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安全保障で迫られる乏しい3択のリセットが日本の起点に 激動必至 令和日本、世界どう動く
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/253067
2019/05/03 日刊ゲンダイ 柳澤協二氏(C)日刊ゲンダイ 柳澤協二(元内閣官房副長官補) 元号が変わったからといって、何かがリセットされるわけではない。世界は日本の都合で動いているわけではない。意味があるとすれば、天皇の代替わりに象徴される世代交代によって、経験に裏打ちされた国民意識が変化することだ。 昭和は戦争と戦後復興を通じて、戦争はごめんだ、みんなで働いて豊かになるという国民意識を育んだ。平成は、戦争世代の退場と、働いても豊かになれない世代を生み出した。戦争への拒絶感が薄れ、社会が分断される時代となった。 戦争の要因は、富と名誉と恐怖といわれている。富の不公正、人間の尊厳という名誉の喪失が、他者を排除し争いを生み出すもとになっている。トランプ大統領が掲げるアメリカ第一主義のように、富も名誉も自国で独占し、武力で恐怖を与えて強制する戦争要因のデパートのような政治がまかり通る時代である。 日本の周囲を見れば、中国の台頭によってアメリカの優位が揺らいでいる。日中で見れば、中国は、政治・経済・軍事で今や完全に日本を凌駕している。日本の中に、中国への警戒感が生まれるのは当然だ。 だが、事の本質は、米中覇権の行方だ。昭和の時代には、最強のアメリカについていればよかった。日本の課題は、アメリカと折り合いをつけることだった。平成の時代には、米中の争いが明らかとなったが、その決着の行方が分からなかった。今や中国がアメリカに比肩する日はそう遠くない。 その中国に対抗するには、アメリカに頼らざるを得ない。だが、アメリカは、日本を無視して折り合いをつけてしまうかもしれない。そこで、日本は、見捨てられる恐怖と巻き込まれる恐怖という同盟のジレンマにさらされる中で、アメリカ製の武器を買い、安保法によってアメリカとの軍事的一体化に舵を切っている。 力に頼る安全保障では、際限のない軍拡競争と、アメリカ追随以外の選択肢はない。アメリカとの折り合いをつける発想はなく、まして中国との折り合いをつける余地もない。 平成の時代には、勝利の展望がない対テロ戦争への協力のためインド洋やイラクへの自衛隊派遣が延々続く中で、「同盟疲れ」といわれるアパシーが出てきた。令和の時代にも、やがて「抑止力疲れ」という状況が生まれてくるだろう。それはひとえに、問題解決の展望が描けない中でがむしゃらに軍拡を進めることから生まれる現象だ。 安全保障とは、国民共有の国家像を実現するためのレシピに他ならない。変わりゆく世界の中で、アメリカにつくか、中国に降るか、核を持った大国になるかという、乏しい3択をリセットし、核を持たず、アメリカとも中国とも折り合いをつける生き方を考え出したときに、令和は新たな日本の起点となるだろう。 ▽柳澤協二(やなぎさわ・きょうじ)1946年生まれ。東大法卒、防衛庁(当時)入庁。官房長、防衛研究所長、内閣官房副長官補を歴任。現在、国際地政学研究所理事長。
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