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これが本当なら「現代の特高」…前川元次官が語る告発ノベル「官邸ポリス」のリアル
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190620/k00/00m/010/008000c
毎日新聞 2019年6月20日 05時00分 インタビューに答える元文部科学事務次官の前川喜平・現代教育行政研究会代表=東京都目黒区で2019年5月22日、藤井太郎撮影 元警察庁キャリア官僚がペンネームで書いた告発ノベルとされる「官邸ポリス」(講談社)が「リアルだ」と、霞が関で話題という。その中に出てくる文部科学省の「前田事務次官」は、警察出身の内閣官房副長官の指示で尾行され、弱みを握られる。これが現実なら、日本の「警察国家化」は相当進んでいることになる。「前田次官」のモデルが加計学園問題で安倍晋三首相に不利な証言をした前川喜平・元文科事務次官(64)なのは明らかだ。最近、「思うところあり」として本名でのツイートを始めた前川さんに本の感想を聞き、自身の体験を振り返ってもらった。【大場伸也/統合デジタル取材センター】 首相官邸(右)。左手前は首相公邸=東京都千代田区で2015年6月17日、中村琢磨撮影 「官僚が萎縮して政治家の言うがままに」 ――この本は「本書の92%は現実である」がうたい文句です。「前田次官」は「朝鮮学校の無償化に反対しなかった国賊」と見なされて警察に尾行された末、「出会い系バーに通っていた」と新聞にリークされます。 ◆誰が書いたかは知りませんが、この本が事実なら、警察が守るべきものと対峙(たいじ)すべきものを間違えているという気がします。「朝鮮学校けしからん」という人からは、朝鮮学校に理解を示す私は国賊に見えるのかもしれません。安倍官邸は確かにそういう体質を持っています。以前の官僚出身の内閣官房副長官には、石原信雄さんや古川貞二郎さんといった立派な方がいて、官の自律性を守るという気持ちを持っていた。ところが今の官邸は安倍さんに奉仕する集団になっています。 今は官僚が萎縮して、政治家の言うがままになっています。これは行政をゆがめる。官僚主導がいいとは思いませんが、官僚のいいところは中立性、公平性、そして全体の奉仕者という意識を強く持っているところです。政治家はどうしても一部の奉仕者になりがちで、官僚が全体を見て本当に世の中のためになることを考えないといけません。 「杉田官房副長官に呼び出された」 杉田和博官房副長官=首相官邸で開かれた月例経済報告等に関する関係閣僚会議で2017年7月19日午後5時10分、川田雅浩撮影 ――政府内で違う意見を持つだけで、警察が尾行することがあるのでしょうか。 ◆分かりませんが、この本が本当だとしたら、現代の特高警察だと思いますよ。私は2016年の9月か10月ごろ、警察庁出身の杉田和博官房副長官から官邸に呼び出され「新宿の出会い系バーというところに行っているそうじゃないか」と言われた。「週刊誌から聞いた話だ」と。それなら週刊誌が私のところに来るはずですが、来ませんでした。 「どうして杉田さんが知っているのか不思議だった」 ――杉田さんは証拠の写真を示しましたか。 ◆写真は出てこなかった。店の名前も。「こういう不名誉なことが表に出ると、辞めなくてはならないよ」と言われ、「そうですか。分かりました」というようなことを言ったんです。私はその時点で週刊誌に聞いたというのはおそらくウソだろうなと思いました。おそらく何か別の情報源があるんだろうなと思った。 私がそのバーに出入りするきっかけは、女性の貧困を扱ったテレビのドキュメンタリー番組でした。行くと貧困の連鎖があるのはよく分かりました。店に行っていたことはやましいと思っていません。ただ、個人的な行動をどうして杉田さんが知っているのか不思議でした。その後、文科省の違法再就職あっせん問題が明るみに出て、私は17年1月20日に引責辞任しました。 「週刊誌が書こうとしてる。気をつけたまえ」 首相官邸での記者会見に臨む安倍晋三首相。(左から)菅義偉官房長官、西村康稔官房副長官、野上浩太郎官房副長官、杉田和博官房副長官=首相官邸で2017年9月25日、代表撮影 次官を辞めてから、(安倍首相の友人が理事長を務める)加計学園がおかしいといって私に接触してくるメディアの人たちがいました。私は知っている限りのことは話しました。そういう時期に、2月ごろでしたが、新幹線の中で杉田さんから突然、携帯に電話がかかってきて「例の新宿のバーの話だけどね。週刊誌が書こうとしてるぞ。気をつけたまえ」と言われました。その時も週刊誌からの取材はありませんでした。加計の話をメディアにしゃべるなという意味だったんだろうと思います。 ところが、加計の話が3月ごろから国会で追及されるようになり、複数の週刊誌がバーの話で私にアプローチしてきた。ただある週刊誌は「バーの話を書くつもりはない。加計の話を聞かせてほしい」ということだったし、バーの話はどこも書きませんでした。 週刊誌ではなく読売新聞に記事が ――その後、朝日新聞が5月17日、加計学園の問題で文科省に「総理のご意向」文書が存在することを報じた。そして5月22日、読売新聞に「前川前次官 出会い系バー通い」という記事が出たんですね。 ◆あくまで想像ですが、週刊誌に書かせようとしたけれど、どこも書かないものだから官邸が読売に持って行ったのかなと。 「『地位に恋々』は心外」 ――前川さんは5月25日に記者会見し、文科省の文書について「あったことをなかったことにはできない」と証言しました。一方、菅義偉官房長官は記者会見で「地位に恋々としがみついた」などと前川さんを強く非難しました。 中央省庁(手前)や国会議事堂(右奥)が集中する東京・霞が関周辺。左奥に首相官邸が見える=東京都千代田区で2012年7月11日午後2時1分、本社ヘリから武市公孝撮影 ◆地位に恋々というのは、私にとっては本当に心外です。17年1月5日か6日に官邸で杉田さんに「辞めようと思います」と伝え、杉田さんは「それがいい」と言った。この本では「3月の定年まで次官を続けさせてくれ」と言ったことになっていますが、そんなことは言ってない。この問題では菅氏を名誉毀損(きそん)で訴えてもいいと思っています。 菅官房長官が首相になったら… ――いまや菅さんが次期首相候補と言われています。 ◆菅さんが霞が関の審議官以上の官僚人事を握っています。菅さんの周りにいる官邸官僚といわれる人たちが各省幹部をウオッチしています。菅さんが総理になれば、もっとひどい警察国家、恐怖政治になるのではないかと懸念しています。菅さんの国家観はよく分かりませんが、権力を持つことが目的化しているのではないでしょうか。 そういえば杉田さんに官邸に呼ばれた時、「○○省の○○次官にもそういうことがあったよ」と言われたんです。それで「みんな尾行されているのかな」と思った。弱みを握られている人は役人だけではなくて、与野党の政治家の中にも、メディアの中にもいるかもしれない。そう思いました。 公安委の機能強化で警察の民主化が必要 ――この状態が続くとどうなると思いますか。 インタビューに答える元文科事務次官の前川喜平・現代教育行政研究会代表=東京都目黒区で2019年5月22日、藤井太郎撮影 ◆独裁に道を開くでしょうね。警察はムチですが、あとは官房機密費みたいなアメがあれば。人事はアメにもムチにもなる。アメとムチで人間は動かせます。本当は警察の民主化をやらないと。国家公安委員会や都道府県公安委員会の機能を高めないといけない。国民主権とか住民自治に基づくチェックができていません。警察と検察と裁判所がおかしくなっている。私が一番おかしいと思っているのは(安倍首相と近いとされる元TBS記者からの性暴力被害を訴えた)伊藤詩織さんの件です。総理の友達だったという理由で逮捕も立件もされなかったのなら、もはや法治国家ではありません。 「副長官への個別取材は一律お断り」 前川氏の証言について、毎日新聞は事実確認のため、首相官邸に杉田副長官への取材を申し込んだが、杉田副長官の秘書官は「副長官への個別取材は一律でお断りしております」と述べた。 また読売新聞の「出会い系バー通い」報道をめぐっては、同紙は17年6月3日、原口隆則社会部長の署名記事で「独自の取材で、前川氏が売春や援助交際の交渉の場となっている『出会い系バー』に頻繁に出入りしていたことをつかみ、裏付け取材を行った。次官在職中の職務に関わる不適切な行動についての報道は、公共の関心事であり、公益目的にもかなう」と主張。「本紙報道が加計学園の獣医学部新設に関わる文書を巡る前川氏の『告発』と絡めて議論されているが、これは全く別の問題である」と記している。 これが本当なら「現代の特高」…前川元次官が語る告発ノベル「官邸ポリス」のリアル June 20, 2019 地球倫理:Global Ethics
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