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さる3月5日に国連子どもの権利委員会の日本政府に対する総括所見正式版が発出された。その日本語訳文が、4ヶ月も経って、外務省のウエブサイトからこのほどようやく公開された。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000464155.pdf
「仮訳」となっているが、日本語は国連公用語ではないので、この訳文が、事実上の公式訳となる。今後は、この訳文が、日本国内で事実上の国連勧告正文として流通することになる。
政府が、国連の正文である英文第28項(c)原文にある「allegedly」にあえて「疑惑」という訳語をあて、表題のような日本語の勧告文としたことの意味は深長だ。民間には、これを「主張されている」とサラリと訳している(子どもの権利条約NGOレポート連絡会議)ものもある。政府はそれにあえて「疑惑」という訳語をあてた。「疑惑」は「疑問」と似て非なる単語で、「あの閣僚には汚職の疑惑がある」というように、不正行為の疑いがあるときだけに使われる、ネガティブなコノテーションをはらんでいる。
国連の人権関係委員会は、日本の児童相談所による人権侵害について、過去に2回勧告を発出している。だが厚労省は、これを受け止めて児相・児虐行政を実質的に改革することを全くしなかった。やったのは、児童福祉法第1条に子どもの権利条約の精神遵守規定を挿入するなどの厚化粧だけで、あとは次々と児相の拡大と権限強化を図り、子どもと家族の人権尊重の方はないがしろにしてきたのである。国連人権関係委員会は、締約国政府が勧告を実行しないと勧告のトーンをどんどん厳しくしてゆき、政府が真面目に実行するに至るまでそれを続ける。外務省としては、これまでの国連の動向をにらんで、このままでは今回の子どもの権利委員会の審査で、児童相談所についてより厳しい勧告が出される虞があると予期したのであろう。2017年に国連子どもの権利委員会に提出した政府報告書では、日本の子どもたちを児相が司法審査や親の聴聞など全くしないまま「一時保護」(子どもの人身拘束)している根拠である児童福祉法第33条に敢えて言及しないようにするなど、隠蔽工作に腐心した。去る1月17日の国連の会議では、政府代表団の厚労省官僚が、このインセンティブの存在を隠蔽する嘘までついた。ところがこれらは全く功を奏さず、この3月の第4,5回総括所見では、児童相談所の人権侵害について、これまでにない厳しい勧告が、それも多数出てしまったのである。
外務省から、“厚労省さん、もういい加減にしてくれ。自分たちの省益ばかり考えないで、少しは国連の言うことに耳を傾けて、児相行政を子どもの権利条約にそったものに改革してくれよ。こっちもいつまでもあんたがたの行政を国連に隠蔽する工作には付き合いきれないからな”という声がにじんで出ているようだ。それが、この「インセンティブを有する疑惑」という訳語をあえて採用したことの背景に込められているとしてもおかしくない。
この「疑惑」は、事実である。児相を設置している自治体の予算書を検証すれば、容易に立証できる。例えば、ウエブ上に公開されている、横浜市の「平成30年度事業計画書 6款3項6目 児童相談所費」
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/org/kodomo/jigyoukeikaku/h30jigyoukeikaku.files/h30-636.pdf
を参照してみる。同市の児相予算総額13億6375.1万円のうち、「一時保護事業」項目が全体のなんと62.7%にあたる8億5535万円を占めている。これは、子供1人を1ヶ月収容すると支払われる「保護単価」に「一時保護児童数実績見込」を乗じて得られる金額だ。横浜市の場合、年度初に設定された2018年度の一時保護児童数見込は、のべ5万8765人 であり、年度予算を全額執行するためには、年度を通じてのべこの人数以上の児童を児相は拘束しなければならない。まさに、この予算全額執行という「金銭的インセンティブ」を実現すべく、児相職員は尻を叩かれて、わずかの「虐待」を口実に使って次々子どもたちを家族から引き剥がしている。この「子供狩り」ノルマは、まさにブラック企業さながらである。
ブラック企業セールスマンがそのノルマを達成するばあい、一番容易なやり方は、おとなしくて唯々諾々と契約に応じてくれたり、恫喝すればひるんで契約に応じたほうがいいとあきらめてくれる人々に狙いを定めることだ。児相のやり方も、実はこれと同じである。わが子を奪われても弁護士などは雇えず、泣き寝入りするしかない貧困な母子家庭などが、児相お好みの子供狩りターゲットになる。親が刃物を振り回すような凶暴な家庭は面倒だし、何より児相職員は自分の命が惜しいから、そのような家庭は無視され、凶悪虐待事案は放置される。つまり、結愛ちゃん、心愛ちゃん、羽月ちゃんのような悲しい虐待死は、児相が「より多くの児童を受け入れることに対する強力な金銭的インセンティブ」の下で業務を行っている帰結として、必然的に生じたものである。
このことからすれば、たんに児相にもっとカネを、人員を、というメディアや厚労省・児相と癒着したNPOが叫ぶキャンペーンに唱和しただけでは、軽微事案での子供狩りによる人権侵害がさらに悪化し、他方で、凶悪虐待事案で子どもが命を失う悲しい出来事がいつまでも続くことになるのは、子どもにでもわかる理屈である。
国連総会は、「児童の代替的養護に関する指針」第20条で「代替的養護の提供は決して、提供者の政治的、宗教的又は経済的目標を達することを主な目的として実施されるべきではない」と決議している。国連子どもの権利委員会が、児相の「一時保護」の背景に「金銭的インセンティブを有する疑惑」を指摘したのは、厚労省のこの国連総会決議違反を見抜いたからにほかならない。日本政府は当然、真摯にこれをうけとめ、現在のカネまみれで子どもと家族の権利を踏みにじっている児相システムの根本的な改革を早急に実現し、この金銭的インセンティブ疑惑を天下国際社会に向けて晴らす義務がある。市民は、血税がこのような児相システムのザルにこれ以上無駄に注がれないよう、政府・御用NPO・無批判なメディア等が一体となった児相利権肥大化キャンペーンに騙されることなく、厚労省と児相の子どもの権利委員会勧告遵守状況をしっかり監視しよう。
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