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トランプ外交柔軟性との日本外交の劣化
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2019年7月 1日 植草一秀の『知られざる真実』
大阪のG20首脳会議で注目されたのは米国のトランプ大統領の行動だった。 米中協議と米朝協議、イラン情勢に世界の関心が寄せられている。 このなかでトランプ大統領がどのような行動を示すのか。 米中貿易戦争は昨年3月に本格的な火蓋が切られた。 米国が仕掛けた戦争である。 中国は全面的な譲歩を示してきたが、5月5日のトランプ大統領ツイートから情勢が変化した。 中国が一方的な譲歩をこれ以上示さないことを明示したのである。 米朝協議は本年2月末の第2回米朝首脳会談が物別れに終わったあとで膠着状態を示していた。 当然のことながら、拉致問題は置き去りにされたままである。 米朝協議が今後どのように進行するのか、不透明な状況が広がっていた。 米国とイランの緊張関係は高まり、安倍首相のイラン訪問で問題が拡大してしまった。 イランと米国が一触即発の状況にまで事態は悪化したのである。 日本で開かれたG20会合だったが、日本の存在感は皆無だった。 G20開催に先立ってトランプ大統領が日本を訪問したが、安倍首相は接待に全神経を注ぎ、日本外交に何ひとつの成果をももたらすことができなかった。 日露外交では得点どころか大量失点の失態を演じている。 トランプ大統領は米中首脳会談で、米国の全面的な方針転換を告げた。 ファーウェイに対する禁輸措置を撤回した。 同時に、中国の対米輸出3000億ドルに対する制裁関税発動を凍結した。 本ブログ、メルマガで予測してきたとおり、米国が白旗を揚げた。 中国と米国の置かれている状況を冷静に洞察するならば、米国が引き下がらざるを得ない状況にあった。 したがって、米国の全面譲歩は合理的に予想される事態であった。 しかし、それよりもさらに重要なことがらが確認された。 それは、トランプ大統領が「柔軟性」を保持していることが確認されたことである。 中国に対して明白な拳を上げたのはトランプ大統領である。 トランプ大統領が面子にこだわる人物であるなら、上げた拳を下げることに躊躇する。 しかし、トランプ大統領は極めて臨機応変に対応を変えた。 この「柔軟性」が保持されるなら、2020年の大統領再選は実現味を増すことになる。 北朝鮮との対話においても、膠着状態を打開するには、米国側の譲歩が不可欠である。 面子にこだわるリーダーであれば、自分から面会の要請をしない。 しかし、トランプ大統領は電撃的な三回目の米朝会談を実現させた。 安倍首相が拉致問題を解決するには対話が不可欠である。 米韓中ロ日の北朝鮮問題に関わる5ヵ国首脳のなかで、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と直接対話を実現できていないのは日本の安倍首相だけだ。 問題を解決するには対話が必要で、問題を解決するには信頼関係の構築が欠かせない。 韓国の文在寅大統領が訪日した。 いかなる問題があるにせよ、対話の機会を生かさないというのは、外交上の失態以外の何者でもない。 問題があればあるほど、直接に言葉を交わすことが重要になる。 韓国は北朝鮮問題を解決する上での最重要関係国である。 文在寅大統領が訪日したのに、その機会を無駄にして、日韓首脳会談を行わなかったことによって、安倍首相が拉致問題の解決にまったく関心がないと受け取られても弁解のしようはない。 トランプ大統領は韓国の文在寅大統領と会談し、第三回目の米朝首脳会談開催を実現させた。 トランプ大統領が米朝問題解決に韓国の力が必要であることを強調した。 子どもじみた発想で日韓首脳会談を開催しなかった料簡の狭さは、世界の注目を集める外交対応である。 中国も北朝鮮も、米国に対して、NOと言うべき点は毅然とNOの意思表示をしている。 その結果として、事態を打開しているのだ。 日本外交の劣化は目を覆うばかりである。 |
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