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なぜこんな議員が生まれたのか 丸山穂高的なるものの蔓延
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/254264
2019/05/20 日刊ゲンダイ 文字起こし 北方領土の元島民に対する不適切な発言の撤回を表明した日本維新の会の丸山穂高衆院議員(C)共同通信社 北方領土を「戦争で取り返す」と発言して総スカンの丸山穂高衆院議員に対し、17日、日本維新の会や立憲民主党など野党6党派が「議員辞職勧告決議案」を共同提出した。自公は決議案に乗らず採決に慎重な立場なので、その扱いが今週話し合われることになる。 丸山を除名した維新の松井一郎代表(大阪市長)は、「衆議院として不適切だったと早く意思表示すべきだ」と辞職勧告の早期議決を求め、維新のイメージダウンを避けるため、一日も早く丸山を切り離すことに躍起だ。しかし、丸山はクズ議員に違いないが、個人の問題として矮小化するのは違う。丸山のような議員が生まれたのは、維新自体が憲法9条改悪を求める政党であり、丸山と同類のネトウヨまがいが跋扈する安倍自民がそうした政党を歓迎しているという背景があるのである。 16日の衆院本会議で、維新の森夏枝議員の質問に議場がどよめく場面があった。森が「サイバー攻撃の分野は専守防衛の適用除外にすべき」「敵基地攻撃能力を持つ精密攻撃ミサイルの保有を」と提案したからだ。 敵基地攻撃能力の保有を求める議論は、ミサイル発射を連発する北朝鮮に「圧力」で対抗していたころに自民党内で高まり、2017年3月、自民の安全保障調査会が「敵基地攻撃能力の保有と高高度防衛ミサイル(THAAD)システムの導入」などの提言をまとめている。この時点で自民党は、「専守防衛」から逸脱しても構わないという方針を打ち出したのである。 そして、それは現実になる。昨年末に改定された新防衛大綱や中期防衛力整備計画では、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦の甲板を改修し、先制攻撃を可能にする「空母化」を進めることが明記された。同様に、敵基地攻撃能力を持つ長距離巡航ミサイルも導入が記された。政権が「専守防衛」を軽視するのだから、維新がそれに倣うわけである。 自民党内にも「丸山」がいる ことは対北朝鮮に限らない。安倍は「我が国の領土、領海、領空は断固として守り抜く」と繰り返し発言しているが、尖閣諸島や竹島をめぐって領土問題で大騒ぎし、嫌中、嫌韓を煽ってきたのが自民党だ。そうして領土をめぐる好戦的ムードを世論に促してきた。 丸山は当初、発言をとがめられても、「(北方領土を)戦争で取られたわけですから、取り返すということに対して賛成か反対か聞いた。別にそういう話があってもいいわけじゃないですか。何をダメだとおっしゃっているのかよくわからないです」と開き直っていた。好戦的ムードが広がる中、領土のためなら戦争もいとわない、という過った感覚に犯されているのではないのか。 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。 「丸山発言は、安倍政権下で自民党が求めてきた『どうやって攻撃力を高めるか』という議論の延長線上にある。自民党は丸山議員への辞職勧告決議案に乗らない理由を『議員の身分は重い』などと良識ぶっていますが、民主主義を壊すようなことを散々やっておきながら、何を今さら、という感じです。自民党が決議案に乗れないのは、自分の政党にも丸山のような議員がいるからでしょう。丸山発言は、この6年半に安倍政権が進めてきたことを、より忠実かつストレートに発言したに過ぎないと思います」 なぜ「辞職勧告」されないのか(麻生副総理兼財務大臣)/(C)日刊ゲンダイ
丸山のような輩が国会議員としてまかり通ってきたのは、この6年半の安倍政権が日本を「戦争のできる国」につくり変えることに邁進してきた結果だ。 集団的自衛権の行使容認を閣議決定した2014年の解釈改憲、そしてその翌年の安保法改正。安倍は米国の言いなりで、憲法9条を事実上亡きものにし、「不戦の誓い」を蔑ろにしてきた。 政権ナンバー2の麻生副総理兼財務大臣に至っては、憲法改正をめぐって「ナチスに学べ」と言ってのけた。2013年、麻生が「ナチス政権下のドイツでは、ある日気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」と発言。そうしたら翌年、本当にその通りに安倍政権は解釈改憲したのだった。 麻生がどんなトンデモ失言をしようが、メディアが政権に取り込まれ、忖度だから、いまだに副総理の座に就いているが、「ナチス」発言はドイツだったら即刻クビだろう。 丸山の「戦争」発言に匹敵するもので、議員辞職勧告じゃなければおかしい。 とどのつまり、安倍政権の長期化が、永田町に丸山穂高的なるものを蔓延させたと言っていい。 ジャーナリストの斎藤貴男氏もこう言って切り捨てる。 「自民党や維新の中では、『どれだけ戦争をしたがるか』『安倍首相の代わりに過激な発言をするか』『国民をバカにするか』でチキンレースが行われているようなものです。麻生財務相に代表されるように、過激に発言してもうまく世論の批判を逃れられれば、得点になるのですから。都議選で『防衛省・自衛隊としても支援をお願いしたい』と失言した稲田元防衛相もすっかり復権してきていますしね。丸山議員は東大卒で経産省出身。怖いのはそういう賢いと思われる議員まで劣化してしまっていることです。安倍政権は反知性どころか、知性なんてない方がいい、という政権。世襲以外で出世するには、過激な発言をしてバクチを打つしかないわけです」 平和主義の日本の信用も失墜 解釈改憲だけで満足しない安倍は「9条改憲」に前のめりだが、そんな戦争政権を支えるのが、「親も戦争を知らない世代」の議員たちなのだ。 丸山は1984年生まれの35歳。前述の森夏枝は1981年生まれの37歳。戦争をバーチャルなゲーム感覚で捉え、人が死ぬことへの感覚が希薄なのではないか。鳩山由紀夫元首相が19日にツイッターで〈議員の身分が重いにも拘らず余りにも軽い発言が多過ぎるのではないか。歴史を知らない世代の右傾化がこの国を動かすとしたらとても恐ろしいことだ〉とつぶやいていた。本当にその通りでおぞましい。 ノンフィクション作家の保阪正康氏が、日刊ゲンダイで連載中の「日本史 縦横無尽」で<戦争の記憶を持つ世代が少数派になっているがゆえに、戦争そのものの本質的な実態が曖昧になっている>と書いていた。戦争体験で共通するのは<平時のモラルが逆転するということだ。憎悪、暴力、生命軽視、果ては日常の倫理観が一変するのである。戦争の相手を憎み、一人でも多くの人を抹殺することが正義となる>。飢餓との戦いは壮絶だ。<ジャングルで戦う兵士たちは、動くものならなんでも食べた>。 丸山らは、こうした戦争の現実をどれほど分かっているのか。たとえ親が戦争を知らない世代だったとしても、悲惨な歴史に真正面から向き合い、二度と国民を戦争で苦しめることのないよう国を導くのが、国民の代表である国会議員に求められる最低限の資質なのではないか。 戦中派の政治評論家・森田実氏が言う。 「戦争体験があまり酷すぎて、戦後、自分の家族にすら体験談を話すことを拒み、胸にしまった人は少なくありません。そういう意味では日本では戦争というものについて、次の世代に伝える努力が不十分でした。最近になって、戦争体験を話しだす人が出てきましたが、時すでに遅し、です。そうした中で戦争の悲惨さを知らず、戦争を擁護するような思想を持った人が政治家になっていく。本当に由々しき事態です。安倍首相が9条改憲ばかり叫んでいるところに丸山発言が追い打ちをかけ、平和主義の憲法を持っているはずの日本の信用はどんどん傷ついています」 丸山発言は、安倍政権下において出るべくして出たものであり、この国は今、深刻な事態にあると捉えるべきなのだ。
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