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NHK、森友問題「写真偽装」を突き止めた野党を中傷報道…市民団体に「NHKは公平」と回答
https://biz-journal.jp/2019/05/post_27788.html
2019.05.08 文=青木泰/環境ジャーナリスト Business Journal
2月4日の「NHK NEWS WEB」の報道に対して、市民団体が3月22日に放送法に基づき訂正報道と謝罪を求め「苦情処理の申し入れ書」(以下、「苦情処理書」)を提出していたが、4月8日にNHKから市民団体にその回答が届いた。 安倍政権が忖度・改ざん・偽装を繰り返しながら長期政権を保っているのは、マスメディアが政権に忖度して重要な問題を伝えないからであるが、その筆頭がNHKだ。 特に悪質だった、森友問題において写真偽装を認めた試掘工事業者が国交省に提出した回答書を、2月4日に同省が参議院委員会に提出した件に関する報道だ。報道各社は工事業者が写真偽装を認めたことを大きく取り上げたのに対して、NHKは回答書の「私(=工事業者社長)の発言内容の一部のみを(野党議員)に引用されて、都合よく合体し、まったく異なった内容となっている」と書かれた部分に依拠し、「工事業者が野党に反論」と報道したのである。 森友問題では、野党は写真偽装問題を1年6カ月にわたって追及し、ついに工事業者と国交省に偽装を認めさせた。日頃から安倍政権を批判するメディアでも、最後には政権に忖度して野党の追及が生ぬるいなどと批判することがよくあるが、今回は、どこから見ても成果が評価されるべき野党議員を、NHKは逆におとしめるような中傷報道を行ったのである。この報道を見る限り、NHKはこれまで批判されてきた「安倍政権の広報部門」というレベルを超え、安倍政権への批判につながる報道は抹消し、批判勢力をおとしめるような諜報機関のような役割を持ち始めたとさえ思える。このまま放置することはできず、具体的な事実を追ってみたい。 写真1:3月22日、NHK放送記念日に行われたNHKへの抗議集会(「NHKとメディアの『今』を考える会」主催)。この後、「森友 ごみ問題を考える会」はNHKに苦情処理書を提出。 値引きの最大根拠であった試掘写真が偽装されていた件は、本サイトでも4回にわたり取り上げてきたが、市民団体「森友 ごみ問題を考える会」(加藤弘吉共同代表/以下、「考える会」)が3月22日に提出した苦情処理書に対するNHKの回答には、以下の2点が示されていた(写真3参照)。 (1)訂正放送の申し入れ書については、「その放送により権利の侵害を受けた本人又はその直接関係人」(放送法第9条第1項)には当たらないため、「ご対応は致しかねます」 (2)一方、NHK NEWS WEB記事に対するご質問については「1月18日のNHK NEWS WEBの記事では、本件に対し『8億円余り値引した根拠が崩れた』とする野党の主張を見出しにした上で、野党議員が行った工事業者へのヒアリング結果を伝えるなどしています。(略)NHKは、公平、公正、不偏不党の立場を守り、自主的な編集判断に基づき記事を掲載しています」としている。 (1)については、訂正報道の申し入れの権限は、放送によって侵害を受けた「本人もしくは直接の関係者」というものであり、「考える会」はさっそく当事者である野党議員から提出してもらう準備に入った。一方、(2)については、一番の核心点である偽装写真問題をなぜ報道しないのかという点に答えておらず、ある意味でNHKの立ち位置がよくわかる回答だった。そこで、今回はNHKへの苦情処理書提出時の様子と、NHKからの回答を報告し、森友問題とNHK報道の問題について考えたい。 ■市民団体の入館を警備員が遮る 3月22日 、 NHKニュースセンター西正門で、NHKへの抗議集会「NHKは安倍チャンネルをやめて公平なニュースを」(「NHKとメディアの『今』を考える会」主催)が行われた(写真1参照)。集会終了後、「考える会」の市民約10名は、前出NHK報道『森友学園問題 立民・共産の議員の発言に工事業者反論』に対する苦情処理書の提出に向かった。ところが、「考える会」の市民がNHKの西門から入ろうとすると、写真2のとおり警備員が行く手をふさぎ、押し問答となった。「放送法に基づく苦情処理書を提出するために来た。建物に入れ、担当者に会わせてもらいたい」「提出に来ることをあらかじめ視聴者センターに連絡を取っている」と市民が話しても、警備員の人数はどんどん増え、敷地内に一歩も入れなかった。 写真2:市民に立ちふさがるNHK警備員 参加市民の一人が広報局視聴者部に電話して事情を話したところ、そこでもNHKに抗議に来るのなら入れないと言う。「集会はすでに終わり、苦情処理書を持ってきただけ」と話すと、郵送で送ってくれと言う。「目の前に持って来ているのだから受け取ってもらいたい」と言うと、抗議集会への参加者は入構させないと言う。その携帯電話でのやり取りを聞いていた市民から一斉に驚きの声が上がった。 改めて「抗議集会への参加は憲法で認められている活動であり、それに参加しているからといって入構すら認めないというのはおかしい」と言うと、1時間後の13時に苦情処理書を受け取ることが約束された。「考える会」が13時に行くと、視聴者部の担当者が苦情処理書を受け取った。受領のサインをもらった上で、考える会は苦情処理書の要点を以下のように説明した。 ・NHKは、森友問題の解決に尽力した野党を逆に批判・中傷した ・工事業者が認めた写真偽装問題が最大の要点であるのに、なんら報じていない ・工事業者の野党への反論は、回答書には文言として書かれてはいるが、事実ではなく、NHKが事実調査せず見出しにして報道していた ・写真偽装問題は、その後すでに国が認め、国有地売却において8億円値引きした根拠を失うという重大な局面を迎えていること報道するよう要求 これに対し、NHKの担当者は回答することを約束したが、公共放送を担うNHKが「抗議集会に参加していた」ことをもって入館すら阻止するという憲法遵守を欠落した意識には驚く。 写真3:NHKの回答書 ■NHKの回答とその問題点 NHKが、「考える会」の苦情処理書に対して示した回答(写真3)の中で、訂正報道については、市民団体は法律上、直接の関係者ではないため訂正を求めることができないとして拒否した。そこで「考える会」では、前掲のように当事者である立憲民主党の川内博史衆議院議員、小川敏夫参議院議員、共産党の辰巳孝太郎参議院議員から連名で提出する了解を取った。NHKに対して門前払いを撤回させ、再回答させることになった。 また、苦情処理については、意見対立する双方の意見を伝えているのかという点で、野党の主張は記事内で掲載し、公平・公正・不偏不党の立場を守っていると述べていた。 しかし、これは無理な理屈である。現に野党議員を批判した業者の反論に対する野党議員の見解「業者が1月17日の説明会の時には説明していないことも説明したかのように回答書では述べ、その野党への反論は事実ではなかった」は、掲載にあたって考慮されていなかった。野党の意見は、業者が反論するたたき台として記載されているにすぎなかった。その上、『森友学園問題 立民・共産の議員の発言に工事業者反論』という見出しを打ち、その反論が根拠を持つかのように報道していたのである。したがって、ほとんど回答になっていないといえよう。通常、対立する意見があった時には、見出しに採用された意見がその報道機関の主張とみられる。見出しに工事業者の「反論」を掲げながら根拠なく報道したNHKの責任は重い。 ここで、工事業者の回答書、そしてNHKの報道、「考える会」が提出した苦情処理書に戻って、改めて今回のNHK報道の問題点について考えてみたい。 写真4:試掘写真No.7と試掘写真No.11は、同じ写真を加工して別の試掘穴と説明されていた。このほか、試掘写真No.7と試掘写真No.10も同じ。 工事業者から国交省への回答書の要点は、国が値引きの証拠として用いた試掘写真資料(写真No.7と写真No.10、写真No.11)において、別の試掘穴の写真とされていたものが、同じ試掘穴であることを認めた点にあった。業者は、担当職員が代休中だったため写真の選定を間違った「単純なミス」と言い訳をしている。 しかし、この資料は昨年明らかになった4000ページにおよぶ公文書によれば、8億2000万円の値引きをするにあたって計算根拠とした重要資料であった。その重要資料を、業者は試掘写真(写真No.7)の一部を拡大処理した上で切り抜き、それを別の試掘穴(写真No.11)のように見せていた。この他にも試掘写真(NO.7)をもう一つ(写真No.10)につくり替え、1つの試掘穴を合計3枚の試掘写真として偽装していた。写真の選定で間違ったというレベルの問題でなく、意識して写真加工した明らかな写真偽装であった。 これまで国会でも偽装の疑惑を指摘されていたが、国(財務書・国交省)は、「業者がつくったことだから」という言い訳を使い1年半も引き延ばしたあげく、工事業者自身が偽装を認めたのである。これ自体が大事件である。 ところが、NHKはこれを次のように報じた。 「森友学園への国有地売却をめぐり、立憲民主党と共産党の議員が、(略)現場を試掘し、報告書を作成した工事業者から説明を受け、工事業者は『報告書は若い社員がいいかげんに作ったもので、深さを意識してつくったものではない』などと話していたと述べました。これに関連して、工事業者が(略)回答した資料の中で工事業者は『私の説明した発言内容が正確に引用されておらず、発言の一部のみを引用し、都合よく発言内容を合体したため、まったく異なる意味内容となっている』などと反論しました」 写真偽装という公文書の偽装、かつ森友問題の核心点である埋設ごみの有無にかかわる重大問題を、立憲民主党と共産党の議員が工事業者の説明を正確に述べなかったため、それへの業者からの反論があったという問題にすり替えがなされ、試掘写真資料の偽装問題を業者が認めたという点については触れていない。 そこで苦情処理書では以下のように指摘していた。 「試掘写真資料は、8億円余りの値引きを行う唯一の根拠だった、その写真の示す試掘穴に間違いがあった、と業者が認めた事は、8億円の根拠が疑われる重大な事態である。報じないのは、公共放送に求められる報道機関としての資質を欠いていると言われても仕方がない」 NHKが野党を根拠なく批判するために、回答書における工事業者の言い分の真偽を確かめず報道した責任は重い。 なお4月26日、再度提出された苦情処理書は、「考える会」と前出の立憲・共産党の議員の連名となっている。今後の行方に注目したい。 (文=青木泰/環境ジャーナリスト)
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