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6月 25, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<防衛省は2019年から、低空を飛来する攻撃・偵察型ドローン(小型無人機)や迫撃砲弾の迎撃を目的に、高出力の軍事用レーザー兵器の研究を本格化させる。今年度予算には開発費として87億円を計上。年明けに陸上配備型の研究試作機製作の入札を行い、23年度までに技術的検証を終えたい考えだ。
レーザー兵器の開発は米国や中国など各国で進められており、米軍は既にレーザー兵器を揚陸艦に搭載して運用を始めている。
戦闘機のステルス能力向上やミサイルの低高度化・高速化により、迎撃までの対処時間は短くなるばかり。レーザー兵器は、直進するレーザーを照射して目標を瞬時に破壊することができるため、迎撃ミサイルなどで必要な事前の弾道計算が要らない。ミサイルや高射砲弾のように破片も発生しないため、地上被害が少なくなる利点もある。
ミサイル防衛と比べると、ミサイルの補充が不要で撃ち漏らしもないため、運用コストは格段に下がるとみられる。米軍ではレーザー発射1回の費用は1ドル程度とされている。
課題は出力の強化だ。防衛省は、最大50キロワットのレーザー発生装置を開発しているが、迎撃には100キロワット程度の出力が必要になる。将来的には長距離巡航ミサイルや戦闘機などの迎撃に使用することを目標に研究開発を進める>(以上「時事通信」より引用)
前記ブログでレーザー砲の開発に期待す、と書いたが、具体的なレーザー砲の開発段階を記しておく。引用記事は時事通信だが、それによると防衛省も2019年に開発予算として87億円を計上しているようだ。
しかし未来の防衛兵器の中核となるレーザー砲開発予算としては余りに少ないのではないだろうか。140億円も支払うF35一機分にも満たない予算でなにをやろうというのだろうか。
既にレーザーそのものは開発されている。問題は迎撃するレーザー・エネルギーをいかにして放出するか、そのエネルギーをいかにしてコントロールするかではないか。もちろん高性能レーダーと連動した照準により照射するのは当然だが。
100キロワットとは東京で一人暮らしで平均使用電力量が月当たり200キロワットで、電気代が5,394円ほどだから、ミサイル迎撃用として二発発射すると東京で一人暮らし電気平均使用量一月分を消費する勘定だ。
太陽光発電で広大な面積を有する発電施設をメガ・ソーラと呼んでいる。レーザー砲で消費する電力はそれほど大きな電力を必要としない。物理学的に説明すると100キロワットとは1㎥の水を毎秒10mの高さまで汲み上げる力だ。イメージ的には中型車の自動車のエンジンがおよそ100キロワットだと思えば良い。
だから複数のレーザー砲を備えた迎撃基地でも小型発電所ほどの施設があれば充分だ。迎撃ミサイル一発が数百万円から数千万円もすることを考えるなら、しかにレーザー砲が廉価かお解りだろうか。
もちろんレーザー砲は攻撃用にも使用できるが、その場合の効果は極めて限定的だ。なぜなら火薬が爆発する砲弾やミサイルと異なり、レーザー・ビームは加熱破壊するだけだからだ。
従ってミサイル防衛に最も適している。もちろん敵機迎撃にも適している。つまり防衛兵器として有効だ。だから、日本政府は本腰を入れてレーザー砲に取り組むべきだと主張するのだ。
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