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「ヒトラーと同格にするな」と怒った東条英機の短絡的考え 保阪正康 日本史縦横無尽
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252085
2019/04/18 日刊ゲンダイ ヒトラー(C)共同通信社 真珠湾攻撃の奇襲攻撃時に軍事指導者たちの反応がどのようなものだったかを見るのは重要だ。なぜなら指導者の実像を確かめる最も有効な手段だからである。近視眼的で、個々の状況に一喜一憂するのは「経綸」のない指導者の常である。経綸とは、国家を治めととのえるための策のことだ。 昭和10年代の戦争を、なぜ私たちは批判しなければならないか。その理由は戦争そのものへの批判もさることながら、経綸のない指導者に国家の存亡を左右する軍事を託したからである。太平洋戦争に至るプロセスを含めて、こういう指導者に引き入れられた時代の国民がいかに不幸だったかを確認しなければならない。 これまで東條英機などの指導者の歴史観のなさを問うてきた。本来なら東條は軍内の一官僚程度なのに、国家の指導者に列した。昭和10年代のある時期、日本はドイツと深い同盟関係にあった。ヒトラーを称える世論が形成された。その後、真珠湾攻撃の成功により国内にはヨーロッパのヒトラーと東亜の東條を並べ立ててお追従を口にする者があった。すると東條は「あんな伍長上がりの指導者と同格にしないでくれ」と怒った。自分は大将であり、ヒトラーより能力が優れているというのだ。こうした短絡的な考え方が、東條に代表される軍事指導者の発想法であった。 これに反して山本五十六のようなタイプも存在した。理詰めに事象を捉え、歴史的透視力を持って現実と向き合うのである。彼のような指導者によって、あの戦争が指導されたならば、日本の歩んだ道はもう少し変わっていただろう。 第2次世界大戦の折に、戦争に加わった国々はそれぞれの時代を代表する指導者の顔を持っていた。むろんそこにはその国の「悪」を代表する顔もあった。例えばドイツのヒトラーのようにである。 しかしそのほかの指導者は国を代表し、戦争指導に確固たる思想を持っていた。アメリカのルーズベルト、イギリスのチャーチル、フランスのドゴール、ソ連のスターリン、中国の蒋介石、毛沢東、イタリアのムソリーニなどそれぞれが戦争哲学を持ち、時代と社会が自らに何を仮託しているかを知っていた。 日本の指導者はそのことを知らなかった。ひたすら戦争に勝てばいいとだけ考える「軍事の鬼」だったのである。それが悲劇の理由であった。こうした視点で、もう少し真珠湾攻撃の後からの動きを確認すべきだと思う。 (つづく) 保阪正康 作家 1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。
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- ↑ 連載13日目でいささかお疲れか、保坂氏。今回のこの記事は切れが悪い。 空っぽの愛国君 2019/4/19 23:46:01
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