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性的虐待の父親無罪で考える 筆者中学生時代の屈辱と悪夢 ファクトチェック・ニッポン!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252010
2019/04/17 日刊ゲンダイ 仮に裁判員裁判であったなら同じ結果になっただろうか?(名古屋地裁)/(代表取材) 今も忘れることのできない少年のころの記憶。その嫌悪感と屈辱感に吐き気をもよおすことが今もある。それは中学生の時。私は姉と週末の日中に井の頭線に乗っていた。さほど混んでもいない車内で私はドア付近で窓の外を見ていた。すると、いきなりズボンの中に何かが入ってきた。そして、それは不自然に動いて私の肛門付近をまさぐっている。それが人の手であることは把握できたものの、驚きと怖さ、そして羞恥心とで、体も頭も動かない。その状態がどれだけ続いたのかさえ、わからない。背中越しにいる相手を見ることさえできない。 「やめなさい」 高校生の姉のその一言で、手は私のズボンから出て行った。私はやっとの思いでその男の顔を見たが、しっかりと見ることはできなかった。男は去っていった。 3月26日に名古屋地裁岡崎支部の出した判決を知って、その時の井の頭線での悪夢がいつもより鮮明に思い出された。判決は、長年にわたって性的虐待を加えていて準強制性交の罪に問われた父親を無罪とした。その判決文を確認した伊藤和子弁護士によると、被害者の女性は中学2年の時から継続して父親から性的虐待を受けていたということで、裁判になったのは2017年8月と9月に父親から意に沿わない性交をされたものだったという。父親が問われたのは準強制性交罪。判決では、意に反する性行為だったことや、暴行などによって父親が支配的な立場にあったこと、つまり心理的に抵抗できない状況がつくり出されていたことを認めたという。それでも、判決は、父親を無罪とした。 週刊新潮に被告である父親の弁護人のコメントが出ている。「『疑わしきは被告人の利益とする』という大原則に基づいた判断を」したのだろうというものだ。正論ではあるが、支配的な立場にある父親の意に沿わない性交をされたことが認定されていて、これ以上、何をもって疑わしいのかと頭を抱えたくなるのも事実だ。 伊藤弁護士によると、準強制性交罪が成立する要件である「心神喪失」または「抗拒不能」という要件は、今回の判決で極めて高いハードルとして提示された。「抗拒不能」とは、抵抗が困難という意味だが、判決はこのハードルがクリアされていないと判断し無罪判決になったということだ。 人を裁く以上、法律を厳密に解釈することは必要だとは思うが、一方で市民感覚の導入もこのところの刑事裁判の流れではある。裁判員制度だ。これは、法律の現場に市民の感覚を持ち込む改革だ。仮に、この裁判を裁判員が裁いていたら同じ結果になっただろうか?そして、私の中学時代の悪夢だ。私は、自分のズボンに手を入れて性器をまさぐられつつも、何の抵抗もしなかった。では、私はそれを受け入れていたというのだろうか? 裁判所はそういう判断を下すのだろうか? それは事実ではない。仮に、裁判官が中学生の私のような経験をしていたら、それでも同じ判決を書いたのだろうか。 ただ、これは裁判官を断罪したところで、何にもならない。検察が控訴したのは正しい判断だと思うが、伊藤弁護士は、仮に控訴審で有罪判決を得てもそれで十分ではないと話す。刑法の改正を速やかに検討すべきだからだ。誰が裁判官でも、鬼畜とも言える被告が適正な裁きを受けられる法律が必要だ。 立岩陽一郎 ジャーナリスト、1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職し、17年からフリーランスとして活動。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。ニコニコ動画でも「ファクトチェック・ニッポン」の配信を開始。
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