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平成最後の欧米歴訪で総崩れ 令和外交はドン底から始まる
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252574
2019/04/24 日刊ゲンダイ 薄っぺらな関係(右がロウハニ・イラン大統領=代表取材・共同) 天皇の退位前日まで安倍首相が1週間もの長丁場で欧米6カ国を歴訪中だ。今や“外交の安倍”どころか、目も当てられない惨状で、平成を締めくくる外遊でボロボロ外交総崩れが露呈している。 安倍首相が欧州に出発した22日、米国はイラン産原油の全面禁輸を発表。昨年11月にイランへの経済制裁を再発動させた際、日本など8カ国・地域の原油輸入については最大180日間の制裁適用を免除したが、5月2日に打ち切ると通告したのだ。イラン革命防衛隊の高官は、原油の海上輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖も辞さない構えだ。この間、安倍政権は何をしていたのか――。 日本とイランは長年、良好な関係を築いてきた。ちょうど今年は両国の外交関係樹立90周年でもある。米国ベッタリの安倍首相も、2013年から昨年9月まで、6年連続でイランのロウハニ大統領と首脳会談をしてきた。国際ジャーナリストの春名幹男氏が言う。 「180日の間に、安倍首相は、ロウハニ大統領とのパイプを生かして、米国とイランの間に入り外交努力をすべきでしたが、米国にお任せだったように思われます。ロウハニ大統領と会談を重ねても、肝心な時に話ができる関係は築けていないということでしょう」 23日の会見で、菅官房長官は「米側と緊密に意思疎通を図ってきた」と語り、世耕経産相は「(米国との交渉は)必要に応じて働きかけを行っていきたい」と言った。交渉相手は米国ばかり。イランのイの字も出てこなかった。 23日、安倍首相とマクロン仏大統領との会談に先んじて、各メディアは「ルノーが日産に経営統合打診」と報じた。 「首脳会談で安倍首相に、“統合問題”を取り上げて欲しい日産からのリークとの情報があります。まあ、会談で安倍首相が触れたところで、何ら影響はありません」(経済ジャーナリスト・井上学氏) ■支持率急落トランプにフルボッコ 27、28日の訪米も悲惨な結果になりそうだ。何しろ、トランプ大統領の支持率が急落。ロイターとイプソスの最新世論調査(18〜19日)では、前週比3ポイント低下し、年初来最低の37%。米紙ポリティコ(電子版)の調査(19〜21日)でも、5ポイント減で過去最低タイの39%だった。 トランプの罪を完全に否定しなかったロシア疑惑の捜査報告書の影響だが、このタイミングでネギを背負ったカモのように安倍首相はノコノコと訪ねるわけだ。農産品の市場開放、車の輸入関税、為替条項、高額武器――。目に見える成果を渇望するトランプに“フルボッコ”を食らうのは目に見えている。 ロシアとの北方領土交渉は頓挫し、北の拉致問題は1ミリも進展ナシ。韓国とは徴用工問題などで互いが罵り合う“史上最悪の関係”と、今や安倍外交は総崩れ。令和の時代はドン底から諸外国との関係を築き上げるしかないが、安倍首相にそれができるとは思えない。
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