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5月 16, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<厚生労働省は、紹介状のない患者が初診でかかる際に5000円以上の追加負担を義務づける病院を拡大する検討に入った。現在は400以上のベッド(病床)を持つ病院が対象で、この基準を引き下げる。具体的には200〜300床以上を基準とする方向だ。追加負担が必要な病院を増やすことで、軽い症状で大病院を受診する外来患者を減らす。
大病院には入院が必要な医療や高度で専門的な医療に専念させ、医療の効率化や医療費の抑制につなげる。中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の総会で2019年内に結論を出し、20年度から実施する予定だ。
この制度は16年度の診療報酬改定で導入した。当初は大学病院や地域医療の拠点となる病院のうち500床以上が対象だった。原則として紹介状のない患者は外来で受診した際に、初診であれば5000円以上の料金を医療費の自己負担に上乗せして支払わなければならない。18年度からは基準が400床以上となり、対象は420病院に広がった。
現在、病床数が400に満たない病院でも独自の判断で患者に定額負担を求めることが可能だ。
病床規模別のサンプル調査では、300〜399床の病院の9割、200〜299床の7割が徴収していた。金額は1000円以上4000円未満に集中しており、5000円以上の追加負担が義務づけられれば金額が引き上げられる。200〜399床の病院は数百はあるとみられる。
入院や救急医療などを担う大病院と、外来中心の診療所の役割の違いをより明確にする狙いがある。大病院では外来診療にあたる勤務医の負担も重い。患者に身近なかかりつけ医をまず受診してもらう効果もある。
日本医師会の横倉義武会長は「対象病院の要件や負担額について、さらに検討を進めることも必要」としており、拡大を検討する環境は整っている>(以上「日経新聞」より引用)
厚生労働省は紹介状のない患者が初診でかかる際に5000円以上の追加負担を義務づける病院を拡大し、具体的には200〜300床以上を基準とする方向だという。いよいよ大病院に駆け込むハードルが高くなるようだ。
確かに大病院へ行っていれば安心だ、という「大病院信奉」の患者がいることも問題だが、かといって開業医では手に余る患者でも開業医の紹介状がなければ大病院で診てもらうには5000円余分にかかる、というのも問題ではないだろうか。なぜこうした大病院への紹介状を義務付けるような制度を国会で作らなければならないのだろうか。
患者に最初から大病院を選択する自由はないというのだろうか。碌な検査設備もない、街の開業医院で何が判るというのだろうか。入院や救急医療などを担う大病院と、外来中心の診療所の役割の違いをより明確にする狙いがあるというが、その判断は誰がするのだろうか。
たとえば救急車で大病院へ運び込まれれば紹介ないために、通常なら徴収される5000円は免除されるのか。それはかえって救急車が乱用される引き金になりはしないだろうか。
確かに待ち時間三時間で診察三分という大病院の状況も問題だ。それなら紹介状のある外来を優先するなどの措置も併せて取る必要があるのではないだろうか。
一方で開業医院の経営を助ける意味合いが感じられるのも確かだ。そして開業医院は複数の科を受け持っていないため、患者が自身で症状を判断して「皮膚科」へ行くべきか「内科」へ行くべきか、それも「呼吸器内科」か「循環器内科」か「消化器内科」かを選択するのが困難な場合もある。最初から複数の診察科を持つ大病院へ行く方が安心だという患者がいることも確かだろう。
厚労省が患者の病院選択権を一方的に奪うかのような措置は果たして正しいのだろうか。なぜ「まずは開業医」へという受診方法を国民の「努力」目標程度に止めるべきで、紹介料なき患者に5000円という負担を強いる法律を制定するのはいかがだろうか。
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