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山本太郎新党、ネーミングを嗤う前に政策を色眼鏡なしに見るべき理由 https://hbol.jp/190457 2019.04.22 菅野完 ハーバー・ビジネス・オンライン 写真=時事通信社 山本太郎参議院議員は、4月10日、参院議員会館で記者会見を開き、自身が共同代表を務める自由党を離党する意向を明らかにするとともに、政治団体「れいわ新選組」を結成したと発表した。 この新しい政治団体の発足には随分と批判的な声が寄せられた。なにより団体名がふざけすぎているというのだ。しかし少し頭を働かせてみれば、このネーミングがあちこちに喧嘩を売るものであることがわかるだろう。 各方面を強烈に揶揄するネーミング なにせ新撰組である。新撰組といえば、「長州」からきた「維新」の志士を斬りまくった白色テロ集団。今の総理は、長州出身。時代遅れの新自由主義的経済政策を振りまいて、増長を極める大阪の政治集団の名前は維新。白色テロとは権力の意向に基づいて暴力を振るうことだが、山本太郎はこの点について、「本来、現在の我が国の権力者は有権者」と、見事に規定している。つまり、山本太郎は、「長州の連中や維新を叫ぶ連中を、権力者たる有権者のご意向にもとづいて、叩き斬る」と宣言しているわけだ。 「それにしてもあまりにもダサいネーミングだ」という批判も聞いた。確かにその通りだろう。自分自身を表現するメタファーとして幕末のあれこれを持ち出してくる連中は、武田鉄矢の昔から、うさん臭くてダサいと相場が決まってる。しからば、「大阪維新」もダサいはずだし(実際ダサい)、何かあれば明治維新を引き合いに出す安倍首相も十二分にダサいということになるはずだ(これまた実際にダサい)。 だが、山本太郎の真骨頂はあちこちに喧嘩を売る団体名のネーミングセンスではない。彼が主張する政策にこそ注目すべきだ。 極めてド正論な政策にこそ耳を傾けよ 記者会見で山本太郎は「消費税撤廃」「最低賃金全国一律1500円」「奨学金徳政令」「公務員増員」などからなる8つの政策項目をあげた。この中でも特筆すべきは「消費税撤廃」だろう。 消費税の導入は平成元年。そして平成の30年間、ずっと日本は不況にあえいできた。経済が伸びないのに、「財政健全化」を大義名分にして消費税だけがあがりつづけてきた。そうしたことを踏まえ、山本太郎は、記者会見で「消費税導入や増税のたびに、法人税が減税されてきたこと」「もし法人減税なかりせば、消費増税分の財源は確保できていたこと」「法人税の高さは企業の海外流出を生まないこと」を、政府公式発表データをもとに極めて理路整然と説明してみせたのだ。 「所詮、メロリンキュー」とバカにすることなかれ。百聞は一見にしかず。あの記者会見動画を各位もご覧になればいい。彼ほど論理的に我が国の税制の問題点を指摘しうる政治家は他にいないことを理解できるはずだ。 夏の参院選まであと少し。正論を掲げて孤独な戦いを挑む、山本太郎の今後から目が離せない。 <取材・文/菅野完> すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。現在、週刊SPA!にて巻頭コラム「なんでこんなにアホなのか?」好評連載中。また、メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(sugano.shop)も注目されている
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