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「改選6」参院東京に7人擁立 そこに隠された恐るべき戦略 「NHKから国民を守る党」の内幕
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/254840
2019/05/29 日刊ゲンダイ 「NHKをぶっ壊す!」と立花代表(C)日刊ゲンダイ 「私の公約はただ一つ。NHKを、ぶっ壊す!(ニッコリ)」 そんなワン・イシューで選挙を戦う政治団体が、地方選挙で着々と勢力を拡大していることをご存じだろうか? この政治団体は、2013年6月設立の「NHKから国民を守る党」(N国)。代表はNHKの元職員で、05年4月に「週刊文春」でNHKの不正経理問題を内部告発した立花孝志氏(51)だ。 N国は今年4月の統一地方選に47人の候補を擁立。半数を超える26人を当選させ、一時は39人の地方議員を抱えるまでに急成長した。 その後、5人を除名。立花代表を含む2人の現職が別の選挙に立候補するために辞職するなど出入りは激しいが、5月26日現在も32人の勢力を誇っているから驚きだ。 国民なら誰もが知っている「NHK」の大看板。N国はその知名度を「借景」することで、新興勢力ながら有権者の間に浸透してきた。いや、正確には浸透していなくても、気になる名前だから初見の有権者の目も引く。勢力拡大の背景には、現在のNHK受信料制度に対する国民の根強い不満があるだろう。 特筆すべきはN国の選挙に対する姿勢だ。N国を設立した13年当時、立花代表は筆者にこう語っていた。 「選挙における最終目標は、6年後の参議院議員選挙で議席を獲得することです。国政に議席を持たなければ、我々の公約は実現できません。そのため、参院選までに行われる選挙のスケジュールを全部洗い出して、選挙に出続けます」 立花代表は予定される選挙の日程を次々と筆者に説明。落選すればすぐに引っ越し、立候補に必要な「3カ月の居住要件」を満たして選挙に出続けると宣言した。そしてこの夏、N国は参院選に10人を擁立して国政に初挑戦する。その内訳は、全国比例3人、東京選挙区7人。東京の改選数は6だから異例中の異例だが、そこには恐るべき戦略があった。 「7人が同時刻に立候補を届け出て、ポスター掲示場の枠を7連続で確保します。そこに『N』『H』『K』『を』『ぶっ』『壊』『す』と並べます」(立花代表) 法的には十分可能だ。 (つづく) 畠山理仁 フリーランスライター 1973年、愛知県生まれ。早大一文在学中の93年から雑誌を中心に取材・執筆活動を開始。関心テーマは政治家と選挙。2017年に著書「黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い」(集英社)で第15回開高健ノンフィクション賞を受賞。
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