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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
イラスト/小田原ドラゴン
室井佑月「政治家の思想」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190529-00000010-sasahi-pol
AERA dot. 5/30(木) 7:00配信
作家・室井佑月氏は、丸山穂高議員の“戦争”発言をきっかけに、安倍首相をはじめ、他の政治家が戦争をどうとらえているのか心配になったという。 * * * 元日本維新の会の丸山穂高衆議院議員の発言。 「戦争しないとどうしようもなくないですか」 あの発言に、背筋が凍りそうになった。 お酒を飲んでいたからとか、問題を提起しただけとか、議員にだって言論の自由があるとか、そんな問題じゃないよね。 さすがに、日本維新の会の代表である松井一郎・大阪市長も、 「国会議員として一線を越えた発言。元島民、国民に本当に不快な思いをさせ、心からおわびを申し上げたい」 そう即座に反応し、丸山氏を除名処分にした。あの発言が、国会議員として一線を越えているのはもちろんのことである。 けど、あたしが引っかかるのは、発言しなければそれでいいのか、というところ。 飲み屋にいるオヤジの戯言じゃないんだよ。丸山氏みたいな考え方の政治家、ほかにも結構いるんじゃないの? あたしが丸山氏の発言で背筋が凍ったのは、そこの部分だ。 政治家たちが一部の支持者へのサービスで、隣国へのヘイトをくり返したり、拳を振り上げてみせたりすることは多々ある。それってさ、ほんとにほんとのただのパフォーマンス? 丸山氏みたいな考えがちょこっとでもあるからじゃないの? だとしたら、怖い。 あたしら大勢は、国から便利なATMみたいに扱われている。あたしたち一人ひとりに命や感情があるなんて思われてなく、ざっくりと何人いるからいくらまでなら召し上げられる、と国から判断されてそうな代物だ。 そういう代物とされているあたしたちは、もし外国と揉めることがあったら、簡単に使い捨てにされるだろう。 今の政治家たちは、外国とのぎりぎりの交渉の中で、あたしたち庶民の命を何番目くらいに考えてくれるのだろうか? 権力の座を確保するための選挙にしか関心がなく、権力を得たら破廉恥にもその私物化だ。もはや、あたしたちの代弁者と思えない政治家に、あたしたち多くの国民のことを真っ先に考えてくれよ、といっても詮無いことのような気がしている。 次の参議院選は衆議院選とダブルだ、といってる識者がたくさんいる。そうであればなおのこと、あたしたちはよく考えて投票にいかねばならない。この国は違う国となってしまう一歩寸前のところにいるのだということを、どれだけ多くの人が敏感に感じているだろうか。不安だ。 最後に、以前このコラムに載せた『ゆみ』さんがTwitter「@yumidesu_4649」にあげた動画を再度紹介しておく。 話すより早い。もう一度、あたしからもお願いする。どうかみなさん、この動画を一度、見てください。 この国のトップである安倍首相が、戦争を、あたしたち一般人の命を、どう捉えているのか非常によくわかる動画だから。
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