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2019年 6月 24日
<青山 雫(あおやましずく):ちきゅう座運営委員>
安倍首相は事あるごとに、憲法改正への意欲を口にされ就中第9条の 改変についてはご執心なようだ。そこでつとに持ち出されるのが「自 衛隊の違憲論争」の改憲による決着だという。違憲論争が一体どこで 行われているのかというと、憲法学者間であるとしている。もちろん 学者間で見解の相違が生じるのはありうることだし、学問的に究明さ れるべき課題であることも論を待たない。
しかしその一方で安倍首相自身が政治というのは学問論争ではないと も国会答弁で繰り返し言明されてることも周知の事柄に属している。
一体安倍首相は学問論争に決着をつけるために改憲しようとしている のだろうか、そうではなく、政治という実践領域でなにか不都合があ ってのことなのだろうか。
以下の安部首相の率いる行政府の一角を占める防衛省のHPからの引用。 簡単明瞭、平和憲法に完全に合致していると宣言している。行政府の 長たる安倍首相(ご当人は立法府=国会の長だと思い込んでいる節も無 きにしも非ずだが)が、なぜに違憲論争云々を口にして動揺しなくては ならないのか。政治と学問とは別個の領域だとご当人が言明しているに もかかわらずだ。
そもそも、自衛隊とその法的根拠である自衛隊法は、自民党政権時代の 1954年に成立しているし、歴代内閣は民主党時代含めて、専守防衛の 範囲内で合憲であるとして来ている。そうそう、当時の首相は吉田茂で、「曲学阿世の徒」とかいう名言を残されて政治史に冠たる名跡を残されて おりますな。
それを何をいまさら、「違憲論争」なるものを持ち出して改憲なのか。 混乱を極めた思考の持ち主としか言いようがないが、そのような人物が 一国の首相である資質を備えているかどうか、困ったものである。
引用 防衛省HP https://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/seisaku/kihon02.html
憲法と自衛権
1.憲法と自衛権
わが国は、第二次世界大戦後、再び戦争の惨禍を繰り返すことのないよ う決意し、平和国家の建設を目指して努力を重ねてきました。恒久の平和は、 日本国民の念願です。この平和主義の理想を掲げる日本国憲法は、第9条に 戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認に関する規定を置いています。もとよ り、わが国が独立国である以上、この規定は、主権国家としての固有の自衛権 を否定するものではありません。政府は、このようにわが国の自衛権が否定 されない以上、その行使を裏づける自衛のための必要最小限度の実力を保持す ることは、憲法上認められると解しています。このような考えに立ち、わが国 は、憲法のもと、専守防衛をわが国の防衛の基本的な方針として実力組織とし ての自衛隊を保持し、その整備を推進し、運用を図ってきています。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion8753:190624〕
http://chikyuza.net/archives/94751
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