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5月 31, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<政府は30日、市町村ごとに異なる国民健康保険料を都道府県内で統一する取り組みを後押しするため、新たな支援策の検討に入った。
病気の予防などに力を入れる自治体を財政面で優遇する「保険者努力支援制度」で、交付金の配分額を厚くする案などを探る見通し。高い保険料に住民が反発するのを恐れ、保険料を低く抑えたまま税で医療費を賄う市町村があることから、それを防止する狙いがある。
国保は、退職後の高齢者や低所得者が多く加入。医療費が掛かるのに比べ保険料収入が伸びないため、財政的に厳しい状況となっている。このため、法律が定める以上に税を国保に投入する市町村は多い。医療費が高いのに保険料が低いままでは、受益と負担の関係が分かりづらく、医療費を節約しようというインセンティブが働きにくいとの指摘がある。
週内にも開かれる経済財政諮問会議で、民間議員は「国保の都道府県内の保険料水準の統一など受益と負担の見える化に取り組む先進・優良事例を全国展開すべきだ」と提言する考え。これを受けて、政府は大阪府や奈良県など保険料統一に取り組んでいる事例を参考にしながら、検討を本格化させる。6月にもまとめる経済財政運営に関する「骨太の方針」に盛り込む予定だ>(以上「時事通信」より引用)
国保保険料が同一県で市町村ごとで異なるのをなくそう、という国の試みは理解できる。国保保険料は「納付率」によって国からの補助金に格差がある。保険料の納付率の良い市町村にはより多く、納付率の低い市町村にはより少なく補助金が交付されている。
それによって納付率の低い市町村は国保保険料が隣接する市町村よりも同一所得税を支払っているにも拘らず保険料が高いという格差が生じているのも確かだ。その格差をなくすために一般会計から税金を医療保険会計へ繰り入れて徴収する保険料を下げている市町村もあるのもまた事実だ。
市町村の医療保険納付率を上げる職員のポテンシャルを何に求めるのか、という議論も新たに出てくるのではないだろうか。しかし全国で一律の基準で等しく「応能負担」するのが社会保障の原則だ。
そうした考えに政府が立つのは好ましい。出来れば年金に関しても、国民年金は国民が負担した額しか「原資」とされないが、厚生年金では個人と企業が1対1で負担し合うから個人負担の倍額が「原資」とされ、公務員等の共済年金では個人負担の倍額を事業者が負担するということから個人と事業者の負担は1対2となり、共済年金では個人負担の三倍額が「原資」とされることから、各年金支給額に格差が生じている、との国の説明だ。
しかし、そんな説明が納得できるわけもない。論理的にもおかしいではないか。共済年金加入者個人が支払う掛け金も、事業者が支払う掛け金も税金ではないか。共済年金が平均支給額30万円というのも、国民年金が満額ですら6万5千円でしかない、この巨額な格差の正当化できる論理ではないだろう。
社会保障の一つ、医療保険の掛け金を同一県内とはいえ一律かしようというのなら、その前に年金の一元化に本気で取り組むべきではないか。官僚たちが「お手盛り」で高額年金を手にしているから年金改革に政治家も尻込みする、というのでは国民のための政治など出来るわけがない。
まずは年金の一元化に政府は本気で取り組むべきだ。共済年金加入者が僅か400万人ほどしかいないから、改正しても浮く税金の額は知れている、という議論など聞きたくもない。社会保障は「負担は応能で、支給は一律」というのが大原則だということを忘れてはならない。
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