http://www.asyura2.com/19/senkyo261/msg/418.html
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国連子どもの権利委員会から、この3月5日、児童相談所の「一時保護」における事前司法審査導入や親子の意見聴取など抜本的な規制強化や児相併設一時保護所全面閉鎖など、児虐・児相行政の根本的な見直しが緊急勧告されました。ところが、日本共産党の対応はこの勧告を完全に無視したものであり、批判と怒りが広がっています。
日本共産党は、もともと、日本政府が人権にかかわるいろいろな国連勧告を遵守しないことについて、ことあることに大きな抗議を行ってきました。このことから、日本共産党に、人権尊重を追及する国際社会と連帯して日本の市民の人権を保障すると期待していた市民も多かったでしょう。たとえばこちらのウエブサイト:
https://blog.goo.ne.jp/uo4/e/205c1376fd6f5e4a7741e0c6e7dbb728
「常任理事国をねらっている国でありながら、国連の勧告を無視するとはねえ。普通の常識と国際感覚を持っていれば、無視はできないと思います。韓国では、国内法を改正して、国連の勧告を履行してるんですよ。そういうことを思うと、日本の政府の「恥知らずさ」加減がわかります。一人の日本国民として、恥ずかしい思いです。」
滋賀県の共産党員で「赤旗」購読を熱烈に市民に訴えているブログ主さんのおっしゃる通りです。
ところがここに、日本国民として「恥ずかしい思い」をせざるを得ない事例が起こっています。
東京選挙区選出の参議院議員であり、来る7月の選挙に立候補を予定している吉良よし子さんは、その公式ウエブサイトのトップに、「目黒女児虐待死亡事件:児童相談所の体制強化を」というビラを大きく掲載しています。
http://www.jcp-tokyo.net/2018/0706/183507/
そして、ついこの間の、児童虐待法改正(実は改悪)案に対する高橋千鶴子共産党代議士は、衆議院本会議で賛成討論に立ち、「日本が子どもの権利条約を批准して25年、残念ながら子どもの権利は脅かされ続けています。」と前置きし、次のように主張しました:
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-05-30/2019053004_04_1.html
「児童相談所の増設と体制強化です。野党案は、児童相談所設置基準の法定化と中核市・特別区での児童相談所設置の義務化を求めましたが、一致できず残念です。増設と自治体による設置の意義は共有されており、さらなる国の支援を強く求めます。児童福祉司の増員、児童心理司の倍化など人材確保と専門家の養成には国による思い切った財政措置が不可欠です。」
おっと、待ってください、高橋先生。 児童相談所を増設し強化せよという勧告は、このたびの第4,5回合併国連子どもの権利委員会総括所見のどこに書いてあるのですか? 高橋先生、このたびの国連総括所見を全部しっかりお読みになりましたか?
もし、まだ読んでないと言うなら、教えてあげましょう。児童相談所にかかわる国連子どもの権利委員会総括所見の主な勧告(27〜29項)は、次の通りです:
「27. 委員会は、締約国が、適切な⼈的・技術的・財政的裏づけのもとで、以下につき必要なあらゆる処置をとるよう勧告する:
(a) 家族を⽀援し強化すること。これには、仕事と家庭⽣活との適切な均衡がとれるよう取り計らう等の⼿段を含み、⼗分な社会的援助・社会⼼理学的⽀援・相談業務を必要な家族に供与し、もって⼦どもの遺棄および施設措置を予防する。…」
「28.…委員会は以下について深刻に懸念する:
(a) 多数の⼦どもたちが家族から引き剥がされているとの報告があり、その引き剥がしは司法令状のないままですることができ、しかも児童相談所に最⼤2ヶ⽉間収容されることになること、
(b) 多数の⼦どもたちが、不適切な⽔準にあり、児童虐待の事案が報告されており、しかも外部による監督と評価の機構がない施設にいぜんとして収容されていること、
(c) 児童相談所にはより多くの⼦どもたちを取り込もうとする強⼒な財政的インセンティブがあると伝えられていること、
(d) ⾥親に包括的な⽀援、適切な訓練と監督が与えられていないこと、
(e) 施設措置された⼦供たちが、その⽣みの親との接触を維持する権利を剥奪されていること、
(f) 児童相談所は、⼦供の⽣みの親がその⼦どもを引き剥がすことに反対した際、もしくは児相の措置に関する決定が児童の最善の利益に反するときに、家庭裁判所にその事案を申し⽴てるよう明確に指⽰されていないこと。」
「29.⼦どもの代替的養護に関する指針[国連総会決議 64/142 ]に対して締約国の注意を喚起しつつ、委員会は、締約国に対し、以下を強く要求する:
(a) ⼦どもが家族から引き剥がされるべきか否かの決定に際して、義務的司法審査を導⼊し、⼦どもの引き剥がしについて明確な基準を設定し、そして⼦どもたちを親から引き離すのは、それを保護するため必要で⼦供の最善の利益にかなっているときに、⼦供とその親を聴聞したあと、最後の⼿段としてのみなされるのを保障すること、…
(c) 児童相談所において⼦どもたちを⼀時保護するやり⽅を廃⽌すること、
(d) 代替的養護の現場における⼦どもの虐待を予防し、これらの虐待について捜査を⾏ない、かつ虐待を⾏なった者を訴追すること、⾥親養育および児童相談所のような施設的状況における⼦どもの措置について独⽴した外部審査を定期的に⾏なうことを保障すること、ならびに、これらにおける養護の質について、⼦どもの不当な取扱いの通報・監視および是正のためすぐに使えて安全な通報先を提供する⼿段などによって、これを監視すること、…」
なぜ、国連はこれほどに厳しい勧告を日本に対して発出したのでしょうか。
理由は、いくつもあります:
第一に、厚労省が昨年7月、「一時保護ガイドライン」なるものを出して、「一時保護を躊躇なく行うべきだ」と強調し、児相がますます手当たり次第の子どもの人身拘束をおこなうようになってきているからです。
千葉県の児相では、野田の心愛ちゃんの事件で強い世論の批判を浴びたので、この「一時保護」をますます強力に推進し、それがあまりに軽率に行われていると感じた弁護士が児童相談所にアプローチしても取り付く島もない、という状況になってきました。ドイツなら、心愛ちゃんのような見殺し事件が起こると、担当職員が刑事訴追される場合さえあるのですが、日本では事件が起こっても児相職員にも児相長にも一切懲戒はなく、ただ子供とその家族だけに犠牲を押し付けて、いかにも児虐対応をやっているふりを児相がしているのです。
日本共産党は、こういう体制を強化し、ますます沢山の子供が軽微な事案ないし冤罪事案で家族から引き剥がされる危険を増大させています。こういう、国連勧告違反の厚労省通知を擁護するのが、本当に「子供をまもる都政」なのでしょうか?
第二に、家庭から引き剥がされた子どもたちが過ごすのは、最近住民運動が起こった南青山でも計画されている「一時保護所」です。ところがここでは、児相職員による暴力・猥褻・精神医学悪用・アレルギーなどを考慮しない不適切な食事・学校に通わせない発達権侵害など、ありとあらゆる子供に対する人権蹂躙の巣窟になっているのです。この一時保護所の惨状を見た国連委員が、その全面閉鎖を勧告したのも当然というべきでしょう。日本共産党は、これに目をつぶり、さらに体制強化しろと言っているのです。これが異常でなくしてなんでしょうか?
このたび国連が児相について勧告した背景には、そのほか数多くの人権蹂躙の事実がありますが、これ以上は書ききれません。
日本共産党が、こうした国際人権規範に基づいて発出された、家族の一体性重視・児童相談所に対する厳しい規制を求める国連勧告に知らん顔を決め込んでいることは、決して単なる不注意ではありません。それには、深いわけがあるのです。
児童相談所から子どもを配給してもらい経営を維持している児童養護施設等社会的養護関係職員は、実は日本共産党の重要な票田なのです。なぜかというと、旧ソ連では、家族は保守的な存在だから、そこから早く子供を連れだして社会的養護の下に置き、若い共産主義者として育て上げなければならない、という考えから、社会的養護が重視されていました。この思想は別に共産主義国家でもない日本にも影響を及ぼし、社会的養護をになう児童養護施設に、共産党の支持者が多く集まったのです。ですから日本共産党は、児童養護施設や、それと結びついた児童相談所の利益に反する主張はできません。なんのことはない、日本共産党は厚労省と同じ児相利権ムラの一員なのです。それゆえ、見殺しばかりしている児童相談所の増設と体制強化、ろくな専門性もない素人児童福祉司の増員などを国会で訴えることに、何の不思議もありません。
日本共産党の人権意識が、今まさに問われています。自らの票田を支える利権のために「国連の勧告を無視するとはねえ。普通の常識と国際感覚を持っていれば、無視はできないと思います。韓国では、国内法を改正して、国連の勧告を履行してるんですよ。そういうことを思うと、日本共産党の『恥知らずさ』加減がわかります。」ですね、滋賀県の共産党員ブログ主さん。
でも、日本には、普通に常識と国際感覚を持っている国会議員がいます。国連子どもの権利委員会の児童相談所に関する勧告を誠実に実行すると、われわれのリーダー、れいわ新選組の山本太郎候補が約束しているのです! 児童相談所問題を政策アジェンダに明示的に取り上げ、韓国と同じように国内法(児童福祉法第33条など)を改正して、国連子どもの権利委員会の勧告を履行しようとしているのは、参議院東京選挙区では、日本共産党の吉良よし子さんではなく、あらゆる利権からフリーなれいわ新選組の山本太郎さんです!
世界で、司法審査の無い子どもの「一時保護」を強行している国は日本だけ。「世界で唯一例外的な“野蛮な国”」からの脱却へ、日本共産党が行うべきは、国連子どもの権利委員会総括所見の立場に立って、児童相談所の強化という政策をキッパリ捨て、児童相談所の根本的な人権を重視したリストラへ向けた政策の転換にいますぐ踏み出すことです。
子どもと家族の尊厳を守る世論と運動は新たな広がりをみせています。児相被害者による裁判提訴や、SBS(揺さぶられっ子症候群)を一時保護事由や刑事事件として認めさせない弁護士や医師の動きなど、厚労省の児相政策の子どもの権利条約違反を問う動きが相次ぐようになりました。
児童相談所問題を解決してこそ、子どもの権利条約が掲げる本当の人権尊重・民主主義の社会へと踏み出せます。しかし、その一日も早い実現に、日本共産党はいつまで背を向けるつもりなのでしょうか。
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