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無責任国家の象徴 「疑惑に蓋」で無理やり五輪の空疎
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/250261
2019/03/22 日刊ゲンダイ 文字起こし
幕引きは許されない(C)日刊ゲンダイ
やはりJOC(日本オリンピック委員会)は感覚がズレている――。2020年東京五輪招致に伴う2億2000万円の賄賂疑惑。竹田恒和会長(71)が、仏当局から事情聴取された直後の今年1月の記者会見を質問に答えず7分で打ち切った際はア然だったが、19日の退任表明も非常識かつあり得ない展開だった。
竹田氏の表向きの退任理由は、「選任時70歳未満」というJOCの役員定年規定に引っかかるからであり、賄賂疑惑の引責とは絶対に言わないどころか、疑惑とは無関係というスタンス。
だから「辞任」ではなく「退任」と表現し、6月27日の任期満了まで、この先3カ月も居座るという。
JOCの理事会も、お涙頂戴の擁護ムード一色で、慰留の声が続出。小谷実可子理事に至っては、「経験や人脈を生かしていただくことが(五輪の)成功に不可欠」と名誉会長就任を提案する始末で、実際、その方向で検討されているというから驚愕である。
JOC内では竹田氏の定年延長が既定路線だった。
退任に追い込まれたのは「IOC(国際オリンピック委員会)にハシゴを外された」という被害者意識が強い。仏当局の捜査が進む中、IOCが竹田切りに走り、「竹田会長のままでは、東京五輪1年前を祝う7月のイベントにバッハ会長は来日しない」という通告があったとされる。
要は「任期満了」と「名誉会長」で竹田氏のメンツを守るというわけだが、拘束を恐れて、IOCの委員会やOCA(アジア・オリンピック評議会)総会など海外の会合を欠席する竹田氏を、このままJOCに置いておいても何も機能しない。JOCは組織として腐っている。
■「オールジャパン」に責任
もっとも、賄賂疑惑が竹田氏ひとりの問題じゃないことを招致関係者の誰もが分かっているから、竹田氏をスッパリ切れないのだろう。
あの森喜朗東京五輪組織委員会会長ですら、竹田氏は“お飾り”だと自著「遺書 東京五輪への覚悟」で次のように書いている。
<竹田さんを周りの人たちが殿様にして、好き勝手なことをやっている。竹田さんは象徴として座っているだけで何もしない>
<招致運動はJOCだけに任せないで、東京2020オリンピック招致委員会を、石原都知事を会長にして2011年に設立し、運動を始めました。だから成功したのです>
賄賂振込先のシンガポールのブラックタイディングス社との契約を後押ししたのは電通の関係者だし、決裁には竹田氏のほかに、招致委に出向していた文科官僚や外務官僚、都庁の役人も関与していた。
招致決定の舞台となったアルゼンチンに出向いた安倍首相、そして森も含め、「オールジャパン」で招致したのである。竹田退任というトカゲの尻尾切りで疑惑も幕引きなんて許されるはずないのだ。
JOCは相変わらず、「疑惑は16年9月の調査報告書で公表した通り違法性なし」という立場。だが、調査チームにはオブザーバーとしてJOC常務理事や東京都幹部も入っていて、「中立性」に問題があるのは明らかだ。
高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「竹田氏がJOC会長を辞めざるを得なくなったということは、『違法性なし』とは断定できないということ。つまり、調査委員会のチェックが甘く、機能していなかったということは明白です。この五輪の件に限らず、統計不正調査の委員会も第三者は名ばかりで“お手盛り”でした。いずれもやましいことがあるから、形だけの調査になるわけです。賄賂疑惑によってJOC会長が海外に出かけられない状況は、五輪開催国として国益にもかなわないし、世界に対しても恥ずかしい。それで『違法性なし』『問題なし』とは、無責任すぎます」
安倍がモリカケ問題で何の責任も取らず、財務官僚は公文書を改ざんして告発されても不起訴で不問。無責任体質が蔓延する国に堕落してしまった結果、JOCだって「責任なし」で逃げ切れると踏んでいるのだろう。
聖火リレーのトーチで目くらまし(C)共同通信社
利益優先でバカ騒ぎに加担するメディアの大罪 |
この国に無責任体質がはびこるのは、メディアにも問題がある。
メディアはJOCについて、疑惑よりも「次の会長は誰なのか」が最大の関心事。さっそく、JOCの選手強化本部長も務める全日本柔道連盟の山下泰裕会長が最有力だと騒ぎ、山下氏なら何が課題か、などと気の早い報道もあるほどだ。
そのうえ、テレビや新聞各紙が竹田退任問題を大きく取り上げたのは、表明当日の19日と翌20日の2日間こっきり。東京五輪組織委が20日に聖火リレーのトーチを発表すれば、それに飛びつくありさまで、賄賂疑惑の解明を比較的厳しく求めていた朝日新聞でさえ、<桜咲く聖火トーチ 被災3県の廃材再利用>と1面カラーで復興五輪を盛り上げていた。
そしてメディアは21日は、東京の桜の開花宣言で大騒ぎ。リポーターを上野に行かせて中継するテレビ局まであった。
今後は4月1日の新元号発表、5月1日の天皇代替わりとお祝いムードに流され、JOCの体質や責任問題が不問に付されていくのは想像に難くない。
新聞は全国紙全社が五輪のスポンサーになっているし、テレビはNHKと民放がコンソーシアムを組んで五輪を中継する。
自分たちの利益のためにも東京五輪を盛り上げたい一心で、ホンネでは賄賂疑惑など「冷や水」とさえ思っているのだろう。
「ブラックボランティア」著者で広告代理店出身の作家・本間龍氏がこう言う。
「竹田会長の退任表明の翌日、朝日新聞などが社説まで使ってこの問題を取り上げていましたが、非常に巧妙だと思いました。竹田氏が辞めざるを得なくなったのは、とどのつまり『カネで五輪を買った』という疑惑の責任を取らされたわけですよね。ところがメディアは、『疑惑の解明が必要』『これで終わりにしてはいけない』とは書いても、『カネで買った五輪を開催していいのか』という本質には踏み込まない。疑惑が本当なら、招致の正当性は崩れてしまいます。開催まであと1年強となり、今さら五輪をやらない選択肢はないという現実はあったとしても、本丸の議論をしなくていいのでしょうか」
■「総動員体制」の嫌な空気
“偽善者ヅラ”のメディアが、五輪応援のバカ騒ぎを演出するのだから、マトモな人たちはどんどんシラけていく。無理やり盛り上げようとすればするほど、空疎になっていく。
仏当局による捜査が進んでいるのに「疑惑に蓋」で逃げる愚。そもそも招致時の「アンダーコントロール」からして真っ赤な嘘だった。いまだ事故を起こした福島の原発は廃炉のメドが立たず、復興から取り残されている被災者の問題は深刻化している。そんな無責任国家が無理やり五輪を開催するなんて、イカれているとしか言いようがない。
「五輪に対して、冷ややかな気分になっていくのは、JOCや五輪組織委のあざとさが見えるからです。大企業やメディアをスポンサーにし、学生をボランティアにすることで、『君たちも成功させたいだろう。だったら疑惑も何もかも清濁併せのむべきなんだ』と囁いているように思える。ある種の総動員体制をつくり上げ、批判できないようにして、国民を抱き込んでいく。そういう嫌な空気を感じれば感じるほど、五輪と関わりのない人たちはシラケムードに包まれるのだと思います」(五野井郁夫氏=前出)
本当に五輪を開催するのか、していいのか。あと1年以上続く喧騒の中、本質の議論はなされることなく、この国はますます劣化が進むことになる。
22日日刊ゲンダイ巻頭
— 宮澤 望 (@yuakira1) 2019年3月22日
無責任国家の象徴 「疑惑に蓋」で無理やり五輪の空疎 https://t.co/noW4P9qZTj #日刊ゲンダイDIGITAL@tim1134 #IWJ
【竹田氏が任期満了、名誉会長検討とはぶったまげた】「疑惑に蓋」の空疎な五輪 逮捕を恐れて国から出られないような会長が説明も拒否したまま辞任し、幕引きとは恐れ入る 何も竹田に限らないが、誰も責任を取らず、逃げ切りを許す無責任国家が無理やり五輪のバカバカしさ(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/RO6Knff86P
— KK (@Trapelus) 2019年3月22日
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