う。テレビ雑誌等の内容を愚者好みにして、人々を愚民化させる。小学生達がオンラインゲームに夢中になっている時代だ
■(改憲派のみ)時間をかけて皆が変化が判らない様に、方策を少しづつ実行する。茹ガエル戦法
■(改憲派のみ)ニュース機関等のメディアをコントロールし、人々に原理主義の司令塔から送り出される改憲戦略になびく様な風潮を造る。不都合な真実に関するニュースには制限を与え都合の良いニュースに情報を偏在させる事で可能
■(改憲派のみ)知る権利の徹底的な制限。とても大事な事が隠される。どうでもよい事を大げさに報道し人の心を占有させてしまう事。即ち人々から客観性(物の見方とか)を奪い、主観を植え付ける
■(改憲派のみ)メディアは人々の誘導の道具。「日本の10〜20代は内向き 留学や海外生活望まず」2019年6月2日の日経電子版のニュースである。[2]この様なニュースに接した若者が「あ、そうなんだやっぱり内向きだったんだ」と思い込ませその風潮に同調し、自ら殻を打ち破れない保守的な気持ちを生じさせる。移動しない、出不精。違った文化を見ようとしない。別世界から日本を見ない、大きく国際情勢が見れない。改憲マシンは若者に世界の事を知らせたくない訳。風潮が自由に創れるのである
■(改憲派のみ)群衆行動のパターン分析。特に日本中のどの家庭から及びどの携帯から何処のウェブの記事を何分間見ていたか等、厳密な個人の政治嗜好の調査集計を行い政治の風がどちらに吹いているかを鳥瞰し、メディアを通してその流れを変える様手立てを行い群衆を誘導する
■(改憲派のみ)政権に対し、発言する事に脅しや懲罰などの恐怖心を植え込み発言する人間を萎縮させる。例としては特定秘密保護法
■(改憲派のみ)奥歯に物が挟まった様な表現を多様し物事をストレートに言わない。社会から単刀直入さを抹殺した上軟弱にさせて攻撃性を奪う事。実体を見えなくさせる事。常々疑問として思うのだが、一番最初の段で「政府は1日、韓国への半導体材料の輸出規制を厳しくすると発表した。」とある。この「政府」の定義は一体なんなの?マスコミの皆さんもう何十年も間違ってこの用語を使っているのではないか?私は「政府」とは"The Government"即ち立法行政司法の内特に行政府と理解しているのだが。このニュースの主語は「政権と行政府]と言う言葉が適切ではないのか?日本のジャーナリズムは地に落ちた。読売新聞英語版にはきちんと主語が書かれている。経済産業省が主語: "The Economy, Trade and Industry Ministry announced Monday that the government will more tightly control exports to South Korea of chemicals used in producing semiconductors and other devices."[3]
個人的な感想として断っておく。原理主義の司令塔は財界と協力し経済的に市民を徹底的に搾り取った上不満を外に向けさせて、人々に投票は無駄と洗脳。その上で政権を維持し続ける仕組みを築き上げた。がその後がある。私には次の二つのうちどちらが先に実行されるのか判らない。1) 「憲法改正」 2) 「米国から貰い受けていた核兵器の設計図を元に一週間で核兵器を造り上げ、核実験に持ち込む」。一度日本が核実験をしたらもう引き返せない。完全な平和憲法の死を狙っている訳。(政権の力が余りに強大なので残念ながらその設計図が行政府にあるかどうかの情報は国政調査権を実施しても出て来ないだろう。がその価値はある)。そしてあの大戦の苦しみを通して築き上げて来た平和国家を捨てて、軍事大国として不死鳥の如く瀕死の状態から日本を復興させるシナリオが用意されているに違いない。
この章の最後にあたり: 日本会議のイデオロギーと憲法改正の実現手法が日本全体に害を与え続けて来ているのである。足並みが揃わない野党の党首達に告ぐ!一丸となって憲法を死守する方策をシミュレートする度量は無いのか?
参考文献等:
[1] "韓国への輸出規制を強化、政府発表 韓国は対抗措置も," 日本経済新聞のウェブ, 2019/7/1,
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46789890R00C19A7EAF000/
[2] "日本の10〜20代は内向き 留学や海外生活望まず," 日本経済新聞のウェブより, 2019/6/2,
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45589930S9A600C1CR8000/
[3] "Japan to effectively ban exports of semiconductor materials to South Korea,"
"The Japan News by The Yomiuri Shinbun," 2019年7月4日,
http://www.the-japan-news.com/news/article/0005845877
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